トレジャーハンターには困ったもんだ。考古学ではないのだから…

1857年9月、アメリカ・カリフォルニア州の沖でニューヨークに向かう途中の船がハリケーンに遭遇し、沈没。乗客や乗組員含め425名の方が亡くなりました。この船、SSセントラル・アメリカ号は様々な理由で現在でもとても有名です。

ここ数日、日本の某テレビ局など数社で似たようなニュースが報じられているようですが、アメリカのトレジャーハンティング会社がこのSSセントラル・アメリカ号から金塊をサルベージしたそうで、売却すると相当な金額になるようです。

もちろん、これは考古学調査ではないので、残念ながら歴史的資料はあまり得ることができません。また、この沈没事故で亡くなった多くの方々への配慮を考えた行為であるとは思えません。悲劇の事故のはずなのですが…注目を浴びるのは積まれていた金塊で、それも売却して個人的にお金を儲けるためだけの行為。

実は、この船は20年ほど前に別のトレジャーハンターが一部引き上げを行って一躍有名になりました。本なども書いています。しかし、スポンサーに配当金を払うはずだったそのトレジャーハンターが金塊を持ち逃げ指名手配となっています。未だに見つかっていないそうです。金塊は溶かして闇ルートで売られたのか?本人はどこに?

先日からニュースとなっている韓国の沈没船。タイミング悪く水中考古学のネタを放送する予定だったポケモンはテレビ局が放送を自粛・延期(中止)しました。また、WOWOWも映画タイタニックの放送を延期。そのような中で、このようなニュースを扱ってしまって良いのか?また、一部ではありますが、この行為を考古学と勘違いしている人もいるようです。

ちなみに、来週からハワイでアジア・太平洋地域の水中文化遺産の保護を呼び掛ける学会が開催されます。UNESCOの水中文化遺産保護条約や人道的・考古学的な水中遺跡(沈没船を含めた)を知る上では良い機会ではないでしょうか?アジア・太平洋地域から多くの水中考古学のエキスパートが集まります。インドネシアやスリランカなど近年水中考古学に力を入れている国からの発表などいろいろと新しい情報が聞けることでしょう。報道機関・関係者の方にもそろそろ本当の水中考古学を知ってもらう良い機会であると思います。

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