文献紹介

アメリカ人の見た蒙古襲来!

日本へも何度か来たことのある著名なDelgado博士が蒙古襲来と鷹島海底遺跡などについて本を出版されました。鷹島海底遺跡の発掘に参加した関係者や2008年の海洋考古学フォーラムに参加した人はデルガド博士にお会いしたはずです。鷹島にカナダからの撮影メンバーを連れてきた先生です。

さて、肝心の本の内容ですが...もちろん英語が読めないといけませんが、アメリカ人向けに書かれているので日本人の歴史好きの人には物足りないかも知れません。神風と第2次大戦の関係を多少重視しすぎている気もします。ですが、最新の考古学の情報、そして大きな視野で蒙古襲来を見ていることなどはアプローチの仕方などが新鮮に感じます。

また、鷹島の発掘や調査に参加した人には懐かしく感じるかもしれません。日本での発掘の様子や人物の紹介なども物語風に描かれています。デルガドさんを覚えてる人は読んでみるともしかしたら、「あれ、これ自分のこと?」と思うことでしょう...もちろん私もちょくちょく出てきます(写真つき)。歴史の本として部類されるよりは体験談と随筆といったところでしょうか?日本語に翻訳されるか今のところ予定はないそうです。

元寇遺跡、水中考古学に興味のある人はぜひどうぞ。値段も意外とお手ごろ価格です。

沈没船ダイビング雑誌

沈没船のダイビングを専門で扱っている雑誌です。ダイビング好きの人は見てください。あまり考古学的ではありませんが、このような趣味を持った人が増える事で水中考古の宣伝となり、また、遺跡の発見にもつながります。

一家に一冊水中考古学の本

Beneath the Seven Seas: Adventures With The Institute of Nautical Archaeology
Beneath the Seven Seas: Adventures With The Institute of Nautical Archaeology

以前にも紹介しましたが、ぱらぱらとページをめくっただけで紹介してしましました。この本を手に入れた後、直ぐに日本へ帰ったため、読む時間がなかったので、今改めて紹介したいと思います。


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Shipwreck anthropology

Shipwreck Anthropology
Shipwreck Anthropology

タイトル:Shipwreck anthropology
著書:Richard A. Gould (ed)
出版年:1983
出版社:Albuquerque : University of New Mexico
詳細: xiv, 273 p. : ill. ; 24 cm

考古学は諸科学に比べて理論面での発展が遅れていると言われることがあります。これは、例えば社会学などの理論的アプローチを考古学者が取り入れて応用するといった研究を行ってきたからだと指摘できるかもしれません。考古学者にとって理論の発展は、常に課題となって議論されます。本書は船舶・海事考古学に理論的アプローチの問題を投げかけた最初の本です。各チャプターは別々の著者によって執筆されています。出版年を参考にすると分かりますが、チャプターの内容にProcessual Archaeologyの影響を見て取ることできます。あるいはチャプターによっては、その内容に疑問を感じる読者がいるかもしれません。入手することは困難ですが、一度は読んでみることをお勧めする本です。

Maritime archaeology

Maritime Archaeology
Maritime Archaeology

タイトル:Maritime archaeology
著書:Keith Muckelroy
出版年:1978
出版社:Cambridge ; New York : Cambridge University Press
詳細: x, 270 p. : ill. ; 25 cm.

海事・水中考古学が学問としての道のりは、まだまだ日が浅いと言えるでしょう。しかしながら、確実な知識の蓄積が多くの研究者によって積みかねれています。そうしたなかいわゆる古典と呼ばれ、海事・水中考古学関連の文献で最も引用・参照される書籍の一つが同書です。イギリスの海事考古学者であるマッケロイ氏は、同書の中で水中考古学の学問的側面の原型を作りました。例えばSite Formation Process, Underwater Cultural Heritage Managementなどのコンセプトの雛形を同書にみることができます。氏は20代の若さでダイビングの事故により亡くなり、同書も現在では入手することが難しくなりましたが、一度は手にとって見ることをこの分野に興味のある方にお勧めします。

Legal protection of the underwater cultural heritage : national and international perspectives

Legal Protection of the Underwater Cultural Heritage: National and International Perspectives
Legal Protection of the Underwater Cultural Heritage: National and International Perspectives

編集:Sarah Dromgoole
出版年:1991
出版社:Kluwer Law International, London
詳細: xx, 239 p. : ill., maps ; 25 cm.
ISBN: 9041197621

UNESCO Convention 2001にみられるように、世界各国で水中文化財を
守る枠組みが構築されつつあります。法律による文化財保護は決して万能ではありませんが、考古学者にとって保護を推進する力強い武器となります。
‘Legal protection of the underwater cultural heritage : national and international perspectives’は13カ国(オーストラリア、中国、フランス、ギリシア、アイルランド、イタリア、ポーランド、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、トルコ、イギリス、アメリカ)における、水中文化財への法的保護活動についてまとめたものです。各国の海事・水中考古学者、海事関連法の専門家が執筆しており、この問題について知識を深めたい読者に本書を推奨します。

大和型船 船体・船道具編

大和型船 船体・船道具編
大和型船 船体・船道具編
堀内 雅文
成山堂書店 (2001-09)
単行本 (ASIN: 442530201X)

価格: ¥ 6,930 (税込)
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歴史の海を走る

図説・中国文化百華 (016)
図説・中国文化百華 (016)
山形 欣也
農山漁村文化協会 (2004-12)
単行本 (ASIN: 4540030981)

価格: ¥ 3,200 (税込)
Amazon.co.jp で商品情報を見る


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INA Quarterly

INAQはテキサスA&M大学のINAのニュースレターです。一般向けの雑誌に近いものがありますが、INAのスポンサーなどに配るために出版されています。記事ひとつひとつが短く、また読者層を考えて書かれているため、読みやすい記事が多いです。また、INAの動向を知るにも最適です。INAのプロジェクトを紹介することが多いですが、時々INAとはあまり関係のないプロジェクトも載せてあります。バックナンバーがPDFでダウンロードできるので目を通してみては?

A & C Society Archives Collections

A&C Societyでは西洋中心ですが、海事史の文献がそろっています。とくにCollectionの中のMagazineセクションが充実しています。 
とくに水中考古学者に人気があるジャーナルはMariner’s MirrorやAmerican Neptuneがあります。とくにMariner’s Mirrorは中国の船なども扱っていますので、アジアの水中考古学者も知っておくべきではないでしょうか? 
ほかにもいろいろな資料があるのでこのサイトをもとにどんどん良いジャーナル、文献などを探す手がかりとなるのでは?