お知らせ
水中考古学関連のニュースや関連記事を掲載します。
タイのプーケットで日本軍ではなくイギリス軍の小型潜水艦発見
以前、旧日本軍の潜水艦がタイで発見されたとお伝えしましたが、これはイギリス軍の小型潜水艦の間違いでした。小型潜水艦を使ったのは日本軍だけだと勘違いしておりましたが、イギリス軍もHuman Torpedoを使用していたそうです。訂正してお詫び申し上げます。
タイのプーケット沖で2隻の小型潜水艇が沈んでいるそうです。イギリスのサルベージ会社が引き上げを行いたいとタイ政府に申請しています。タイでは水中にまで文化遺産保護法などが適応され、文化庁などから許可を得る必要があります。タイ政府の発表によると、2隻とも約9m、3cmほどの厚みのある装甲がされているとのこと。
航海記録から地球の磁界の変遷を見る
特に船の考古学ではないですが、航海記録を地質学者が研究するという専門学域を超えた学際交流研究は我々水中考古学者が積極的に取り入れていくモデルだと考えています。また、この研究で得られたデータは考古学にももちろん有効に使えます。
ヨーロッパの航海者達は航海記録(ログ)を毎日とっていました。これは日々の記録、特に船のスピードや位置などを記録していました。この記録をもとに地球の磁界の変化を突き止めようとする研究が行われています。1590-1840年までの記録をもとに磁界の強さなどを調べていました。もちろん、過去の記録はそれほど正確ではなかっため、いろいろなエラーがありましたが、それを修正しながら研究を進めているそうです。また、1840年以降のログの調査をしていないのは、それ以降は磁界のきちんとしたデータが取られているため、ログを基にする必要がないとのこと。 これらの調査の結果、磁界は過去にはある程度一定だったものの、250年ほど前から1年に0.05%ずつ磁界の力が弱まっていることがわかったそうです。磁界の力が弱まるのは地球の磁界がひっくり返る(Polar Reversal--北と南が入れ替わる)前兆だと考えられています。これは約百万年に一度起こると他の研究からわかっています。
大王の棺 シンポジウム
読売新聞から
昨年夏、熊本から大阪を結ぶ海路をたどった大王のひつぎ実験航海。古代の謎と海へ挑戦したこの航海の記念シンポジウム「大和王権と『九州王国』」が、5月21日に福岡で開かれる。阿蘇ピンク石が大王のひつぎ(石棺)となって畿内の大王陵に納められた背景はなにか。シンポジウムを前に、謎の扉をたたいてみよう。
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2005年8月26日夕、大王のひつぎ実験航海船団が、歓迎の市民が待つ目的地の大阪南港(大阪市)に到着した。熊本・宇土を出航して34日目、1006キロ・メートルの航海だった。
古代の技術レベルで復元された古代船「海王」、約3トンの石棺の蓋(ふた)を載せた台船「有明」、4トンの身を載せた同「火の国」が拍手の中で無事南港の岸壁に着岸、古代復元航海は成功した。
その時、「海王」が引く台船の上に20年来この実験航海を夢見てきた高木恭二宇土市教委文化振興課長(考古学)が乗っていた。「感激でした。古代に石棺を本当に海路で畿内まで運ぶことができたことを実際の海で証明した。すごいことをやったと思った」
その実験航海の記録映像(前・後編計53分)が高木課長の報告を交え、シンポジウムで初公開される。
「大王航海」シンポ 大和王権と「九州王国」
5月21日(日)午後1時~5時 イムズホール(福岡市・天神、イムズ9F)で。
聴講無料。申し込みは、郵便番号・住所・氏名・電話番号を明記し、はがきの場合は〒810―8581中央区赤坂1―16―5読売新聞編集管理部あて。FAXでは092・715・5809へ。問い合わせ先は092・715・5803。
文化財保存修復 研究施設完成
水中考古学はその遺跡の立地状態から考えて、保存処理とは深い関係を持っています。保存処理なくして水中考古学発掘はありえません。PEG保存処理槽や真空凍結乾燥機は水中遺物の保存に必要。保存処理を学ぶ学生が水中遺跡にも興味をもっていただければ幸いです。この新しいセンターの皆さんの今後の活躍を期待しています。
山形新聞から
文化財保存修復へ最新設備導入-芸工大に研究施設完成
山形市の東北芸術工科大文化財保存修復研究センター(松田泰典センター長)が建設を進めていた新しい研究施設が完成した。文化財保存修復を専門とする東日本唯一の研究拠点で、国内最新鋭の設備や機材を導入。研究水準の高度化、若手研究者の育成を目指す。
同センターは、芸工大の付属機関として2001年に設立。これまで68件の受託事業を行っている。05年度から5年間、文部科学省の「オープン・リサーチ・センター整備事業」の認定を受けた。「地域文化遺産の循環型保存・活用システムの総合的研究」をテーマに、県内をはじめ東北各地の文化財を守る拠点として、本格的な活動を進める。5年間の総事業費は約8億7000万円。
完成した研究施設は、キャンパス南側の体育館に隣接している。4階建てで総床面積は約2300平方メートル。1階には遺物処理室、エックス線撮影室などを設けた。2階には温度と湿度を一定に保つ収蔵庫、3階には絵画修復室、立体修復室がある。4階は展示室で、修復が終了した作品や修復作業の過程をパネルで紹介する。
設備面では、新たに水害などで腐った木材を再生する「PEG保存処理槽」、水を吸った書類を保存処理する「真空凍結乾燥機」を導入。いずれも関東以北では最大。長さ5メートルの木材も修復可能。
赤外線を反射させて大型の文化財の構造を調べる「屋外用3次元計測装置」も導入した。建造物のほか、遺跡を丸ごと計測することもできる。
施設内部は定期的に一般公開するほか、住民参加のイベントなども企画する予定。松田センター長は「災害などで損壊の恐れのある文化財がたくさんある。地域の文化遺産を守るため、行政とも連携しながら研究を進めたい」と話している。
網にかかった青銅の像
ギリシャのKalymnos島付近で漁師が約1mほどの青銅の像を引き上げたため、文化庁にすぐに報告(及び提供)をしたそうです。この像は馬に乗る男性で、一緒に引き上げられたアンフォラや他の青銅などから紀元前1世ごろのものと見られています。この地域からは他にも似たような発見が相次いでおり、幾つもの沈没船がこの付近にあることがわかっています。 また、1995年に引き上げられた銅像は現在アテネ国立博物館に展示されており、文化庁が発見者に報酬として 440,000 euro 支払ったそうです。