お知らせ
水中考古学関連のニュースや関連記事を掲載します。
国家建設プロジェクト沈没船発掘のため延期
以前にもお伝えしましたが、ボスポラス海峡をつなぐ高速列車用のトンネル、および駅ビル開発に伴って行われた事前調査でイスタンブールの初期の港、および沈船が幾つも見つかりました。この建設プロジェクトはアジアとヨーロッパをつなぐトルコ国家の巨大建設プロジェクトでした。
遺跡と船が発見された当初は建設に間に合わせる予定でしたが、遺跡の重要性から、完全に遺跡が時間をかけて発掘されるまで建設は中止となりました。アジアとヨーロッパをつなぐ地下トンネルの建設はすでに150年前にSultan Abdul Mecit によって提唱されていたといいます。このような建設事業の大幅見直しを決行したトルコ政府にはさすが水中文化遺産に対しての認識が強い国だと改めて関心しました。
ARIUA主催 「中国江南考古学の旅」
ARIUA(アジア水中考古学研究所)からのお知らせです
ARIUAは「中国江南考古学の旅」を企画しました。今回は浙江省杭州、天台山、寧波の遺跡や博物館を見学する4泊5日の研修旅行です。出発は福岡発6月3日(土)、帰国は6月7日(水))となっています。申込締切が迫っていますので、参加ご希望の方は至急事務局までE-Mailにて問い合わせてください。あるいはCITS・ジャパン旅行社、担当中村清吾(電話090-2859-1320)までお尋ねください。
筏で航海 「タンガロア号」
【リオデジャネイロ29日共同】1947年にいかだのコンティキ号でペルーから南太平洋のポリネシアの島に渡ったノルウェー人探検家、故トール・ヘイエルダール氏の孫オラフさん(28)ら6人が28日、同じルートで航海するため、ペルーの首都リマ近郊の港をいかだで出発した。AP通信などが伝えた。
オラフさんは「長い航海でいろんな事が起きるだろうが、準備はできている」と話した。
新たないかだはポリネシアの海の神の名から付けられたという「タンガロア号」。コンティキ号と同じバルサ材が主な材料で、全長17メートル。衛星を使う航行装置や通信機器、太陽電池も積み込んだ。 2006年04月29日16時01分
西日本新聞から
Archaeology Magazine
AIAことアメリカ考古学協会が一般向けに出版している雑誌、Archaeologyをご存知の人は多いと思います。日本でも洋雑誌が置いてある本屋で見た記憶があります。特に水中考古学に興味の無い人でも歴史・考古に興味がある人は雑誌を見てください。アメリカで一番ポピュラーな考古学雑誌です。
今月号はいつもにも増して水中考古学の記事が盛りだくさんです。特に、以前に紹介したノルウェーでの水中ロボットを使った深海での発掘の特集記事があります。このプロジェクトは石油会社のパイプライン施設の事前調査で発見されたもので、資金は会社から出ています。この発掘のために開発されたロボットを使って発掘をしています。正確に記録を行うために水中にグリッドを設置し、その上にロボットを取り付けて発掘作業を行います。また、吸盤のようなものを使い遺物を引き上げます。 幾つかの沈没船が事前調査によって発見されました。16-17世紀の船を発掘しており、ロシアの船などが発見され、世界各地からの遺物が詰まれていました。中国の陶磁器なども発見されています。記事の最後にテキサスA&Mと協力をしてメキシコ湾でも発掘作業を行うと書いてあります。メキシコ湾での調査も石油会社のパイプライン設置の事前調査で見つかった船の発掘を行います。
http://www.archaeology.org/0605/abstracts/robot.html
さて、もう一つの記事は、ジョージ・バス先生の新しい著書、Beneath the Seven Seasの文献紹介です。これはご存知の方も多いでしょうが、バス先生の40年の水中考古学の経歴をポピュラーな形で紹介する本です。この雑誌でも好評のようです。文献紹介を書いた人は世界での水中考古学の評価の変遷についても多少触れています (この本ではあまり触れていないのですが…) 20-30年前までは、現在の日本と同じく水中考古学は単なる遊びや宝探しとして見られていたのを科学的・考古学的価値のあるものと認めさせ、一般の認識を変えたとバス先生を評価しています。
http://www.archaeology.org/0605/reviews/sevenseas.html
伝馬船復元
朝日新聞 長崎から引用
経済成長とともに姿を消した手こぎの木造和船「伝馬船(てん・ま・せん)」の復元に、松浦市の船大工、鍵本茂さん(77)が取り組んでいる。記憶を頼りに、材木とクギだけで船を造り上げていく職人技だ。5月には完成し、発注した佐世保市の西海パールシーセンターに引き渡される。伝馬船は7月から、九十九島をめぐる航海に就く。 星鹿漁港に面した「鍵本造船所」の一角に据えられた伝馬船は全長約7・5メートル、幅約2メートル。鍵本さんは、仕上げの作業にあたっていた。「木材は1枚1枚違う。そこが難しい」 伝馬船は接着材を使わず、杉材とクギだけで造る。作業を手伝うおいの勇さん(56)は「木材の曲げ方も、木と木の組み方も、まねできない技術です」。
設計図はなし接着剤使わず
鍵本さんが、船大工だった父に船の造り方を一から教わったのは18歳のころから。当時、漁船として活躍していた伝馬船も多く手がけた。 しかし、60~70年代ごろからは繊維強化プラスチック(FRP)製が登場。伝馬船の発注はなくなった。 忘れかけた伝馬船を再び手がけたのは02年。松浦商工会議所から「造船技術の継承のために」と依頼され、40年ぶりに3隻を造った。 しまい込んでいた昔ながらの道具を取り出し、記憶を頼りに材木と格闘した。「伝馬船には、ちゃんとした設計図なんて残っていない。自分の目と、手の感触だけが頼りだった」。いま、その3隻は地元の祭りの時に、海に出る。 鍵本さんの技術に目をつけた西海パールシーセンターから、再び伝馬船の注文が舞い込んだのは今年1月。材木を乾かす作業から始めて、3カ月で、外板を組み立てる作業が終わった。船の内部の仕切り板を取り付け、船が完成するのは5月の連休明けになる予定だ。 西海パールシーは7月から、観光客が手こぎで九十九島を巡る「手こぎ体験ツアー」に伝馬船を活用するという。 担当者は「昔懐かしい伝馬船の姿を楽しんでもらうと同時に、職人の技も感じてもらいたい」と話している。