アルバニアの水中考古学

最近、アルバニアの水中考古学が話題となっております。

アルバニアってヨーロッパのどこ?と思っている人も多いのではないでしょうか?ボスニアやモンテネグロとかが並ぶバルカン半島にあります。イタリアの向かい側です。

近年まで非常に排他的で独自の政策を取ってきた国ですが、水中考古学に力を入れてきております。もともと、ローマ時代などにはイタリアとの関係が強く海を通した貿易が盛んでした。また、古代から中世にかけ海賊が多いことでも知られています。しかし、貿易が少ないところに海賊がいるわけがないですから、それだけ活発な海上活動があったことの証となります。また、ローマ時代後半になると、アルバニアなどで作られたガレー船などがローマ海軍の主力部隊となります。

最初に注目するべきことは2009年にユネスコ水中文化遺産保護条約を承認していることでしょう。また、ただ承認するだけでなく、国として水中文化遺産保護の対策を打ち出していることで非常に重要な意義があります。ユネスコの保護条約を認めつつもただペーパーの上でのみ承認され、国としてなにも行っていない、もしくはいまだにトレジャーハンターがいる国もあります。アルバニアは国が豊かではないにも関わらず政府が積極的に水中文化遺産保護に対して取り組んでいる非常に良い例でしょう。

RPM Nautical Foundation(RPMNF)という組織が近年アルバニアの海のサーヴェイを行っており幾つもの沈没船を発見しております。マルチビームを使用したり、また、ROVも使用して沈没船の分布図データベースを作成しております。これらの作業では遺物の引き揚げは殆ど行いません。沈没船それぞれの特徴などを掴み、国がデータベースの管理を行います。将来研究目的があればそのデータベースから沈没船を選んで発掘などを行うことになります。

アルバニアはダイビングが禁止されていたこともあり、また、海外からの調査やトレジャーハンティングを遮断していました。そのため、殆どの沈没船が無傷で海底に残っているのです。世界でも珍しい例ではにでしょうか?海底開発などが遅れていたこともまた、保存状況の良さに関係しています。ただ、ひとつ問題なのがトローリングなどにより「網」が沈没船を破壊しているということです。現在ではこのような漁業が禁止されています。

アルバニアの調査報告ですが、RPMNFのウェブサイトから詳しく知ることが出来ます。他の国もアルバニアの例を見習って水中文化遺産の保護を進めていく必要があるのではないでしょうか?

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