フロリダ・オデッセイ社とスペインの沈没船
数年前からちょっとした話題になっているニュースです。アメリカやスペインなどではまたこの記事が出てますが、日本の新聞社などはまだどこも書いていないようなので詳しく解説をいたします。
日本語の最新のニュースとしてはこちらがあります(短い記事ですが) http://www.cnn.co.jp/world/30005491.html
フロリダに本社を持つサルベージ・トレジャーハンター会社が数億円の価値があると見られる金・銀貨が積まれた19世紀のスペイン船籍の船を引き揚げたことに起因しています。この会社はこれらの遺物の売却を検討したが、スペイン政府が「まった」をかけたわけです。そして、裁判が始まったのが、数年前。最初はフロリダ州の裁判所で始まった裁判ですが、会社側が敗訴し、遺物の返還を求められているわけです。しかし、まだ連邦最高裁に上告できますので、最終決定ではない(裁判は時間が掛かりますね)
さて、この件に関して以前に日本のニュースメディアや様々な方のブログなどを書き込みを拝見させていただきましたが、大多数はスペインの行動に違和感(もしくは批判的な意見)を持っていることが多いようです。それは、スペインが「宝は俺のモノだ」と主張する内容に勘違いされているようです。実際に海外のメディアを読むと、スペインの主張は文化的価値を主張していますし、ユネスコの水中文化遺産保護条約に賛成しているので、売却することもできません。スペインは遺物を文化遺産として見ており、遺物・遺跡の保護を考えています。ところが、フロリダの会社は遺物を営利目的で販売することにありますから、貴重な遺物が世界各地に売却されてしまうわけです。スペインはこのようなことを阻止するべく行動を起こした
どうして日本の反応でこのような違いがでてくるのでしょうか?これは、沈没船の引き上げが「宝探し」を前提としており水中文化遺産として沈没船を考える見解がニュースを伝える側や一般の人達に理解がまだ得られていないからだと考えております。同じニュースでも自分達の持ってる見方でこうも変わってしまうのは面白いことなんですが、同時に大きな問題でもあります。
しかし、先日発表された鷹島の元寇関連の遺跡が日本で始めて国指定の遺跡になったことを考えると、これからこのような勘違いが減ってくるのではないでしょうか?例えば、鷹島の沖で外国の会社が元寇関連の遺物を引き揚げて売り払おうとしたら、日本や中国はどのように対応するのでしょうか?もしくは、このフロリダの会社が遣唐使船を発見して遺物を売却したらどうなるでしょう?または、三角縁神獣鏡を30枚積んだ沈没船なども考えられます。それらを売却することも可能です。これは日本に水中文化遺産を保護する法律が存在していないからです。現在、日本にはこれらのことが実際に起こったとしたら、どう対応するのでしょうか?また、スペインの「返却しなさい」という対応を理解していただけたでしょうか?
遠い国の出来ことではなく、日本近海でも起こりえる事件だと思います。真剣に考えてみるには良い機会ではないでしょうか?
海外のニュースはたくさんあるので、お好きなものをお読みください。
http://www.bloomberg.com/news/
http://articles.boston.com/
http://www.aljazeera.com/news/
http://www.philly.com/philly/
http://www.businessweek.com/
http://www.mercurynews.com/
http://tvnz.co.nz/world-news/
http://www.sfgate.com/cgi-bin/





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