武蔵をどう保存するか?

つい先日、フィリピン沖で旧日本軍の戦艦「武蔵」が発見されたニュースが話題となっておりました。映像などを見る限り、間違いないそうです…

発見をしたのが、マイクロソフトとゆかりの深いポール・アレン氏。かなりの資産家で世界各地で様々な活動をしています。アレン氏によると、フィリピン、日本と協力し、お互いの感情を尊重した処置を取りたいとのこと。トレジャーハンターなどに発見されなくてよかった…現在、すでにフィリピン国立博物館と協議を行っているとのことで、館長さんも近々来日するとのこと。

さて、太平洋戦争の船は太平洋に広く存在しています。パラオ、ミクロネシア諸島などなど。中には、ダイビングスポットとなっている場所もあります。(さすがに武蔵のあるポイントは深すぎです) さて、しかし、実際にこれらの船に乗っていた人で亡くなった人もいますし、まだ遺骨も残されている場合もあります。これらを簡単に「遺跡」とか「ダイビングポイント」などと呼んでいいものではないと個人的には思います。しかし、例えば太平洋の島に住む人にとっては侵略行為に思えたかもしれませんし、また、現在はダイビングなど町の産業に欠かせない収入源となっている場合もあるようです。なかなか難しい問題です。

さて、日本側からの立場でものを考えると、遺骨収集、それに伴う発掘など様々な対応が考えられます。どのように対応するか、みんなが合意できる方法を考えるべきであると思います。今はまだ答えが出ないケースが多いようです。ですが、待っていると歴史・記憶が忘れられていくだけでなく、その痕跡も劣化していきます。特に鉄製品は水中では錆でボロボロに…水中の環境によっては木材のほうが長持ちするケースも多いようです。

これらの船舶をどうするのか?が問題です。放っておくと、どんどん劣化が進みます。それを食い止める手段はないのでしょうか?実は、水中考古学者は様々な海域で劣化していく遺跡をどのように保護していくかの研究を始めています。海底の酸素濃度、塩分、温度、pH、生息する植物やバクテリアの種類、海流などなど様々な要因が劣化の進行に影響を及ぼします。現在、戦争遺跡などを定期帝に「モニタリング」して環境や遺物の分析を行っています。

武蔵の沈む海域は比較的安定していると思いますが、それでも、劣化はかなり進行しているようです。今後、どのように対応するのか…劣化する鉄製の船を保存しようとする動きは軍艦だけではありません。有名なタイタニックも劣化のモニタリングを行っています。比較的新しい分野の研究ですので、まだまだ多くのことを学べます。今できることは、このような研究ではないのかと個人的には思います。

 

 

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