埋め立て地について

以前から時々書いてますが、埋め立て地について…

水中考古学のサイトでなぜ埋め立て地の話?と思われるかもしれませんが、実は、世界では「水中考古学」という言葉はあまり使われていません。遺跡はどこにあろうが、その意義は全く変わりませんし、水を抜いてしまえば、陸の考古学とおんなじですね。また、海面上昇や隆起によって、水位が変われば、陸にある遺跡も海に沈んでしまいます。船舶考古学や『海と人の関係』を探る考古学、海洋史観から歴史を探る考古学が主流であり、海事考古学、海洋考古学、船舶考古学などの呼び方が適切でしょう。

 

その船ですが、歴史的価値の高い沈没船などは、どこを探せばよいのでしょうか?じつは、ものすごく身近な場所にあります。船は陸のそばで沈没することが多いですし、また、使えなくなった船を港の端で破棄して埋め立て地を作る際に一緒に埋めたりしています。イギリスなどの保険の記録や、東インド会社の記録などを見ても、9割近くが当時の港の目と鼻の先で沈没・破棄されています。つまり、沈没船などの遺跡を発見するのに最も可能性の高い場所は、港ということになります。日本の水運の歴史を見ても、ほとんど陸から離れない場所の航海がノルマです。また、水没遺跡や住居跡なども、やはり陸の近くに存在しているはずです。深い海には、ほとんど遺跡なんて存在していないのです。

さて、埋め立て地に話を戻しましょう。

以前、こんなニュースをお伝えしました→ワールドトレードセンターの下から沈没船発見!

実は、埋め立て地の下から、たくさんの船の残骸が発見されているんです。今回お伝えしたいニュースはこちら。

では、日本の埋め立て地はどうでしょうか?

日本の埋め立て地の総面積、ちょっと調べようと思ったんですが、1,500平方キロ~2,000平方キロぐらいあるのではと思われます。正確な情報は、調査中です…つまり、浜松市以上東京都未満。残念ながら、これだけ広大な土地が、遺跡調査されずに開発されてしまった土地なんです。が、実は、その下にまだ埋もれている可能性も残されているのかもしれません。

海洋開発や浚渫などを行う前にはその周辺に遺跡がないか調査をするのが普通なんですが、日本ではまだまだ未整備な点が指摘されています。下の写真ですが、アメリカ・テキサス州のほんの一部ですが、工事などに先立ち、調査されて発見された水中遺跡(の可能性のあるポイント)が示されています。ポイントがまっすぐに伸びていますが、そこが調査により発見されたポイントです。一昔前の日本の遺跡地図も、開発によって道路に沿って遺跡が点在していました。

リンク先は、こちらで見れます。

 水中(だった)遺跡は、実は足元にあるかもしれません。これから海の近くに行くことがあれば、ぜひ海を見てください。そして、今、立っている場所は、もともと海だった可能性も高いです。地中深く、実は掘り起こせば沈没船があるかもしれません。そして、これから海の周りで開発があれば、その周辺の遺跡の調査も行う必要があります。陸上であれば、浜松市程のエリアが遺跡調査無しに開発されたとなればビックニュースですね。

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