黒海でほぼ完全な沈没船発見

ここ数日、テレビのニュースなどでも話題になっています。黒海で2400年ほど前のほぼ完全な形の沈没船が発見されたそうです。かなり凄い発見で、詳細な調査をどんどん進めていってほしいですね。

ブルガリアなどを中心に進められているプロジェクトですが、10年ぐらい前から始まっています。すでに60隻以上の船を発見してニュースを小出しにしていましたが、ここで大きな発見のニュースを発表したようです。見た感じですと、98%ぐらいは船体が残っているのではないでしょうか?

ニュース記事によっては短絡的な見出しになっていますので、勘違いされた方も多いかと思いますが、いくつか注意点を…

●最古の船ではない~3300年前のウルブルン沈没船などのほうが古いですし、クフ王の船や丸木舟だって出土しています。

●奇跡的な保存状況~確かに。黒海はもともと湖だった所に海水が一気に流れ込んで形成された『海』です。淡水と海水は殆ど混ざらずに、死んだ湖の上に海がある珍しい場所です。湖はほとんど無酸素状態なので、バクテリアなども不活性のまま。そのため、奇跡的な保存状況が生まれます。このプロジェクトでは、60隻以上の沈没船が発見され、多くの船が驚くべき保存状態にあります。今回の船は、その中でも最も古い部類に入り、そのなかでも最も保存状況の良い船になります。他に状態の良い船だと、バルト海でも保存状況がよく、16世紀のヴァーサ号などは船体の98%ほど残っていました。9割以上の船体が残っている木造船はいくつか例があります。埋葬されたヴァイキングの船やエジプトのクフ王の船なども保存状況は100%に近いですね。

●他に例のない~これだけの保存状況の良い同時代に船は例がありませんが、同時代の沈没船はけっこう出土しています。例えば、キプロス島のキレニア号は、100年ほど時代はずれますが、70%ほど船体が残っていました。地中海では、一度に40隻以上の船が発見される!なんてニュースもありましたね。世界では、すでに数十万件の水中遺跡が確認され、周知・調査・保護されています。水中遺跡は、どこにでもあります。

●引き揚げるのか?~引き揚げません。水中で保存しておくほうが(特に黒海の場合)遺跡が守られることでしょう。将来、保存処理の方法が確立すれば引き揚げるかも….。

と、いくつか指摘しました。発見の興奮を損ねるような指摘かもしれませんが、それでも今回の発見が大発見であるのは明白です。

いくつか日本語で読めるニュース記事を紹介します。

CNN https://www.cnn.co.jp/fringe/35127638.html

ナショナルジオグラフィック https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/102500460/

Livedoorニュース http://news.livedoor.com/article/detail/15485833/

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