水中考古学者であること
以前、水中考古学とはどのような学問であるかを、海事考古学、船の考古学との比較を通じて考えてみました。今回は、オーストラリア海事考古学研究所(AIMA =Australian Institute of Maritime Archaeology) が提示する倫理規定(Code of Ethics)を参考にして、実際に学問を実践する水中考古学者とはどのような人達であるかを考えてみます。
人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。
2005年4月2日 Randall Sasaki
以前、水中考古学とはどのような学問であるかを、海事考古学、船の考古学との比較を通じて考えてみました。今回は、オーストラリア海事考古学研究所(AIMA =Australian Institute of Maritime Archaeology) が提示する倫理規定(Code of Ethics)を参考にして、実際に学問を実践する水中考古学者とはどのような人達であるかを考えてみます。
ポルトガルのArade川で現在発掘が行われています。Instituto Português de Arqueologia (IPA), the Centro Nacional de Arqueologia Náutica e Subaquática (CNANS)および the Portimão Câmara/Museu Municipal de Portimão (MMP) が発掘を担当しています。 この船は15世紀に沈没したものとみられており、ポルトガルの中では水中考古学発掘された最古の船ではないかといわれています。 船材など引き揚げて将来、保存処理終了後、一般に展示する予定だそうです。
イギリスにあるBrownsea Islandの海岸が波の影響で毎年削られていっているそうです。このままでは、島にある考古学遺跡も波にさらわれてしまいます。大切な岸辺にある遺跡などを守るため急ピッチで発掘・記録作業がおこなわれているそうです。
アメリカ南北戦争時代(1869年代)に作られた潜水艦が戦争が終わってからパナマで使われていました。しかし、乗組員が原因不明の病気になるため、使われなくなりました。これは圧縮空気を使っていたため潜水病(血液中の酸素と窒素の割合が変化するためにおきる病気)になったものと思われます。さて、今回ここでもご紹介したカナダのDelgado先生が調査を始めるそうです。
ご存知の人も多いと思いますが、エジプトのヘレニズム・ローマ時代の大都市、アレキサンドリアの沖には海底遺跡があります。このニュースはエジプトの新聞記者がそこで潜った体験記事のようなものです。
もっとこの遺跡について知りたい方はインターネットなどでいろいろと調べてみればすぐに見つかるはずです。リクエストがあればこちらで探してみます。発掘担当者のJean Yves Empereurさんは2年ほど前TAMUにレクチャーに来てました。
水中・海洋考古学、または海事史考古学が“得意”とする船について、簡単な解説をする。船を研究することは実は船を作った社会・文化を学ぶことなのであるが、それを理解するには船のデザインの基本を知っておかなくてはいけない。船とはなんであるか、そして船をデザインする上で何が重要なのかを書いてみる。船を知っている人にとっては当たり前のことだろうが、考古学者で船について詳しい人は珍しいようである。船は使い方、その目的によって形や構造が変わってくる。逆に言えば考古学発掘からその船のデザイン――なぜ船がそのように作られたか――を導きだすことができる。それさえわかれば、船の渡航目的、何を運んでいたのか、なぜ沈んだのかなどを解明する重要な手がかりとなる。まず、デザイン上の大きな違いを説明する。船の使用目的によって船の形は変わる。人が船を作るときにはいろいろなデザイン・構造があるが、その中から最善かと思われるものを選び作るのである。つまり、船の構造がわかれば船を作った文化がわかるのだ。それが海事史考古学の醍醐味だと思う。
ペルシャ湾に浮かぶバーレーンで発掘中の紀元前2200年の墓からインダス文字で刻まれたバーレーン製のはんこが発見されました。
今から4000年前、インダス文明とメソポタミア文明は海を通してつながっていました。 メソポタミアの文献には海を越えた場所の名前としてDilmun(今のバーレーン)・Magan(今のオマーン)・そしてMeluhha(インダス)があります。 今回発見されたDilmun-Seal(バーレーン特有の貿易などに使うはんこ)にはインダス文明の文字が刻まれていました。これは、インダス、メソポタミアがバーレーンを中継点として海上貿易で密接な関係で結ばれていたことをしめしています。オマーンのRas al Jins遺跡(昔、私が発掘に参加しました)やメソポタミアでもインダス文字などが発見されていますが、これから貿易のメカニズムがもっと解明されることでしょう。
当時の沈没船が発見されればもっと良いでしょう。現在、最古の沈没船は3200年ほどまえですから、発見される可能性はありますし、陸上では(日本の丸木舟など)もっと古い船も残っています。イランも最近は水中考古学に力を注いでいますし、インドの水中考古もここ10年でかなり実績をあげてきています。これからインド洋の貿易の研究も活発になることでしょう。
沖縄の伝統木造船サバニが愛知まで行くそうです。詳しくはニュースの記事をごらんください。
私(Randy)の意見ですが、サバニという名前は中国などの”サンパン”とか別の地方では”サッパ”と呼ばれる船と関係ありそうですね… 日本の伝統木造船の研究はまだあまり自分では勉強してないのでわかりませんが。 中国、琉球、九州などのつながりを見ると関係ありそうです。 長崎のペーロンなども中国南部のドラゴンボートレースそのままのように見えますし。
ギリシャの植民地として使われた港町の跡がフランスで見つかったそうです。 今から2,600年ほど前の遺跡だそうです。造船場だと思われる建物などが発見されました。
あまり考古学的ではないと思われそうですが、USS Cooperという船にテクニカルSCUBAダイバーが潜りました。 これは水深193mに沈んでいる船で、ダイバーがこれだけ深い場所で作業をするのは世界記録だそうです。
これは、ダイビング機器の発達したことを意味し、また、安全性も確実に確保されてきたことを意味します。 将来150-200m地点で古代の船が見つかった場合でも人間が直接発掘をすることができるでしょう。 現在、この水深では水中ロボットを使って作業をするほうが効率が良いですが、それも変わってくるかもしれません。