水中遺跡

ネットで探せる徒然なる水中考古学の記事

 

まあ、簡単に言うと、水中考古学のリンク集です。特に、連載もの(終了したものも含む)などを拾ってみました。また、水中考古学の研究を行っている団体(アジア水中考古学研究所:ARIUA)のサイトもリンクを紹介しておきます。

どれも、このサイトで紹介したことのあるものばかりではありますが…

 

PADI 連載コラム 海の遺跡 (連載終了)

 

月刊ダイバー 水中考古学

 

産経ウェスト 水中考古学へのいざない 井上たかひこ先生コラム

 

水中に眠る文化遺産から歴史の謎を解き明かす「海に沈んだ歴史と宝物-水中考古学の魅力」講演会より (東京海洋大学岩淵教授)

 

ナショナル 塩グラフィック 研究室に行ってみた。東海大学 海洋考古学 小野林太郎先生

 

アジア水中考古学研究所(ARIUA)

 

ARIUA 海底遺跡ミュージアム構想

 

 他にも水中考古学・水中文化遺産関連のサイトなど探してみるといろいろ出てくるかもしれませんよ!

 

水中遺跡関連のニュース

そろそろ夏本番です!

夏になると、なぜか水中考古学のニュースや記事などが湧いて出てきます。

 

1 7月9日の日本経済新聞

眠る水中遺跡 呼び覚ませ 
元寇船、平安期の瓦、オランダ商船…日本各地で探査広がる

2 また、産経新聞では、毎月一度水中遺跡に関するコラムが読めます。

井上たかひこさんが書いており、毎月一つの遺跡に絞ってかかれているようです。

 

3 月刊文化財は水中考古学特集を組んでおります。

1冊丸ごと水中考古学です。少し専門的かもしれませんが、様々な角度から日本の現状や世界の水中遺跡保護体制について書かれています。数年前の季刊考古学(123号)のように、水中考古を目指す人には必読の書となることでしょう。

 

4 月刊ダイバーも引き続き連載が続いていますね。

 

このほかにも、探せばいろいろと水中考古学の関する情報は出ています。最近、各地の調査などで忙しくしており、こちらのサイトをなかなかアップデートする時間もなかったので…お詫び申し上げます。フェイスブックやツイッターなどフォローしていただけると頻繁に情報を発信しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

ひとりごと…

すでに、何回かいろいろな場所で書いていますが、再度。

水中考古学にお金がかかるは微妙に嘘。というのも、遺跡を全掘すればもちろん陸上でも膨大なお金がかかる…。。

 

また、同量の一括性の資料、流通の過程を示す遺物、完全な形で残された遺物など陸の遺跡をいくつ掘っても沈没船がもたらす情報量にはなかなか追いつけない。そもそも、遺跡の重要度などという理論は考古学的倫理から外れる。水中遺跡はその環境により、陸では考えられないほど有機物などの保存状態が良好である。沈没船などがタイムカプセルと称されるのもこのためである。いくら陸の遺跡を掘っても、出てこない種類の遺物も多く見つかることがある。

現在、世界のスタンダードは陸も水中も、開発との共存、原因者負担による発掘である。(建設会社さんありがとう!)そのなかで、水中の遺跡を見てみよう。

最初に、海の開発は主に国や自治体のプロジェクトが多い。つまりは、公共の事業であり、税金を払う全ての人々が等しくその恩恵に預かる。個人で海の開発を行うことはほとんどないだろう。つまり、遺跡が工事計画地に存在した場合、すべての人民のメリットとなるよう対処するべきである。個人住宅の建設予定地に個人の負担でお金を使うのとは少しわけが違う。個人が発掘の費用にお金を出すのを躊躇するのは仕方のないことだろう…。くどいようだが、海の開発は公共の事業であり、公共の歴史理解を深めるのに少しのお金を払うのは決して悪いことではないと思う。

次に、海の開発とは、主に公共のスペースで行われる。そのため、建設予定地の変更を行うことが容易である。例えば、広い海にパイプラインを通す場合、そのルートを多少変更しても問題がない場合が多い。すぐ隣に他人の土地があるわけでもないので、数10メートルずらすのは簡単だ。つまり、遺跡があっても、掘る必要は少ない。陸の開発では、遺跡があったら、発掘などの対応を考える必要があるが、海上はルートを変更のみで終わる。開発業者にとっては楽である。遺跡が出ました、じゃ、ルートを変更で…という話でお金はあまりかからない。

しかし、面白いことに、海外では建設会社は、容易に可能なルート変更よりも、発掘をすることを選ぶことが多い。これはなぜか?もともと、海の上の開発には数億円単位の莫大なお金がかかる。そのため、水中遺跡の調査にすこし余分にお金をかけるのも苦ではないことが多い。言い換えると、陸の遺跡の発掘では、建設業者の負担は、事業全体に占める割合が大きいが、海の開発に伴う水中発掘は、建設事業全体に占める割合が少なくて済む。また、不思議と、海の発掘に惜しみなく資金を提供した業者は市民からも慈善事業として見られ、業者のイメージアップにつながることも多い。

最後になるが、海の建設を行う際には、事前にその土地の地質などの調査を行うのが普通である。この調査には音波探査などによる海底面の調査や、堆積層の確認などがある。これらの調査は、基本的には水中で遺跡の探査をおこなうプロセスとなんら変わりがない。ただ、得られたデータを、考古学見地から見る必要があるだけである。つまり、もともと工事の際に行う基礎データ収集に際して、考古学者がそのデータの提供を受け、分析するだけで、水中遺跡の有無が分かってしまう。陸の試掘のようなプロセスを必要としないのである(というか、工事会社がもともと建設のために探査を行う)

以上を考えると、水中遺跡の探査や発掘などにお金がかかるといのは、嘘であることに気がつくのではないか?確かに、局部的にみるとそうかもしれないが、開発対応の中でみると、陸に比べて幾分かお安く見える。

もちろん、学術調査となると少し話が変わってくるが、自治体や建設業者にとってはそれほど高いわけではない。逆に、なぜ、世界的に進む水中遺跡の保護を我が国で行って来なかったかが疑問である。

もし、水中遺跡の調査にはお金がかかると言っている人がいれば、教えてあげてください。

 

 

 

 

 

お金について...

ここ数日、アジア水中考古学研究所の海底ミュージアム構想のブログのエントリーがなかなか的を得た内容です。

水中文化遺産調査は,お金がかかる?
「水中考古学」を学ぶには?
「水中考古学」と「水中遺跡」,そして「水中考古学者」

どれもなかなか鋭い指摘です。中には、「え?そうなの?」と思うようなこともあるかもしれません。

さて、私個人の意見ですが、少しまとめてみました。

水中考古学にお金がかかる!と思うのは「もったいない」ことだと思います。また、水中遺跡は別に珍しくもなんともない、「普通の遺跡」なんです。その普通の遺跡にお金が掛かるから...というのは少しおかしなことだと思います。

お金がかかるというイメージ(幻想)は、たぶん、世界の有名な沈没船の事例によるものだと思います。世界の大規模な事例を見ると(ヴァーサ号・メリーローズ・新安沈没船・南海1号船など)どれも、成功を収めていますが、莫大な費用を必要としました。また、他の水中遺跡に目を向けられなくなる期間が続くことが懸念されますし、実際に各国でそのようなことが起きました。韓国も、本当に水中考古学に力を入れることが出来るようになったのも、ここ15年ほど前からです。

今、世界では大きな沈没船が発見されても大規模な発掘をしないことがほぼ前提となってきています。これには、小さな遺跡にこそ大きな価値がある場合が多いことが長年の調査を積み重ねることにより、分かってきたからです。そして、水中遺跡がどこにでもある普通の遺跡であることが認知されています。大きな遺跡を発掘しなくても、素晴らしい成果が得られています。International Journal of Nautical Archaeologyをはじめとした、専門のジャーナルなどでその成果は見ることができます。
 
たしかに、これらの大きな沈没船プロジェクトから得られた成果は素晴らしいですが、学問全体としてみると、どうなのでしょうか?大きなプロジェクトでなくても、各地に多くの水中遺跡があります。これらの遺跡を周知させ、保護することが実は重要です。大きなプロジェクトの影で小さな遺跡が破壊されては、お金を費やした意味がありません。大規模なプロジェクトが水中文化遺産の重要性を知るきっかけとなったのは確かです。1960年代から始まり、世界各地で大きなプロジェクトが行われて、水中考古学という学問が発達する契機となりました。しかし、日本でも同じように「きっかけ」が必要なのでしょうか?他国の例で充分なのではないでしょうか?

小さなプロジェクトはそれほどお金を必要としません。また、「陸の遺跡」に費やす費用も日本全体のトータルで見ると莫大なお金です。それに比べると、水中の遺跡に掛かる費用はそこまで大きくはないでしょう。また、日本のように火山の多い場所の地質は有機物の保存に適していません。しかし、水中は有機物の保存に最適な環境となる場合が多くあります。そのため、陸上では珍しい有機物(木材など)を多く含んだ遺跡が発見されることが多いようです。昔から豊かな自然に恵まれ、木材を大切に使ってきた日本人の文化の一部を陸上の遺跡もよりも鮮明にみることが出来ます。また、日本文化は海外との交流の中で育ってきた文化です。外国の影響が入る唯一の手段が船です。そのメカニズムを物質文化から解明できるのは沈没船だけなのではないでしょうか?

このような水中遺跡なのですが、「普段は目に見えない」のでその周知が遅れているのは事実です。しかし、日本全国で小さな水中遺跡がたくさんあります。アジア水中考古学研究所の調査事例を調べていただくとわかりますが、実は、水中遺跡は日本各地に存在しています。どこにでもあるものなのです。調べてみると、自分が良く行く海の前に遺跡があることでしょう。

学者・専門家が行うことは発掘調査などの成果を発表すること。研究会なども行われていますし、ジャーナルなどもあります。興味のある人は調べてみると新しい発見があるはずです。

アジア水中考古学研究所(ARIUA)

熱海・初島沖で徳川家の家紋「三葉葵」を彫り込んだ屋根瓦が発見

静岡県熱海市の初島沖海底で、徳川家の家紋、三葉葵(みつばあおい)を彫り込んだ屋根瓦が見つかったそうです。

NPO法人アジア水中考古学研究所が調査したものですが、徳川の文様が入った瓦が良好な形で発見されたのは今回が初めてだそうです。西から東へ運ぶ途中に沈没したのではないかと考えられています。多少船体のようなものも残っているそうで、今後の調査に期待が寄せられます。

詳しくは朝日新聞で。また、この調査に関しては来週から始まるアジア水中考古学研究所のシンポジウムにおいて遺物の展示や講演が行われます。興味のある方は、是非ご参加ください!

シンポジウムのご案内はこちらから

展示につきましてはこちら

開催場所:東京海洋大学・越中島キャンパス 越中島会館・特別展示室

開催期間:2012年2月15日(水)~3月25日(日) 開催時間:10時~16時30分
(休館日:2月24・25日、3月9~12日)

展示内容:全国の海から引揚げられた文化遺産を多数展示します。
[おもな展示予定遺跡・遺物](沖縄県)オーハ沖海底遺跡,(長崎県)鷹島海底遺跡・前方湾海底遺(福岡県)相島沖瓦・玄界島沖唐津焼・岡垣浜陶磁器・福岡市内碇石,(静岡県)初島沖海底遺跡,(東京都)神津島沖海底遺跡,(千葉県)沖ノ島海底遺跡,(北陸)能登半島珠洲焼・海岸採集陶磁器 ほか

トルコの水中遺跡

トルコ、イズミルの近くのウルラ海底遺跡で発掘が始まったそうです。この調査はアンカラ大学が主体となっています。

この遺跡は2007年に紀元前7世紀頃のイカリが発見されたことが今回の調査のきっかけとなっています。この遺跡は古代の港跡で、約6000年前から使われ始めたものだと考えられており、青銅器時代には主要な港であったと考えられています。紀元前7世紀に起こった地震の被害を受けた後は衰退していったもようです。

今回の調査はイスラエルのハイファ大学などからも協力を得て発掘を行っているそうです。

19 March 2009 | Archaeologists announced today they have begun underwater excavations of the prehistoric site of Limantepe in western Turkey.

The underwater research, headed by Professor Hayat Erkanal of the Archaeology Department of the Ankara University, explores the prehistoric settlement located in the coastal town of Urla near İzmir in western Turkey.

The harbour settlement was inhabited as early as starting from 6,000 years ago and, as such, it is one of the oldest known artificial harbours in the Aegean Sea. A big part of it, including a fortification wall, was submerged in the sea due to a massive earthquake which occurred in 700 BC, according to Erkenal.

Layers from three different periods have been found at Limantepe. The lowest layer belongs to the Early Bronze Age and dates from the third millennium BC onwards. The second one dates to the Middle Bronze Age from the first half of the second millennium BC onwards.

According to experts, evidence from these two early periods indicate cultural ties with the nearby prehistoric sites of Tepekule, Bayraklı within the city of İzmir and the Panaztepe site at the mouth of the River Gediz.

The third layer belongs to the Late Bronze Age and covers the time period from the fourteenth to the thirteenth century BC, with some artifacts discovered from this period suggesting a cultural proximity with the Mycenaean culture.

According to Erkanal, Limantepe was a major sea transportation centre with large political significant in the Aegean Region in 3000 BC.

Interest in the site grew in 2007 when a wooden anchor dating from the seventh century BC was discovered wedged in the sea ground during underwater explorations. It is said that it could be the oldest such anchor ever found.

The current excavations are being carried out with the support of experts and equipment from Israel’s Haifa University.

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あけましておめでとうございます

2009年もいよいよスタートです。皆様にとって2009年が有意義のある年でありますように。

今年の水中考古学はいったいどのような動きがあるのでしょうか?世界的に景気が悪くなっているようですが、この学問は景気に意外と左右されやすい性質を持っていますが、それはどの学問も大体同じなのではと考えていますし、逆にこのようなときこそ情報を発信し人々の興味のある研究を紹介していきたいと考えています。

今年最初のニュースはユネスコ水中文化遺産保護法が正式に採択されて機能し始めることではないでしょうか?1月には動きがみえてくることでしょう。国や地域で水中文化遺産の保護・活用を考えることが現在必要になってきています。水中遺跡の発見やデータベースの作成、自治体の水中遺跡に関する認知度の向上などは資金が少なくても出来ますし、またひとつの遺跡の発掘よりも将来的に大きな意義を持つ活動だと考えています。2009年こそ日本国内で組織だった水中考古学・水中文化遺産を組織的に組み立てていく骨組み・基礎を築くのに良い年ではないかと思います。

さて、海外の動向ですが、なかなか何が発見されるからないものですが、景気を考えるとすこし深海考古学の発達の動きが鈍る可能性も考えられます。しかし、良いアイディアを持った民間企業が逆に伸びる可能性もあり、実際に有効的・効果的なテクノロジーに焦点をあわせた開発が進む可能も充分ありそうです。また、テクノロジーとの融合だけではなく、他の分野ー海洋学・地質学などーとも共同研究が行われています。地中海やアメリカなどでは大発見と言うようなものはそれほどなさそうですが、今まで発掘されてきた遺跡を総合的に研究し、他の考古学・歴史学の分野との融合を深める動きも見られるようです。10年前まで一部で存在していた「水中考古学は遊び」のような雰囲気は欧米では全くなくなっています。地中海などではウルブルンのような大きな発見などは期待できませんが、今まで研究がされていなかった地域はまだまだ発見がありそうです。

今後はアジアやアフリカでの発見が期待されています。アフリカのナミビアで発見されたスペイン船の今後の研究の動きも気になります。中国や韓国の研究者はやはり海外の研究者との結びつきを重要視し始めています。南海1号や蓬莱沈没船の研究事例が少しずつではありますが、世界の研究者の注目を受け初めています。また、鷹島海底遺跡に関する関心も海外で強まってきています。2010年以降は交際的・学際的な研究がより重要視されるものと思います。  

アレクサンドリアの海底遺跡博物館とフランク・ゴディオ氏

アレクサンドリアに沈んだクレオパトラ宮殿について耳にした人がいるのではないでしょうか。先にこのWeb-siteで紹介したUNESCOの水中文化遺産保護のプロモーション動画にもその映像があります。この遺跡に海底博物館を建設する話があるようです。遺跡の調査には多くの考古学者が関わっています。なかでもフランク・ゴディオ氏(Franck Goddio)はよく知られています。氏は多くの水中遺跡のプロジェクトを手掛けてきました。http://www.franckgoddio.org/Default.aspx 一方で氏が関わったプロジェクトは必ずしも学術的でないとの批判もあります。水中遺跡の価値を広く周知することは大切ですが、その価値を十分に調査するステップもまた同様に重要です。

3Dイメージを利用した水中遺跡探査の疑似体験!?

BBCからのニュースで、バーチャルサブマリンを利用して水中遺跡を探索するシステムが将来開発されるかもしれないとのことです。Venus(Virtual Exploration of Underwater Sites)と呼ばれるプロジェクトでは、実際の考古学の研究から得られた沈没船や遺物の情報を3D再現し、シュミレーションのようにそれらを探索することができるとか。データのBiasを減らすことができれば、水中遺跡のプローモションや理解普及に利用できるかもしれません。

アメリカ最古の人骨が水中遺跡から発見

メキシコ・カンクーンの近くにある町、テゥルムでアメリカ大陸最古となる可能性の人骨(女性)が発見されたそうです。ナショナル・ジグラフィックから発表されています。まだ精密な調査がもう少し必要だそうですが、炭素年代で13,600年前と出ています。

この人骨は水中洞窟の中から発見されたそうです。水深約15mの地点ですが、当時は海底面が低かったので陸だったそうです。彼女は東南アジアか北アジア系に骨格の特徴が似ているそうです。


アメリカ最古の人骨が水中遺跡から発見 の詳細は »