海洋考古学

海洋考古学入門

ここ数年、日本国内でも毎年のように水中考古学に関連する本が出版されています。人々の関心もだいぶ高くなっているようで嬉しい限りです。日本国内でも水中遺跡の保護が進むことを期待しています。

そのようななか、これまで、なかなか教科書的な本はありませんでした。今月発売されたこの本は、学問の定義、これまでの学史、方法論など世界と日本の事例から解説しています。

一般向けではありませんが、考古学者であれば知っておくべき内容であることは間違いないでしょう。また、水中考古学ではなく、海洋考古学としていますが、その理由ものべられています。

水中と陸の考古学など本来は切り分けるべきではありません。水中考古学は、あくまで方法論でしかありません。人と海の関係を学ぶ学問として発達してきた学問、それが海洋考古学、海事考古学などと呼ばれます。

詳しい続きは、本の中に書いてありますので、ぜひ。

東京海洋大学

今まで日本国内で水中・海洋考古学を学べる機関は存在していませんでしたが、2009年度から東京海洋大学で正式に学ぶことが出来るようになりました!

日本国内の今後の学問の発達に向け大きく前進したこととなります。まだ小さなプログラムですが、海外から積極的に研究などを受け入れ、海洋考古学の発達に貢献していきます。FAQのコーナーでも紹介しています。水中考古学の修士号(名目的には博士号も)がとれることになり、今後、拡大を目指しているそうです。さらには、日本で修士号をとってから、博士課程をTexas A&M大学のような国外で続けるというコースも検討されています。

シラバスの内容は下記をご覧下さい。

海洋考古学とは考古学の一部門であるが、海洋学やそれ以外の自然科学の理論や方法論がその分析に援用される学際的な学問分野でもある。海洋考古学の基礎講座として位置づけられる本講義の第一の目的は、当該学問の理論的側面の検討と実際の水中考古学調査の際に表出する具体的な諸問題の検証である。そのために、まずヨーロッパ諸国やアメリカにおいて蓄積され、実践されてきている海洋考古学あるいは海事考古学の諸理論と諸調査事例の吟味を実施し、日本の水中考古学研究との現状比較分析につなげていく。その中で、海洋考古学調査の対象、水中文化財の発掘や具体的な応用手段、その歴史的な分析や解釈、文化財保全や復元の技術、社会への公開などの諸課題に対する取り組みについても検討を加えていく。次に、海洋学や海洋人類学などが研究対象としている人類の海洋における活動をさらに具体的かつ実際的に理解するために、この海洋考古学という学問にどのような貢献が可能であるのか、水中文化財の発掘・分析が今日いかなる意味を持つのかという総合的課題についても、ユネスコの「水中文化財保護条約」などの脈略の中で分析を行っていく。講義の参考文献としては、G. P. Bass著『Beneath the Seven Seas: Adventures with the Institute of Nautical Archaeology』 London: Thames & Hudson(2005)とJ. P. Delgado編『Encyclopedia of Underwater & Maritime Archaeology』New Haven: Yale University Press(1997)を使用予定である。