水中文化遺産

東南アジアでUNESCO主催の水中文化遺産保護ワークショップ開催

UNESCOが水中文化遺産保護に関するトレーニングを目的にタイで沈没船の発掘を主催しています。このワークショップにはカンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、スリランカ、およびタイから研究者が多数参加しています。タイの研究者によると、現在までにタイには64件の沈没船が確認・調査されています。しかし、これらの貴重な沈没船(文化遺産)も金銭目的で盗掘を行うとレジャーハンターによって脅かされています。これらの沈没船の保護には訓練を受けた考古学者、そして地域の理解が必要不可欠です。

貴重な水中文化遺産の保護のため、アジア地域でINESCOがこれらのトレーニングを開催しています。オーストラリアなどから専門家を招き基礎から実際の沈没船の調査から学んでいきます。タイの考古学者は2001年のUNESCOの水中文化遺産保護法案が適応されることを願っており、また、カンボジアから参加した考古学者は自国の研究がもっと進むことを願っています。カンボジアはすでに水中文化遺産保護条約を可決し、水中文化遺産の保護を進めています。しかし、沈没船の研究を行っている専門家はまだ少なく、技術や方法論もまだこれから学んでいくことが必要だと語っています。このワークショップに刺激され、参加者は各国で水中文化遺産の保護のためそれぞれ活動を開始する予定でいるそうです。

 

 

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Treasures of the deep gain protection (Bangkok Post)

The exploration is part of Unesco’s six-week training on underwater cultural heritage preservation.

The divers are from Cambodia, Indonesia, Laos, Malaysia, the Philippines, Sri Lanka and Thailand.

They have been picked for an underwater heritage protection programme organised by the United Nations Education, Scientific, and Cultural Organisation (Unesco) and the Fine Arts Department’s Underwater Archaeology Division (UAD) which runs from Oct 26 to Dec 6.

Division head Erbprem Vatcharangkul said Thailand has 64 underwater archaeological sites. He said all of them, especially those in shallow water, were under threat from treasure hunters.

Protection of the sites required well-trained staff and cooperation from local people, including fishermen.

Other countries in the Asia-Pacific region face similar problems which prompted Unesco to set up the regional field training centre to promote underwater heritage protection in the region and to exchange conservation information.

The centre plans to hold four training courses. The course in Rayong was the first.

Trainees will be taught by experts from Australia, the Netherlands and Thailand.

“The participants will be trained in underwater archaeology protection from basic to advanced levels, both in theory and practice,” Mr Erbprem said.

On the 15th day of the course, the trainees were assigned to dive to a depth of 18 metres to measure the length, width and height of a wooden shipwreck which was found two nautical miles west of Koh Mannok, off Rayong’s Klaeng district.

“The boat structure and some ancient coins which were found at the site could [reveal] the age of the sunken boat which belonged to the early period of King Rama VI [early last century],” he said.

“This shipwreck is another piece of the jigsaw that will help give a clear picture of history.”

The official called on fishermen to help safeguard the archaeological site by stopping their use of destructive fishing practices in the area.

He said the government should also ratify the 2001 Convention on the Protection of Underwater Cultural Heritage for better protection of the country’s underwater heritage from commercial exploitation.

Nudy Phann, 38, deputy director-general of the General Department of Cultural Heritage, Ministry of Culture and Fine Arts in Cambodia, who took part in the training, said he believed his country had several underwater archaeological sites, but only one shipwreck had been discovered so far.

“No one has yet studied the shipwreck,” he said. “We don’t have expertise, equipment, or sufficient knowledge to explore underwater cultural heritage – that is why I am here to attend the training.

“Underwater cultural heritage is new for my country even though we ratified the convention in 2007.

“I am happy to be here and when I go back to my country I plan to set up a team to start surveying shipwrecks.”

Thai trainee Duangpond Kanya Singhasanee, 29, a graduate student from Silpakorn University’s historical archaeology faculty, said the training was extraordinary because participants were allowed to visit sites which were normally hard to reach.

Ms Duangpond is a diving master and had visited several archaeological sites.

“This training has inspired me to work in the field of underwater archaeology,” she said.

日墨交流400周年  サンフランシスコ号

  千葉県御宿町で400年前(1609年)にスペインのガレオン船、サンフランシスコ号が座礁・沈没しました。この船はマニラから出発し、メキシコ(アカプルコ)に向かう途中で、マニラ前総督なども乗っていました。言い伝えによると御宿(岩宿町)の住民が沈没船の乗組員などを救助したと伝えられています。当時、キリスト教の布教などを進めるスペインと日本では衝突状態にありましたが、この事件をきっかけに一時日本とスペインの関係が緩和されたこともありました(結局はいわゆる鎖国、布教活動の禁止に踏み切ることになりますが)。この事件を記念して今年、日本とスペイン、メキシコなどが日本メキシコ交流400周年記念式典などを企画し、皇太子さまなどが出席をされたそうです。

  さて、この沈没船ですが、海外のサルベージ会社などが調査を企画したり、いろいろと海洋考古学者のなかで話題にあがることの多い船です。沈没した地点は文献資料などからほぼ特定されていますが、海女さんの活動が活発であるにも関わらず沈没船や散乱した遺物の情報などがないことや、海域が荒く海底地形が沈没船の保存の状況に適していないこともあり、船体の確認にはいたっていません。しかし、バラストの下に木材などが埋もれている可能性もあり、今後の調査しだいでは発見の可能性もないとはいえません。

  今回の400周年でスペインではサンフランシスコ号について脚光を浴びつつあります。さらには、あるサルベージ会社にスペイン政府が沈没船の保護をめぐり勝訴したことなどをきっかけに、スペインは海外での自国の沈没船などの海洋文化遺産の発掘・保護に力を入れだしています。UNESCOの水中文化遺産の保護条約が日本でも話題を呼びつつあることもまた事実ですので、スペイン政府と日本の考古学団体などが協力をし、調査を行う良い機会といえるのかもしれません。

 

  

NHKでもユネスコ水中文化遺産

先週、NHKでユネスコ水中文化遺産について取り上げられていました。おもに今年1月に20カ国がこの条約を採択したために日本国内でも水中文化遺産保護の動きが出てきたことによるものでしょう。

 

9月9日「クローズアップ現代」(NHK、第一)

http://www.nhk.or.jp/gendai/

9月11日「きょうの世界」(NHK、BS2)

http://www.nhk.or.jp/kyounosekai/lineup/20090907.html

 

このプログラムをみた人は何か意見でもあればぜひ書き込んでみてください。番組はおもに水中文化遺産のおかれている諸問題を取り上げています。遺物の商業目的での売買を禁止するユネスコ側の主張とインドネシアなど商業的見返りがなければ水中文化遺産の調査・保護には資金を捻出できない国、そしてとレジャーハンター側の主張を対比させています。とくにNHK側の主張などもなくいろいろな意見を取り入れ、情報を伝えるという意味では良くできた内容でした。

 

個人的にもう少し詳しく取り上げてもらいたかった面は

1)もし売買が公に認められれば商業価値のある沈没船が引き上げられ、考古学価値のある遺跡は無視される可能性があること

2)考古学価値のある遺跡の調査のあとに博物館などの設置により地域の経済の活性化が行える可能性も十分あること

3)なぜ水中に遺跡があるというだけで売買が可能という論議が産まれるのか?地上であれ水没した遺跡であれ、ともに考古・歴史の価値はかわらないのでは?遺跡の立地条件だけで遺跡の価値を判断できるものなのか?

4)ユネスコの条約ではガイドラインがあっても違法行為の取り締まり罰則などについては何も触れていない。そのため、執行力にかける条約であること。この条約の問題点としてよく取り扱われていますが、ここでは触れられていませんでした

5)上の2)にも関連しますが、考古学調査で成功した例をもう少し取り上げてほしかったこと。例えばオーストラリアやトルコなど水中文化遺産保護に積極的な国の成功例など

カンボジア政府 沈没船の保護を目指す

プノンペンポストからの記事によるとKoh Kong省で2006年に発見された沈没船をカンボジア政府が発掘を計画しているものの、カンボジア国内で水中考古学者がいないことなどや水中での発掘・保存などの専門的な知識が不足しているため、調査が難航していることを伝えています。また、沈没船から陶磁器などを盗掘に来るダイバーなどがいたため、海軍が海域をパトロールしているそうです。

この沈没船はKoh Sadech海岸沖で発見され、14-15世紀の中国の船だと考えられています。最初はロシアのダイバーなどを使い調査を行ったのち、中国政府に調査協力を依頼などもおこなったそうです。しかし、国内の研究者を使い考古学的手法を用いて発掘を行うことを目的としてオーストラリアなどでトレーニングを行っているそうです。国立博物館では水中文化遺産の保護などの強化に今後力を入れていきたいと語っている。     

ユネスコ水中文化遺産保護法!20カ国

水中考古学を少しでもかじった人ならご存知でしょうが、ユネスコが水中文化遺産の保護条約に取り組んでいました。正式に国際法となるには20カ国の承認が必要でした。今月始め、20カ国が水中文化遺産に保護に取り組むことが決まり、ついに正式に国際法としての効力を発揮することになります。来年1月2日から水中文化遺産保護に関する国際法が生まれます。

この国際法にはまだまだいろいろな問題点がありますが、ひとつのハードルを越えましたので、今後法律の改定などが進む可能性もあります。

詳しくはこちらのニュースを。


ユネスコ水中文化遺産保護法!20カ国 の詳細は »

20ヶ国批准目前。スロベニア共和国(The Republic of Slovenia)が19番目の批准国

スロベニア共和国がユネスコ水中文化遺産条約を批准するようです。条約発効まであと1ヶ国の批准を残すのみとなりました。年内の条約発効が現実のものとなってきました。条約発効後の話も出てきております。現在の批准国の多くは水中文化財や遺産に関して専門家や機関を持っていません。批准国によって組織される委員会が機能するのか疑問もあがっています。一方で、現在の批准国やこれから批准を目指す国には、適切な管理・保護を行えるように体制づくりを進める動きもあります。オーストラリアのフリンダース大学院の海事考古学プログラムはアジアの批准国であるカンボジアからフェローを招聘して、水中文化遺産保護・管理のエキスパート育成に助力する計画です。