サーヴェイの基礎

発掘や実測などと違いサーヴェイといわれても何のことだか良くわからない人が多いと思う。 そこでまず、サーヴェイの定義、そしてその重要性を解説をしてみる
サーヴェイとは事前調査という日本語が一番適しているが、厳密には少し違う。 事前ということは発掘をすることを前提としていると捕らえることが出来る。 しかし、サーヴェイだけで立派なプロジェクトであり、発掘以上に重要性が高い。 まず、サーヴェイといっても、いろいろと種類がある。

サーヴェイとは?

最初に簡単にまとめておこう 
サーヴェイには2種類ある。 
(1)遺物の有無の確認 
(2)周知の遺跡の調査  (どちらも遺物の引き上げを伴わない)

(1)では聞き込み調査、目視確認、探査機器の使用が考えられる。  水中ロボットの使用のある。探査機は主に音波(ソナーやマルチビーム)、磁気探査(マグナトメーターなど)、やその他(サブボトム・プロファイラーなど)がある。 


これは船の後ろにつけて引っ張るタイプのもの(ソナー) だいたいどんな船にもつけられます

   まず、遺跡の有無を確認するもの、そして、遺跡があると分かっている場合には、遺跡・遺物の内容の把握もサーヴェイである。 この場合、発掘との違いは、実際に遺物を引き上げるかそのまま水底に残しておくかの違いである。 遺跡の有無の確認は聞き込み調査から始まる。 ダイバーや漁業組合など沈没船らしきものを見た、または遺物を引き上げたことがあるかを調べることから始まる。 潜って海域を調べるのが一番確実であるが、時間が掛かるのと効率が悪い。 磁気探査機や音波探査機を使って沈没船の有無を確認する方法はかなり前から行われている。 
 
水中では音波が一番使いやすく、他の電波などは使えないことが多い(例えば水中ではGPSは使えない)。 音波の跳ね返ってくる角度などから海底面の状況を見ることが出来る。 ソナーやマルチビームなどいろいろな機材が開発されているが、基本的な音波探査機の原理はそれほど変わらない。 この機材を船の後ろから引っ張るか、船体に取り付けて使う場合もある。 ただしこれらの機材は砂の中まで見ることはできない。 海底面を映し出しているだけである。 


船の下に直接つけます(マルチビーム) そのため使える船、セットアップには手間がかかります

磁気探査機は海底面近くの磁気を察知する、いわば金属探知機に似たようなものである。 機種や種類などいろいろあるが、奇麗な画像が出てくる音波探査機などとは違い、磁気の波長の違い、反応箇所がわかる。 反応が強ければ砂の中に埋もれていようが”そこに何かがある”ことがわかる。 
  
サブボトム・プロファイラーなどは海底の断面図などが作成できる。 その他にもいろいろな機材が開発されてきている。サーヴェイで重要なことは位置を確認しながら調査をすることであり、機材の能力によりどれだけのリサーチエリアになるかなどを検討する。そして、何を探しているのか、海底面の状況、などなどサーヴェイを始める前に考えることはたくさんある。


これが音波探査で作成された海底面図です

さて、周知の遺跡のサーヴェイは特に重要である。 遺物を引き上げるという行為は遺跡を破壊することである。 水中遺跡の場合、開発で崩される以外は割りと安定している。 そのため、引き上げた後の保存処理にかかる費用を考えるとそのまま水中に残しておいたほうが良いのである。 また、将来もっと正確に発掘できる技術が発達することも考えられるし、発掘をせずに保存できることが遺跡には一番良いのではないか。そのため、まず遺跡の広がりをきちんと記録することが第一。 遺跡の時代、特徴、保存状況などの確認、そして遺跡を破壊する要因があるかを検討する。 これらの情報は簡単にアクセスできる場所にまとめておくことが大事である。 将来発掘の可能性があればこれらの情報をすぐに引き出せるようにしておく。 


遺物は引き上げず状態を確認、そして正確に記録を残すこと

(All Photo donated by Dante. Thanks)

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