アラビア半島で使われていた船が復元されました

約5000年前、アラビア半島で使われていた船が復元されました。今度、この船がオマーンからインドまで実験航海を行います。この船についてですが、ニュースを読んでください。

さて、報告されたニュースに幾つか解説を加えてみたいと思います。この船の復元は何年か前から行われており、実際に私もオマーンで発掘をしていたときに多少関わりました。アラビア半島の東南はメソポタミア文明が栄えていた頃、マガンという名前で知られていました(紀元前2500-2000) この地方はディルムン(今のバーレーン)、メルッハ(インダス文明)、そしてメソポタミアとの交易で文献などに名前が出てきます。
インダス文明の最盛期、マガンもともに海上貿易で栄えました。しかし、一体どのような船が使われたのか、どのような貿易のメカニズムだったのか分かりませんでした。
Ras al Jins遺跡(アラビア半島の最東部に突き出た場所)で4000年ほど前の船の構造を説く遺物が発見されました。実は2001-2002年にかけてRas al Jinsで発掘の手伝いをしていたときにちょうどこの船のモデルとなる船(もっと小さなスケールで)を復元しおり、そのことがきっかけで海洋考古学を始めようと考えた、多少思い入れのあるプロジェクトです。この遺跡からタールの破片が幾つも発見され、それらの破片には縄でアシなどを束ねた跡が残っていました。このタールの破片は当時の船の外側に防水のため塗られたものである可能性が強く、船の復元を目指した研究が行われました。この研究から、わらやアシなどを束ねて、それを外板のように組み立てる船が復元されました。このような船がインダス文明とメソポタミア文明をオマーンを中継地点として繋ぐ役割を果たしていました。今後、航海実験などからどのような規模で交易が行われていたのかなどいろいろな研究がなされるでしょう。

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コメント (1)

すごいね

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