水中考古学の「範囲」…オイルと環境アセス

さて、水中・海洋考古学は、どんな学問なんでしょうか?

たぶん、多くの人は、水中に特化した考古学で沈没船の構造の歴史変遷や、積荷の研究などかなり専門的で幅の狭い分野だというイメージがあるのではないでしょうか?

しかし、実際には水中に存在する遺跡を対象として様々な研究が行わえており、学際的・多角的な分野なのです。沈没船が環境に及ぼす影響、そして、沈没船によって作られた生物環境が、その後の人間の活動によってどのように変かしていったのかも研究しています。考古学というより、環境・生物学ですね。

沈没船は、海の底、特に深海において、一つの小さな生態系を作り出す時があります。何もない深海に、ポツンと有機物や金属などあれば、さまざまなバクテリアや生物たちがそこで生きていくことができます。しかし、人間の活動がその生態系を破壊してしまう恐れもあります。

2010年、メキシコ湾でオイルのプラットフォーム事故により大量の油が海に流出した事件がありました。このとき、近くにあった沈没船にも影響があったのではないかと言われています。直接・間接的に、数百件の水中遺跡に影響を及ぼしたと言われています。実際に、調査は進められており、結果はいろいろと上がってきています。生物への影響はもちろん、沈没船の鉄製品の錆が以前にもまして劣化が進んでいるとか…

人間の行動は、生物環境に影響を及ぼしますが、考古学(遺跡)への影響も大きいようです。特に、あまり普段は気が付かない水中に眠る人類の痕跡もさまざま影響を我々から受けているようです。特に海外では、環境アセスというとき、考古学や歴史的景観も含まれており、海の底も例外はありません。

水中考古学は、奥が深い。

アメリカ海洋エネルギー庁のページ

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