サンホセ号の発見について

さて、時は1708年。現在のコロンビア沖で、スペインのガレオン船サンホセ(San Jose)号は、大英帝国との戦いの中、爆発し沈没したと伝えられています。300年たった今、最新のテクノロジーを駆使し、ついにこの沈没船を発見することができました。コロンビアの大統領は、この貴重な沈没船を調査し、博物館を作り広く国民に歴史を伝える努力をしたいと報じられています。

この沈没船、爆発したと言われていますが、現在の遺跡を見る限りそこまで大きな爆発ではなかったようです。当時の軍隊の様子や船の上での生活、また、船舶の歴史などを知る上でも貴重な資料です。また、多くの方が実際に戦闘で亡くなっている、いわばメモリアルでもあります。この戦闘もスペインの影響力をさらに弱めるきっかけとなった歴史上重要な戦いでした。

そして、発見された場所が600mの海底にあるということ…潜水して潜るにはちょっと深すぎますね。逆に、水中ロボットなどの技術を試験的に試すにはちょうど良い深さではないでしょうか?そして、開発が及ばなかったためにほとんどノータッチの状態で、まさにタイムカプセルのような遺跡です。

コロンビア政府もこの「遺跡」を調査することにより、「水中文化遺産」の保護が進むことを期待しているようです。スペイン政府とも協議を持ち、一部の人々が得するような事業ではなく、世界で共有する遺産として調査し博物館を建てることなどを前提にすすめたと大統領が語っています。

と、ここまでは良い話…この船は、スペイン政府がイギリスとの戦争の軍資金としてかき集めた財宝を本国に持ち帰る船だったそうです。これは、どうやら史実らしい。この財宝を積んだ船を探すため、トレジャーハンター達がなが~い間調査をしてきました。過去には、コロンビア政府も財宝を目当てに彼らの活動を許していました。しかし、それも過去の話。今回の調査は、政府が外国の研究機関と協力して調査した成果ですので、売却を目的としたものではありません。すでに、世界では水中文化遺産保護に関する取り決めが進められています。

この発見を受け、以前調査していた会社が、その位置は自分たちがコロンビア政府に教えた場所だから、自分たちにも「遺物を所有する権利がある」と言っているそうです。なぜ、発見当時に引き上げなどを行わなかったは不明。政府も、発見したのは数年前ですが、はっきりとした証拠を掴んでから正式の公表に踏み切ったようです。

沈没船の財宝とか、そのような話になるとどうも考古学的・歴史学的な話からそれてしまいます。メディア側が誇張するのは仕方がないのかもしれません。しかし、どうでしょう...海外のメディアから出たニュースは、適当に訳されて、どんどんと真実から離れていきます。

南米で出ているニュース。

アメリカを中心に読まれているニュース

日本のニュース記事その1

日本の記事その2

上に4つのリンクがありますが、下に行くほど史実でないことや憶測・余計な情報が加わるようですので、翻訳機能などを使い読んでみると面白いです。本来は、歴史的価値のある物を守ろう!という話から、財宝・所有権争いなどが加わってきます。今回に限ったことではなく、いろいろな分野でも情報源・発信源から離れるほど全く違う話に変わっていくのは興味深いことだと思います。子供のころ遊んだ「伝言ゲーム」を思い出します。

 

番外編ニュース~2015年の発見当時、まだ正式な公表がなされる前の記事で、水中文化遺産や財宝にかかわるこれまでの例をいくつか挙げています。サンホセも、10数年前のようにならないように...というニュアンスで書かれています。

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