ラボでの仕事

大学に通うにはお金がかかる!というのは当然でしょう...ですが、いろいろと役に立つシステムがアメリカにはあります。

  アメリカの大学院などではアシスタントシップ、スカラーシップ、そしてファイナンシャルエイドというものがあります。アシスタントシップは教授などのもとについて働くこと、スカラーシップは奨学金、そしてファイナンシャルエイドは国からお金を借りる制度です。大体これらで授業料・生活費をまかなっています。今日はアシスタントシップについて少し紹介しようと思います。

私の場合、水中遺跡からの出土遺物を専門で扱っている保存処理ラボで働いています。ここから給料をもらい、また学費も払ってもらっています。学部や働く場所でもいろいろですが、私の場合、週20時間働くことが決められています。9月―5月まで毎週20時間分働かなければなりません。この間にリサーチや研究発表などで働けない期間があったとしても関係がなく決められた時間をこなすまで働かなければなりませんが、前もって多めに働く、または最後にまとめて働くなどでうまく時間を調節します。やはり自分の研究を第一としているので1年の間に抜けることが多く、実質週30時間ほど働くことになります。もちろん、この他に大学の授業や自分の研究は別にこなしていく必要があります。  

さて、保存処理ラボについて。水中では例えば金属などは劣化・錆が進行しますし、有機物も中の成分が抜け出てしまいます。そのために、水中で発見された遺物をそのまま空気に触れさせてしまうとせっかくの遺物が変形したり崩れてボロボロになってしまいます。それらの遺物を薬品などを使って処理し、常温・常湿で展示・保存できるようにすることを保存処理といいます。

私は大学付属の保存処理ラボでカメラマンとして働いてます。カメラマンというと聞こえは良いかもしれませんが、簡単に言うと、ラボで処理した遺物の写真を取ることです。保存処理前、処理中とそのプロセス、そして処理完了後の写真などを撮ります。写真の仕事は忙しいときとなど空いた時間には他の保存処理のお手伝いもしています。

沈没船から発見される遺物は種類、形、大きさなど実にさまざまです。もちろんおおきな船の部材などの写真から、大砲、食器類、鉄砲の弾、コインなどなどいろいろあります。また、いくら保存処理をしても壊れやすい遺物が多いのが現状です。例えば、ガラスのビンなど。また、縄なども沈没船からよく発見されます。これらの遺物を壊さないように写真を撮るのは面倒です。相手が動くわけでもないのでそれほど難しくないですが、時間に追われることが多いです。

大学の保存処理ラボはいろいろな場所で発掘された遺物の保存処理を請け負います。アメリカからだけでなく、南米、ヨーロッパなどからも以来が来ます。これらの遺物の処理に(遺物の種類大きさによってかわりますが)大体2-3年ほどかかります。保存処理について知識がない人が多いので、遺物を預けてから2-3ヶ月で帰ってくると思われることもあり、2-3年というと驚かれます。ですから、依頼主は保存処理が終わったと報告が入るとすぐに遺物を返してほしいと催促されます。

私のフォトスタジオです。結構高いところに登って写真を撮ったりします。

遺物の数が数件の遺跡だと良いのですが、相当の数の遺物を依頼されると大変です。来週までに写真を全部用意しといて欲しいなどと、頼まれ急いで仕上げることも良くあります。最近はほとんどありませんが、沈没船などを丸ごと引き上げると時として1万件以上の遺物を処理する必要があります。それらの写真をひとつひとつ撮るわけですから…遺物それぞれに対して写真が30枚、使わない写真を含めると50回以上はシャッターを押すことになります。ですから、50万回シャッターを押すことになるのでしょうか?カメラのシャッターが壊れるのではないかと心配なのと、ファインダーを覗き続けているので目の筋肉が疲れそうです...

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