保存処理とは?

なぜ私たちは土の中、水の中に埋もれている過去に生きた人間のごみ、要らなくなったもの、なくしたもの、その他の遺物に興味があるのだろうか? なぜそれらをわざわざ探して実際に手に取り目で見るのであろうか? なぜ写真や絵だけではいけないのだろうか? どうしてわざわざ博物館や美術館へ行き”実物”を見るのだろうか? 遺物そのものを見るとき私たちは過去に生きた人をもっと身近に感じることが出来る。 もし、保存処理がなかったら我々は実際の遺物を手にして観察することができなくなるのである。

遺物の保存処理とは出土した遺物を後世にまで今のままの姿で残すために遺物を科学的に処理することを言う。 有機物(木、布、植物、など)は時間が発つにつれ腐っていき、また金属などは錆びたりもする。 土器や石器などもまた崩れてしまうこともある。 とくに水中から出土した遺物は水分を大量に含み、また海水などに溶け込んでいる不純物などと結合するため保存処理が難しい。 木材などはスポンジのようになってしまう。 水を含んだ木材を乾かすと弱った細胞が崩れ、遺物は崩れ去っていく。 それを防ぐのが保存処理である。

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