Q.ダイビングが出来ないのですが、海洋考古学に興味があります。

それほど気にすることはないでしょう。

「水中」考古学と聞くとすぐにSCUBAダイビングを連想しますが、実際にはちょっと違います...

まず、Maritime Archaeology Nautical Archaeology と呼ばれている学問は「水中にある遺跡」を発掘する学問ではないということです。海洋、海事、舟・船舶、港など人と海に関わる考古遺物を研究する学問です。たまたまこのような遺物・遺跡は水中にあることが多いため水中での発掘、「水中」考古学と呼ばれるわけです。実際にはこのような遺跡が山の上にあれば海洋考古学者が発掘を行います。

現実に水中での発掘がおおいのですが、この分野にはさまざまな要素があるので、潜らなくても立派に海洋考古学者になれます。遺跡を探すためのサーヴェイはソナーなどの探査機器、水中ロボットの知識が必要です。また、発掘したあとの遺物の保存処理にも特別な技術を要します。これらの知識は専門性がたかいため、これらのスペシャリストとなれば、発掘はもっと経験のある人に任せるほうが効率が良く発掘できます。「水中」考古学はそれぞれ専門の人たちが集まり、いかに効率良く発掘をしていくかが大事です。

また、ダイビングですが、水中に慣れればそれほど難しいものではありません。ファンダイビングなどと違い、その場にいるだけのことが多いので何人かと一定の場所で作業するため安全対策は徹底して行うことが出来ます。大学院で「水中」考古学を始める人はダイビングの経験が全く無いという人もたくさんいます。難しく考えることはありません。それよりもきちんと考古学の基礎を最初に学ぶことが大切です。

海洋考古学の父ジョージ・バス先生は良く言っていました。
 「考古学者をダイバーにするのは簡単だが、ダイバーを考古学者として育て上げるのは難しく時間もかかる」

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