朝日新聞から水中考古学に関する記事

朝日新聞から水中考古学に関する記事が出ていました。諏訪湖の曽根遺跡、開陽丸の調査、近年のエルトゥールル号に言及しています。曽根遺跡論争などで知られる同遺跡は水中考古学の学史においても重要な遺跡です。湖底はシルトが厚く堆積し、調査には困難が予想されますが、未だ遺跡の厳密な範囲も確定されていません。エルトゥールル号は海外の研究機関が日本国内で主導的に水中調査を行った事例として重要な位置づけとなります。報告書の刊行が待たれます。

東京海洋大学のこの分野における「日本初の専門的な教育体制」について興味がある方は同大学のインターネット上のシラバス及びカリキュラムにて講義内容・ワークショップなどを確認してはいかがでしょうか。

朝日新聞主催の「海のエジプト展」はアレクサンドリア沖に沈む遺跡であり多くの注目を集めています。ユネスコ水中文化遺産条約に関する会議上、松浦ユネスコ事務局長も言及しています。フランク・ゴディオ氏が調査の指揮を取っており、エジプト展でも記念講演を行っております。多くの実績があるゴディオ氏ですが、フィリピンなどの調査ではフィリピン政府と合意の下、引き揚げ遺物の売買にも関係しています。「水中文化遺産の商業目的の禁止」を明文化したユネスコの同条約の精神とは相反するのではないでしょうか。

ユネスコ水中文化遺産保護条約について、そもそも日本の海洋政策のなかでは水中文化財・遺跡の研究や保護は真剣に議論されておらず、日本は国際的な水中文化遺産保護の機運の高まりから取り残されています。排他的経済水域や公海上の遺跡の取扱い以前に、現状の文化財保護法では、水中遺跡・文化財への特定の配慮はなく、領海内ですら、遺跡として認知され、保護に至るケースは稀です。

アジアの国々では、水中遺跡が遺跡資源として先進国のグループやサルベージ会社によって搾取されてきました。この構図は人材・設備・予算不足に悩む一部のアジアの国でいまだ変わりありません。ユネスコ水中文化遺産保護条約の基本理念となる水中文化遺産の「原位置保存の原則」は、単に水中遺跡を資源としてみるのではなく、その地域の共通の遺産として将来に残すべく定められたものです。

引用元:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200904060064.html

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