オーストラリア、最古の水中遺跡

これまで、オーストラリアでは、水中遺跡と言うと、ほとんどが沈没船でした。

 

以前から、古い時代の遺跡がオーストラリアの海岸にあるはずだ、ということは分かっていましたが、なかなか調査が進みませんでした。今回、フリンダース大学等からなるチームが、約7,000年前の水没遺跡を発見したと発表しました。

 

研究チームは、地質学的に遺跡が残っていそうな場所を特定し、LiDarや音波探査などを使い詳細なマップを作成しました。その中で、砂の堆積が少なく、遺跡を発見できそうな場所を絞り出し、最終的には潜水して遺跡を探し当てたようです。段階的に的を絞っていく方法は、水中遺跡の調査では良く使われますね…

発見された石器は、8,500年前の可能性のものあるようですが、もっと調査が必要とのこと。

今回の発見、ポイントは、

 「暖かい海で、研究者自身が古い時代の遺跡を探し当てた」

水没遺跡は、偶然発見されるのがほとんどで、研究者が探索して発見した例はほとんどありません。また、暖かい海は遺跡の残りがあまりよくないのが普通です。遺跡が残りやすい条件の場所を特定したことが発見につながったのでしょう。

他の場所でも、同じセオリーを使えば、もっと遺跡がみつかるはず。特に、太平洋の島々では、最初に島に移住してきた時代とその人々がどこから来たのかが重要です。水中遺跡は、その答えを導き出すカギを握っていると言えますね。

 

日本も、旧石器時代の遺跡はたくさんあるはずです。これまで日本の周りでは、旧石器時代の遺物や絶滅した大型動物の骨などが漁師さんなどによって引き揚げられている場所が数か所知られています。

 日本では、対馬海峡にいろいろありそうですね。佐賀県唐津の沖や北九州、壱岐や津島もポテンシャルが高そうですね。このような場所に、洋上風力発電などで工事が入る場合には、遺跡の調査が必要でしょう。

 

さて、最後に調査を行なったベンジャミンさんからひとこと。

Benjamin hopes the finds from Murujuga will impact public policy regarding maritime heritage in places like Australia that have a lot of offshore energy development but haven’t given much protection for underwater landscapes with Indigenous archaeology—in part because they haven’t been documented yet.

“We have a situation in Australia where a shipwreck that’s 75 years old is given automatic protection, but to protect a site of 7,000 years old, we have to ask for ministerial approval,” Benjamin says.

オーストラリアも(洋上風力発電など)海洋エレルギー開発がすすんでいます。国の法律により75年よりも古い船などはマッピングされ保護されています。海洋開発工事に際しては、事前調査もありますが、このような水没遺跡や古代の地形が残っている場所に対しての保護は、なかなかできていなかったのが現実です。

このような発見を契機に、水没遺跡を開発から守る法的整備、また、他国でも研究が進むことを期待しています。

引用元:https://www.smithsonianmag.com/science-nature/archaeology-underwater-australia-180975235/

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