小学生からの質問にお答えします!

さて、今年度、私事ではありますが、小学生向け考古学出前講座を仕事で行ってます。6年生向けの授業で、小学校で教えています。地域の歴史、遺跡の話、その後、勾玉を作ったり、火起こし、銅鏡の鋳造などを体験させています。数千人の6年先生に向けて授業を行ってきました。

その中で、「水中考古学」についてもちょっとだけ教えています。まあ、5分ほどですが、水中遺跡という存在を知ってもらうだけでも何かプラスになるかな~と思っています。

そこで、今日のブログ記事は、小学生から出た質問!にお答えします。答えは、なんとなく言ったことを書いてます。この文字通りにしゃべったわけではないよ。

 

①源平合戦の時の船はまだ残ってる?

  源平の時に使った船は、軽くて動きやすい船です。積み荷は侍さん達。つまり、船が沈みかけたら、みんな泳いで逃げます。逃げた後の船は重たくないので沈みません。戦いのあった壇之浦は流れが速いので、沈まずにどっかにながれちゃったのかな~と思います。でも、何か重たいものを積んでいた船があったら、残っているかもしれません。

  実は、海外の例でも、戦闘に使った軽い船はほとんど発見されないんです。重たい船は、海の底に沈んで、砂に埋もれて数百年とか数千年後に見つかることがあります。 

 

②他国の船を見つけたらどうなる?拾ったものは自分のモノ?

  他の国の船は、その国にとっては大事な遺跡かもしれません。発見したら、きちんと報告する必要があります。落とし物を持ち主に知らせるのは、礼儀として当然ですよね?難しいかもしれないけど、戦争で亡くなった人がいる船は、やっぱりその国の人たちに知らせてあげたいと思うもの。

  海で拾ったものは、自分のモノにはなりません。少し前までは、法律がなかったので、トレジャーハンターと呼ばれる人たちが沈没船から宝を引き揚げてオークションなどで売っていました。でも、今は世界の多くの国で法律で罰せられるようになっています。ユネスコも、沈没船を守りましょう!って言って決まり事を作っています。

 遺跡は、みんなの宝。見つけたら報告、引きあげないで他国と協力してみんなで調査しましょう!というのが、世界の常識になっています。だまっていると、大きな国際問題になってしまうかもしれませんよ!みんなも気を付けようね。遺跡として保護したり、戦争の遺跡だったら、ご家族とか遺族の人が喜んでもらえるようにすることが一番ですね。

③海の中にどれくらい遺跡があるの?

  難しい質問ですね!世界には300万隻の沈没船があるとも言われています。日本では、まだ数百件しかありません。イギリスとかデンマークとか、それぞれの国で数万の遺跡が発見されてます。海の開発、風力発電とか、で工事の前に遺跡があるか調べています。日本にも数万の水中遺跡があると思います。しっかりと調べれば、たくさんの遺跡が出てきますよ!

 

④なんで珍しい考古学に興味を持ったんですか?

  たまたま…。珍しいとは思わなかった。 アメリカの大学で普通に考古学の授業の中で水中考古学が出てきて、そのまま。海が好きだったのと、貿易とか国と国のつながりが面白かった。貿易とか交流を知りたかったら、船の積み荷をみれば一番よくわかる。交流の目玉は船。逆に、日本に戻って、どうして「珍しい」とか「特殊」な考古学と思われてるか不思議だった。答えになっているか、わかりませんが…。 

 

⑤今まで一番すごい発見は何ですか?

  トップシークレットです!(笑い)。元寇の島、鷹島海底遺跡のバラバラになった木材とか「てつはう」とか、その他たくさんの遺物。蒙古襲来絵詞に出てくるようなものが海底を掘っていくとたくさん出てくる。これは、船のどこの部分だろ、とか考えるのが楽しい。

 

⑥水中の調査が始まったのはいつごろですか?

  面白い質問だね、いや、個人的に…。そうだね、本格的に考古学者がスキューバ・ダイビングを使って潜りだしたのは、1960年頃。スキューバが開発されるまでは、自由に海に入れなかったんだ。でも、実は、ずっと前から世界では大きなヘルメットに入って、海の中に潜って遺跡を探している。ヘルメット潜水っていう道具は重たくて、訓練が必要だったので、学者さんが自分から潜ることはほとんどなかったみたい。

 自由に海を潜れなくても、19世紀の初め頃には、学問として水中にある沈没船とかも調べよう!って言っている人がいる。みんなダーウィンって知ってるかな?チャールズ・ダーウィンって人が進化論を唱えたんだけど。その人の親友で、チャールズ・ライエルさんって人がいて、そのライエルさんが水中遺跡についてたくさん書いている。

  そうね、あと国の法律だと、ギリシャが1830年代に「水中にある遺跡を守りましょう!」って書いてます。もう190年ぐらい前になるね、日本はそのころはまだ江戸時代。

 

 

オマケ…

⑦水中考古学って儲かるんですか?

  (20秒ほど考えて…)儲かりません。でも、夢を追っているから、そんなの関係ない!

 と、質問は以上です! 他にもおもしろい質問などあればお答えしようかなと思ってます。または、皆さんからも質問、お待ちしています!

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