黒髭ティーチのクィーン・アンズ・リベンジ発掘

おそらく、ここ数年間にアメリカで発掘された沈没船の中で最も有名で成果を挙げているのが、海賊「黒ひげ」のクィーン・アンズ・リベンジ号ではないかと思います。

このサイトでも何度か紹介していますね。通称「黒ひげ」の本名は実はわかっておりません。おそらくティーチ(の発音に近い)名前であることは判っているようです。黒ヒゲのクィーン・アンズ・リベンジ号はノース・キャロライナ州で発見され、調査が継続して行われています。もちろん学術調査ですし、遺跡として、いわゆる遺跡台帳に登録されています。海賊船のイメージにあるような金銀財宝などはほとんどありませんし、あっても、考古学的価値はあまりありません。そのような遺物よりも、歴史的・学術的価値があるのが船体の構造や船で使われていた道具類です。武器なども詳しく研究されています。遺物はしっかりと保存処理がなされ、博物館などで展示され、遺跡から得られた成果を活用しています。

発掘の様子はビデオでアップされています。また、Wikipediaでも彼について書かれています。(英語版はより詳しいです)

海賊の船は、特にフィクションやゲームの中に多く登場しますし、歴史でもよく好んで語られているようです。この他にも、キャプテンキッドの船やキャプテン・モーガンの船なども発見され、研究が進んでいます。しかし、海賊の船というのが実は研究するのが難しいのです。何を持って海賊船とするのかが、曖昧だからです。イギリスのフランシス・ドレークなどはイギリスにとっては英雄ですが、スペインにとっては海賊です。私掠船問いって、イギリスと契約してスペインの船を攻撃して利益を得ることを許されていたから、立場が変われば見方が変わります。また、発見された遺物から海賊船と断定するにも判断材料がないことが多いようです。普通の貿易船などから略奪したものを積んでいれば、商船と見分けがつかない場合も多いですし、また、商船も襲撃に備えて武器を備えているので、なかなか判断できないようです。

そのような中、たよりとなるのが文献資料です。文献から特定の海賊や人物を選び、沈没の記録などから船を特定することが多いようです。特に有名な出来事や有名な海賊などは記述が多く、ピンポイントで沈没船の位置が特定できることもあるようです。

いつの時代も、海賊は人気があるようですね。私の場合、倭寇の船がどんなものだったのか知りたいと思っています。倭寇の船が発見されれば、乗組員の構成などいろいろな研究ができそうです。

引用元:http://www.qaronline.org/Videos.aspx

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