研究集会 水中遺跡保護行政の実態Ⅱ

来る2月12日、滋賀県(大津)で水中遺跡関連の研究集会が開かれます。主催は、文化庁、国立文化財機構です。

 

【日 時】

2020年2月12日(水)12:30~17:00

【会 場】

大津市勤労福祉センター(滋賀県大津市打出浜1-6)

【主 催】

文化庁、国立文化財機構

【共 催】

滋賀県教育委員会

【後 援】

愛媛県教育委員会、愛媛県今治市教育委員会

 

詳しくは、奈良文化財研究所の催しものページでご確認ください

 

ここでは、私による趣旨解説…

この研究会は、文化庁が進めている水中文化遺産保護の取組の一環として行われています。平成25年に「水中遺跡調査検討委員会」を設置し、平成29年には『水中遺跡保護の在り方について』(報告)を公表しました。これにより、地方公共団体に水中遺跡保護の指針が示され、現在、埋蔵行政に関わる職員向けの水中遺跡調査のマニュアルを作成しています。しかし、水中遺跡への理解は、なかなか普及が追い付いていません。

そこで、昨年度から全国の文化財担当の職員に向け、研究会を開いています。今年度は、滋賀県で開催されます。水中遺跡は日本全国どこにでも(探せば)あります。特に、「水際の遺跡」に焦点を当てています。水中遺跡と言っても、沈没船がメインではありません。日本の水中遺跡の多くは縄文遺跡ですし、多くは遺物の散布地、遺構が残っている遺跡です。つまり、陸の遺跡と何ら変わりありません。

水際には、実は様々な人類の痕跡が残されています。船を止めるための杭をはめる穴、その他、自然地形に手を加えている痕跡が残されています。護岸設備なども自然に手を加えて作っています…

今年度の集会は、そのような遺跡に焦点を当てています。海域の利用、海洋景観なども研究・調査対象となります。陸の遺跡と水中の遺跡、それらを合わせて人々がどのように暮らしてきたのかを調べます。文化庁では、水際の遺跡の調査を進めて、海の歴史に興味を持ち、ディープな水中遺跡にも興味持ってもらうよう今回の研究会のテーマに設定しています。

 

海と陸の接点…海の環境(特色)を利用して陸を守る

 

水際に築かれた石垣

      

岩礁ピット…海岸の岩場に直接彫り込まれていますが、用途不明

 

以下に、奈良文化財研究所からのお知らせを引用しています。興味のあるか方は、もちろんのこと、興味のない人にこそ参加して水中遺跡の魅力を知ってもらいたいです。

【趣 旨】

水中遺跡保護行政、水中遺跡調査に携わった方々からの報告をもとに、それらの課題・問題点、水中遺跡保護行政の推進のために必要な事項を探る。今回は『発掘調査のてびき-水中遺跡編』(仮)(以下『水中てびき』という。)で採り上げる予定の「水際の遺跡」「内水面の遺跡」について報告・検討を行う。参加者が水中遺跡を身近に感じ、その保護の意識をいっそう高めるとともに、『水中てびき』作成への理解を深めることを狙いとする。

【報告内容(予定)】

・琵琶湖湖底における調査事例について
・陸地から水際、水中にかけて一連で存在する「水際の遺跡」の調査事例について
・潜水をともなわない調査(水際の調査、陸地化による調査、探査等)、比較的難易度の低い潜水調査、本格的な潜水調査など、目的や遺跡の状況に合わせた各種の水中調査について
・水中遺跡保護の重要性、『水中てびき』作成の現状について
・そのほか必要な事項について

【日 時】

2020年2月12日(水)12:30~17:00

 

【会 場】

大津市勤労福祉センター(滋賀県大津市打出浜1-6)

【主 催】

文化庁、国立文化財機構

【共 催】

滋賀県教育委員会

【後 援】

愛媛県教育委員会、愛媛県今治市教育委員会

【報告者】

・文化庁 森先 一貴  水中遺跡保護の重要性。『水中てびき』作成の現状などについて
・滋賀県立安土城考古博物館 伊庭 功  琵琶湖における水中遺跡調査について
・愛媛県今治市教育委員会 田中 謙  村上水軍関連遺跡の調査事例について
・株式会社ウインディーネットワーク 杉本 裕介 各種水中調査について
(以下、ポスター報告)
・各種探査・調査の成果事例 九州国立博物館、株式会社ウインディーネットワーク
・水中環境に関する知識、現地保存された遺跡・遺物のモニタリング結果 奈良文化財研究所

【スケジュール】(予定。一部変更の場合あり)

12:30~12:40 開会挨拶
12:40~12:45 趣旨説明
12:45~13:30 【報告1】滋賀県立安土城考古博物館 伊庭 功
13:30~14:15 【報告2】愛媛県今治市教育委員会 田中 謙
14:15~14:55 <休憩> ポスターセッション
14:55~15:55 【報告3】株式会社ウインディーネットワーク 杉本 裕介
15:55~16:25 【報告4】文化庁 森先 一貴
16:25~16:40 質疑応答
16:40~16:50 講評
16:50~17:00 閉会挨拶

【定 員】

・地方公共団体職員、大学教員、学生等の研究者、その他水中遺跡調査関係者向けの研究集会です。
・参加受付者数:100名(予定)  参加費無料

【申込方法】

2月3日(月)までにE-MAILにて下記事項をご連絡ください。
氏名・年齢・所属
E-MAIL: u-water_nabunken@nich.go.jp

【お問い合わせ先】

独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺跡・調査技術研究室
E-MAIL: u-water_nabunken@nich.go.jp

引用元:https://www.nabunken.go.jp/fukyu/event2019.html#research15

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