コロナでどうなる水中考古学の調査

UNESCOは、水中文化遺産保護を訴え、様々な取り組みを行っています。が、コロナの影響がその活動にも影響を及ぼしています。

 

例えば、様々な学会や学術調査がキャンセルや延期されています。台湾で予定されていたアジア・太平洋地域の水中文化遺産に関する学会(http://www.apconf.org/)や、ヘルシンキで予定されていた学会など…。また、ユネスコが計画していたグアテマラのアティトラン湖で行われる予定だった学術調査も…

 

フランスの国立の水中考古学の研究機関であるDRASSMに所長のミシェルさんは、学術調査だけでなく通常の開発に際する調査なども実施されずに開発が進んでしまうこともあると懸念しています。

「水中文化遺産は、人類共有の遺産であり、次の世代へと受け継ぐものですが、開発や漁業、そして自然の作用でも破壊され消滅の危機に瀕している遺跡も多くあります。文化財担当者は、これまでの自分の行政区だけの管理だけでなく、地域や国の枠を超えて協力して世界の遺産をも持っていくために今、出来ることを模索する必要がある 」

 

フランスのミシェルさん

さて、以下は私の意見です。

ミシェルさんは、欧米など水中遺跡の管理が、陸の遺跡の管理と同様(もしくはそれ以上の徹底)が常識となりつつある欧米においても、このような状況にあると語っています。法律で水中の遺跡の保護が明言されていますが、「見えない遺跡」の保護には問題がつきもの。これまで開発に際して各国で数千~数万件の遺跡が発見されていますが、それらをどのように保護していくのか、そして、ますます進んでいく海洋開発に際して事前調査をどのように徹底していくのか...

 

水中文化遺産だけでなく、文化遺産そのものに予算が付きにくくなることも十分考えられますね。

 

コロナウィルスと水中文化遺産、どのような形で共存していくのか。どのように進んでいくか、誰にもわかりませんが、後退だけはしてはいけないと思っています。

日本では、海の開発に際して水中遺跡の調査が徹底されていないため、数百件しか水中遺跡が知られていません。なんとか水中遺跡の保護の大切さ、どこにでも水中遺跡があることを知ってもらいたいと思っています。50年後、日本近海のほぼすべての水中遺跡(世界の平均的な例で考えると万~10万遺跡ほどあったと思いますが…)が失われてしまったことに気が付いてからでは、もう何もできません。

 

文化遺産を守るために、できる限りの努力をしていきたいと考えています。このサイトが、少しでも、日本の水中文化遺産を守る働きに貢献できればうれしい限りです。

 

引用元:http://www.unesco.org/new/en/culture/themes/underwater-cultural-heritage/dynamic-content-single-view/news/underwater_cultural_heritage_professionals_grapple_with_the/

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