ユネスコ・トレーニングマニュアル

UNESCO水中文化遺産保護条約

ユネスコ大好きなはずの日本は批准していませんが、ユネスコが進める水中文化遺産保護活動のトレーニングマニュアルがあります。10年ほど前にバンコクで開催された国際トレーニングコースのマニュアルはありましたが、今回、新しく南米・カリブ海バージョンのマニュアルが作成されました。

 

PDF無料ダウンロードこちら。

前回のバンコクで開催された時のマニュアルがこちら

世界の水中遺跡調査のスタンダードを学べる良い資料です!

さて、みなさんは、水中遺跡・水中考古学と聞くと…このように水中での発掘作業のマニュアルを思い浮かべることでしょう。しかし、実際には、水中での発掘に関しは、あまり書かれていません。さらに、水中での発掘は推奨されない。としています。遺跡は極力現地保存すること…それがユネスコの意見です。

 

 

 水中での現地保存(埋め戻し)

   遺跡を現地で保存するには様々な方法がある。遺跡を完全に埋め戻す方法が一般的。一度、遺物を引き揚げて記録し、別の場所に移して「水中保管庫」を作る取り組みも行なわれている。保存処理と管理コストを削減し、遺物も安定した状態に置くことができる。

ただし、ユネスコ水中文化遺産保護条約では、遺跡の現地保存に関しては、実はうるさく言っていません。条約の中で最も多く登場する単語は、PUBLICです。Public Archaeologyが、実はユネスコの芯にあるのでしょう。

 

開発と遺跡保護のバランスを維持しながら、調査・記録した遺跡に対しては、責任を持って情報を公開し、公共の文化的生活の向上を目的としています。実は、開発とのバランス・海洋開発との関わり方などが詳しく説明されています。

開発と遺跡保護のバランスを維持しながら、調査・記録した遺跡に対しては、責任を持って情報を公開し、公共の文化的生活の向上を目的としています。実は、開発とのバランス・海洋開発との関わり方などが詳しく説明されています。

Public Archaeologyのユニットもあります

開発とのバランス…最近は、SDGsと考古学は密接に関わっています。
特に、海洋開発からどのように水中文化遺産を守るか、大きな課題です。

洋上風力発電の先進国では、開発時のアセスメントが徹底されています。そのため、水中遺跡の発見ブームが起きており、数万件ある遺跡をどのように保護していくかが大きな課題となっています。
まあ、あと水中文化遺産といっても、「水際の遺跡」が多く含まれます。完全に水中に埋もれた遺跡よりも、乾燥と水没を繰り返している波打ち際の文化遺産こそ、劣化するスピードは速くなり、消滅の危機にさらされています。
ユネスコ水中文化遺産保護のトレーニング・マニュアルと言っても、水中遺跡発掘調査のマニュアル・てびきではありません。どちらかというと、行政向けの、どのように水中遺跡を把握・記録しマネージメントしていくか。また、遺跡を保護し、遺物を引き揚げた場合の管理方法などを解説しています。
対象は、自治体などで水中遺跡保護の取り組みを始めたいけど、どこから始めたらよいか、わからない。という行政職、また、行政で働くことを目指す考古学の学生向け、となっています。
さて、このマニュアル、バンコクの時に比べ、いくぶんかアップデートされているのがうれしいですね。特に、フォトグラメトリー・デジタル画像を使用した3D実測の方法について詳しく書かれています。今や、水中遺跡調査の国際的なスタンダードですからね。水中で手書きで実測図を書いている時代は、そろそろ終わり。

高さをそろえて写真を撮る、オーバーラップの概念図など。図も多く使っています。

水中遺跡の記録に最も適している方法、それはどのような方法でしょうか?

答は、「最も簡単で効率よく、また、水中でのトレーニングなしで誰でも使える方法」です。いかに手間暇省いて安全に行えるか、それが重要。

 

最後に、目次を掲載しておきますので、ご活用ください!

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