お知らせ

タイタニックと水中文化遺産

東京雑学大学で,中田達也さん(文教大学国際学部非常勤講師)が,
「タイタニック号の財宝と国際法」と題する講義をされますので,
お知らせいたします.

詳細は,以下のとおりです.

・主催:特定非営利活動法人 東京雑学大学
     http://www5.ocn.ne.jp/~tzu61017/
・講義:第702回講義
     http://www5.ocn.ne.jp/~tzu61017/kougiyotei2tuki.htm
・日時:10月8日(木) 14時~16時
・会場:多摩交流センター
     東京都府中市寿町1-5-1 府中駅北第2庁舎6階
     TEL:042-335-0100
    http://www.tama-100.or.jp/tama/aboutus.html#map

   [サテライト会場](映像生中継)    
   むさしのヒューマンネットワークセンター
     武蔵野市境2-10-27武蔵境市政センター2F
    http://www.mhnc.jp/use/index.html

・申し込み:不要.当日受付.
・参加費:無料(ただし,資料代100円程度)

中田さんは,国際法をご専門にされており,
タイタニック号をはじめとする沈没船の国際規制等について,
ご研究されています.
ARIUAの関東・東北会員連絡会へも毎回,参加されています.

今回の講義では,1912年に沈没したタイタニック号の遺品引き揚げの経緯・問題点を通して.
「UNESCO水中文化遺産保護条約」を踏まえて,解説されるそうです.

水中文化遺産(とくに沈没船)は,その取り扱いにおいて,
国際法の規制を受ける事例が多くあります.
(先日,NHKでも二夜連続で関連の番組が放映されましたね)

水中文化遺産と国際法との関係を知る良い機会とも思います.

平日昼間に開催される講義ですが,
興味がある方は,参加してみてください.

なお,当日の講義のもようについては
後日,インターネット上で公開するそうです.
http://tsgn.dyndns.org/tsgn/

NHKでもユネスコ水中文化遺産

先週、NHKでユネスコ水中文化遺産について取り上げられていました。おもに今年1月に20カ国がこの条約を採択したために日本国内でも水中文化遺産保護の動きが出てきたことによるものでしょう。

 

9月9日「クローズアップ現代」(NHK、第一)

http://www.nhk.or.jp/gendai/

9月11日「きょうの世界」(NHK、BS2)

http://www.nhk.or.jp/kyounosekai/lineup/20090907.html

 

このプログラムをみた人は何か意見でもあればぜひ書き込んでみてください。番組はおもに水中文化遺産のおかれている諸問題を取り上げています。遺物の商業目的での売買を禁止するユネスコ側の主張とインドネシアなど商業的見返りがなければ水中文化遺産の調査・保護には資金を捻出できない国、そしてとレジャーハンター側の主張を対比させています。とくにNHK側の主張などもなくいろいろな意見を取り入れ、情報を伝えるという意味では良くできた内容でした。

 

個人的にもう少し詳しく取り上げてもらいたかった面は

1)もし売買が公に認められれば商業価値のある沈没船が引き上げられ、考古学価値のある遺跡は無視される可能性があること

2)考古学価値のある遺跡の調査のあとに博物館などの設置により地域の経済の活性化が行える可能性も十分あること

3)なぜ水中に遺跡があるというだけで売買が可能という論議が産まれるのか?地上であれ水没した遺跡であれ、ともに考古・歴史の価値はかわらないのでは?遺跡の立地条件だけで遺跡の価値を判断できるものなのか?

4)ユネスコの条約ではガイドラインがあっても違法行為の取り締まり罰則などについては何も触れていない。そのため、執行力にかける条約であること。この条約の問題点としてよく取り扱われていますが、ここでは触れられていませんでした

5)上の2)にも関連しますが、考古学調査で成功した例をもう少し取り上げてほしかったこと。例えばオーストラリアやトルコなど水中文化遺産保護に積極的な国の成功例など

モザンビークで水中考古学

アフリカのモザンビーク近海で1999年から何隻か沈没船が発掘されていたそうです。詳しいことはよくわかりませんが、サルベージ会社と政府が協力をして発掘を行っていたようです。遺物の一部は博物館などに寄贈されます。これらの展示を通して得られた観光収入をもとに地域の活性化を促すこともそうですが、遺物をを見て興味を持った若い学生などが水中考古学に興味を持ってくれることを文化管理局は語っています。大学などでも学術的な水中考古学の発達をのぞんでいるそうです。

 

 

Maputo — Património Internacional SARL, a company dedicated on the research and underwater archaeology, currently working under the aegis of the Mozambican government’s Institute for the Management of State Holdings (IGEPE), has delivered in Maputo on Wednesday its findings of archaeological research carried out in the vicinity of the Island of Mozambique.

The project, started in 1999, was conducted in close coordination with the Mozambican authorities, through the Education and Culture Ministry (MEC) in compliance with a contract signed between both parties.

These findings include 14 gold coins, 443.6 grams of gold and 600 coins of silver worth at current price market about 35,570, 14,259.10 and 120,000.00 euros respectively.

The MEC will take the responsibility of delivering some of these artefacts to the relevant institutions, such as the Museum of Geology and Money Museum.

The shipwrecks where artefacts were found had already been plundered, having been recovered only those that were protected by ballasts, with few a exceptions.

Património Internacional SARL reassured that this project would bring added value to national tourism, by promotion of scientific and tourist diving expeditions on a number of shipwrecks that have already been identified in Mozambican waters, and turn them as an attractive for tourism development in the Island of Mozambique.

Speaking during the ceremony, Education and Culture Minister, Aires Aly, urged the academic community, through higher education institutions, to engage in training young students in underwater archaeology.

These artefacts will be exhibited at the Marine Museum of the Island of Mozambique that is expected to be open soon by the Education and Culture Minister.

Lionel Casson

悲しいお知らせですが、西洋海事史の権威、Lionel Casson氏が先日亡くなられたそうです。Casson氏は文献史学、水中考古学など1950年代からさまざまな研究分野から得られた資料をもとに西洋(特にギリシャ・ローマ時代)の海事史の歴史学のありかたを塗り替えてきました。海事史の第一人者として研究書だけでなく一般向けの本もいくつも出版され、精力的に活動を続けてきました。また、古代地中海だけでなくインド洋、近現代の船も研究の範囲としてしていました。彼の書籍を通じて数々の考古学者が海事史に興味をいだき、新しい研究者として育っています。

シンポジウムのお知らせ

ARIUA(アジア水中考古学研究所)からのお知らせです

日本財団助成による今年度「海の文化遺産総合調査プロジェクト」関連の研究会議が
沖縄県那覇市で開催されますので,お知らせします.
詳細は,以下のとおりです.
【主題】 南西諸島の水中文化遺産の調査の現状と課題
【調査・研究報告】
報告1「沖縄の海底遺跡の概要」 片桐千亜紀(沖縄県立埋蔵文化財センター、ARIUA会員)
報告2「黒島海底遺跡発見までの経過」 島袋綾野(八重山博物館学芸員)・片桐千亜紀
報告3「文献から探る水中文化遺産について」 渡辺美季(東京大学助教)
期 日:2009年7月18日(土)
時 間:13:00~16:30(12:30から受付)
場 所:沖縄県立博物館(講座室) 那覇市おもろまち3丁目1番1号
参加費:無料
【主 催】アジア水中考古学研究所・鹿児島大学・ 南西諸島水中文化遺産研究会 
【助 成】日本財団
【問い合わせ先】
 今帰仁村教育委員会(宮城弘樹) 電話0980-51-5477  Mail:mn-bunkazai@woody.ocn.ne.jp

 

当研究所と共同研究をおこなう
鹿児島大学法文学部・異文化交流論研究室と南西諸島水中文化遺産研究会との
共同研究事業の一環です.
この研究会議には,どなたでも参加できます.
ただし,参加されるばあいは事前の申し込みが必要ですので,問い合わせ先まで,ご連絡ください.
南西諸島の水中文化遺産やその調査の実情を多くの方に知っていただく,良い機会だと思います.
日程もせまっており,沖縄での開催ですので,関東・東北からの参加は難しいとは思いますが,
ご都合がつく方は,参加してみてください.
なお,南西諸島の水中文化遺産とプロジェクトの概要についてまとめたリーフレットを
添付しましたので、合わせてご覧ください。
会議のようすについては,日本財団公益コミュニティサイトCANPAN ブログでお知らせいたします.
http://blog.canpan.info/ariua/

 

もうひとつ,8月には,沖縄県立埋蔵文化財センターで水中文化遺産に関する講座が開かれます.
【主題】 第34回文化講座 「海に眠る琉球王国の歴史~沖縄県の水中文化遺産~」
【発表】
1「沖縄県の水中文化遺産」 片桐千亜紀(沖縄県立埋蔵文化財センター、ARIUA会員)
2「日本の水中文化遺産と海底遺跡ミュージアム構想」 野上建紀(ARIUA副理事長)
3「文化財保護法と水中遺跡」 清野孝之(文化庁調査官)
期 日:2009年8月22日(土)
時 間:13:30~16:30
場 所:沖縄県立埋蔵文化財センター 研修室  中頭郡西原町字上原193番地の7
対象者:一般(先着140名)
参加費:無料 事前予約なし
【主 催】沖縄県立埋蔵文化財センター
【問い合わせ先】
 沖縄県立埋蔵文化財センター調査班  電話098-835-8752
詳細は,http://www.maizou-okinawa.gr.jp/engan_2009/index2.html を参照してください.

最新トップテン 発掘・水中(?)調査情報 

アメリカの一般雑誌Archaeologyの最新号は水中・海事考古学特集が組まれています。2-3年に一度、夏にはこのような特集が組まれています。さて、今回はLatest Underwater Discoveriesと称して最近調査されている最もホットな発掘・調査情報が紹介されています。日本でも外国雑誌がおいてある大きな書店では並べてありますのでごらんになってください。

1.ローマ時代の大理石運搬船

2.HMS Ontario (1780年)

3.エジプト18王朝の紅海貿易船の復元航海実験

4.オクラホマ州蒸気川船(1838年)

5.アルバニアのサーヴェイ(ギリシャ・コリントからの貿易船?)

6.2400年前のDNAをアンフォラから確認

7.ベトナムーモンゴル水軍遺跡(1288)

8.フロリダ州 1559年 スペイン船

9.古代フェニキア人の貿易船(スペイン)

10.Liman Tepe (トルコ・青銅器時代の港)

   

海のエジプト展記念シンポジウム

横浜で6月27日より開催される「海のエジプト展」にあわせて記念シンポジウムが開催されるようです。

7月4日(土)13:00―15:30パシフィコ横浜アネックスホール

フランクゴディオ氏ほか、アジア水中考古学研究所の野上建紀氏がパネラーとして出席されます。この他7月2日・3日には早稲田大学で記念講演があるとのこと、詳細は海のエジプト展ウェブサイトで確認できるようです。

引き上げた遺物はスペインに返還するべき…

ここ数年前からフロリダ州のトレジャーハンター会社が引き上げた財宝をめぐりスペイン、アメリカ、ペルーなど各国が裁判を起こして注目を浴びています。財宝(船の構造やその他の遺物について情報がないのが残念ですが…)はコードネーム「ブラックスワン」から引き上げられたものですが、スペイン、ペルー政府はこの沈没船をスペイン船籍のメルセデス号と断定し、遺物はスペイン政府が管理することを主張。

裁判は数ヶ月続いていたようですが、アメリカの裁判側が遺物はスペイン政府のものであると特定し、遺物をスペイン政府に引き渡すことを要請しています。沈没船から金銭価値のある遺物を引き上げた会社はこの沈没船をメルセデス号と断定することはできないと主張しています。

 

 

MIAMI (Reuters) – A U.S. judge said a shipwreck found by an American treasure hunting company is the Spanish warship Mercedes and its loot should be returned to Spain, but the firm said on Thursday it would contest the non-binding decision.

The recommendations on Wednesday by a magistrate judge in Tampa, Florida, marked the latest step in a lengthy battle between the treasure huntersOdyssey Marine Exploration Inc, and the governments of Spain and Peru over nearly 600,000 silver and gold coins valued at some $500 million.

The Spanish government hailed the decision from Magistrate Mark Pizzo, which called for the treasure to be returned to Spain within 10 days. But it was simply a recommendation to a U.S. district court judge, who will issue a final order.

“I am delighted that the judge has ruled that the ship belongs to Spain and the treasure belongs to Spain. It is a very important decision,” said Spanish Culture Minister Angeles Gonzalez-Sinde, adding it set an important precedent.

Odyssey’s shares closed nearly 43 percent lower at $2.21 on the Nasdaq exchange on Thursday.

The company said the magistrate’s recommendations would have no impact on its balance sheet because the coins were never treated as assets.

Odyssey discovered wreckage and a 17-tonne haul of artifacts in March 2007 in international waters about 100 miles west of the Straits of Gibraltar.

Spain said the coins came from the Nuestra Senora de las Mercedes, a frigate carrying treasure back from Peru when it was sunk by British gunboats off the Spanish coast in 1804.

Spain claimed the loot as its own, but not before Odyssey had flown the treasure to Florida from Gibraltar, a British territory.

CODE NAME ‘BLACK SWAN

The Mercedes sank in the first few minutes of the Battle of Cape St. Mary’s as an explosion ripped it apart, killing more than 200 sailors. The attack led Spain to declare war on Britain and enter the Napoleonic Wars on the side of France.

Pizzo said in his report there was solid evidence the wreckage was that of the Mercedes, as Spain argued.

“The debris field’s location, coins, cannons and artifacts persuasively match the Mercedes historical record,” he wrote.

He said the Tampa court did not have jurisdiction in the case and recommended the artifacts be returned to Spain.

Odyssey, which had code-named its recovery project “Black Swan,” said it planned to file a written objection to the decision and would “vigorously defend its rights to what it has legally recovered.”

“We’ll be back to argue the merits of the case,” Odyssey chief executive Greg Stemm said. “Odyssey has done everything by the book. For the court to find that enough evidence exists to conclusively identify the site as the Mercedes … is just wrong.”

Peru, which was ruled by Spain at the time the Mercedes was sunk, entered the legal fray in August when it filed a claim for information with the Tampa court. The filing said the coins may be “part of the patrimony of the Republic of Peru.”

Archaeology Magazine

アメリカのArchaeology MagazineがYoutubeで著名な考古学者とのインタビューや遺跡の紹介などをしています。Institute of Nautical Archaeologyのプレジデントのデルガド博士とのインタビューがアップデートされていたので紹介します。ビデオは全部で3本。最初は水中考古学の紹介、2本目は日本の鷹島海底遺跡の紹介、最後はサンフランシスコ湾の海事関連の遺跡について紹介しています。

ちなみにYou tubeなど他のインターネットサイトには水中考古学の情報がたくさん探すことができます。特にビデオなどは簡単に情報を提供できるメディアとして活用されています。日本語ではあまり出てきませんが、英語で(Matitime Archaeology, Nautical Archaeology, Underwater Archaeology, Shipwreckなど)で探してみてください!

English Heritageとサザンプトン大学海事考古学研究所が協力体制

イギリスからのニュースによれば、文化財行政機関のEnglish Heritageとサザンプトン大学の海事考古学研究所が同国の海事、水中、沿岸遺跡に関する新たな研究体制の構築をするようです。ワーキンググループの設置を通じて、専門家やボランティアなどの組織、遺跡全般に対する包括的な理解を深めることを目的にしているとのこと。English Heritageは沈没船遺跡に関するガイドラインをすでに作成・公開していますが今後は海事・水中文化遺産全体にこうした動きが広がるのでしょう。

Maritime and Marine Historic Environment Research Framework

English Heritage has commissioned the Centre of Maritime Archaeology at the University of Southampton to co-ordinate the development of a research framework for the maritime, marine and coastal archaeology of England. The research framework will be shaped by those from the academic, commercial and voluntary sectors involved in the maritime, marine or coastal archaeology of England who will meet in a series of working groups to assess our current state of knowledge on a period-by-period basis and develop a research agenda outlining the gaps in our knowledge, strengths to build upon and future research priorities.

The resource assessment and research agenda documents produced by the working groups will be open to public consultation through a project website, and in addition a consultation group of ‘experts and practitioners in the field’ will be recruited to comment in detail on them. The final report will be ready for publication in July 2010.

Introductory seminars will take place on 9 June in London and 11 June in York. These short seminars are open to everyone and will introduce the scope, structure and methodology of the project as well as provide opportunity for discussion