海賊

NHK 歴史秘話ヒストリア 海賊の町

17世紀、カリブ海で繁栄した海賊の町があった。現在のジャマイカ、ポートロイヤルだ。回りをスペイン領に囲まれながらイギリス領の島として栄えた。おなじみ映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』でも登場する町だ。当時、この町の地価はロンドンよりも高かったらしい。しかし、海賊が集うこの危険な町は、地震によって起こった液状化現象と津波で壊滅してしまう。町の大部分が海の底に沈んでしまった。

20世紀にはいり、ダイビングの技術が発達すると、旧ポートロイヤルの海底に沈んだ町があることが判った。その後、水中考古学の学術調査などが行われ、様々な歴史の謎が解明されていく…

さて、そんなポートロイヤルについて、NHKの歴史番組、『歴史秘話ヒストリア』が特集を放送するそうです。このサイトの管理する私も少し協力しました。実はこの遺跡を発掘したテキサスA&M大学は私の母校でもあり、この遺跡から発掘された遺物のいくつかは私が保存処理を担当したこともあります。

なかなかおもしろそうな内容ですので、是非ご覧あれ!ビデオ予約もよろしくお願いいたします!再放送も見逃さずにね!

 

NHK 歴史秘話ヒストリア

よみがえる幻の海賊都市

平成26年8月27日(水)22:00~

再放送:翌週水曜00:40~(火曜深夜)

海賊「黒ひげ」の船とほぼ断定

何度か紹介している海賊「黒ひげ」の沈没船クイーン・アンズ・リベンジ号の調査について。もちろん、漫画「ワンピース」ではなく実在した黒ひげの船のことです。実は、沈没位置から黒ひげのものであるとほぼ確定していましたが、その決定的な証拠となる遺物は発見されていませんでした。しかし、先日、調査している研究者から黒ひげの船であると断定したと発表されたようです。

最近の発掘調査により断定できるものとして次の遺物が挙げられます。1705年と刻印された鐘。また、クイーン・アンズ・リベンジ号はもともとフランスの船であって、黒ひげが略奪したものです。そこで、発見されたのがフランス王家の紋章が刻まれた分銅。他にも樽の中に隠されていた金粒など。これは、船員が隠していたものでしょう。などなど。中にはまだ決定的でないと思う人もいるかもしれません。例えば、船の名前が描かれているものなどあれば決定的ですよね。まあ、このような遺物は殆ど発見されません。船の出港地、年代が刻まれたものなどから断定するのが普通です。その他の遺物や位置、持ち物や、船の作り方などいろいろと証拠を積み重ねて今回の結果が出たと言うことでしょう。

黒ひげの武器について…

海賊黒ひげが実際に使用した武器についてですが、いろいろと新しい事実が分かってきています。

カリブの海賊といえば、もちろん大砲をたくさん積んでいたわけですが、この弾が一風変わっていたようです。大砲の弾といえばあの丸い鉄の弾を普通連想しますが、海賊の船はちょっと違っています。いろいろなモノか作られていたり、その場でいろいろと工夫してあるもので殺傷能力を高めていたようです。たとえば、袋にいらなくなった鉄くずをつめてそれを発射したり、大砲の弾の後ろに鎖をつなげたりしていたそうです。

これらの弾がなぜ重要なのか?よく考えれば分かるのですが、これらの弾はそれほどまっすぐは飛ばないので、射程距離は短くなりますし、狙いも正確ではなくなります。また、船を壊すような威力などもなくなります。その代わりこれらの弾が発射されれば一風変わった音がする(であろう)ことと、これらのものが四方に飛び散るわけです。船を壊す鉄砲の弾ではなく、相手を傷つける能力に優れた飛び道具です。相手を殺したりすることもあったでしょうが、相手に傷を負わせて戦意を喪失させることが目的ではなかったのでしょうか?もちろん乗っ取る船もそれほど傷をつけることもありません。

このような工夫は良く知られていましたが、普通の軍船や商船に比べて変則的な弾が多いということだと思います。今までに知らなかった変わった武器も発見されているようです。その場で工夫して作っているわけですから当時の海賊の知恵のよさが伝わってきます。たぶん、失敗作もあったんでしょうが…さて、海軍などは遠くから弾を撃ちつけ船を壊したり、特に帆を壊すことが戦法の主流です。大砲により帆が壊れれれば、自由に動けないわけですから、こっちのもの。海賊は大事な船を傷つけずに獲物の船員に傷を負わせることが目的。戦いの目的によって大砲の弾も変わってくるわけですね。

このような弾はなんとなく日本の鷹島海底遺跡で発掘された「てつはう」にもなんとなく似ている気がします。これは13世紀の中国のものですが、丸い弾にたくさんの鉄片が詰め込まれていました。これは完全に対人兵器で船を壊す能力はありません。なかなか時代と地域が違っていても武器が似てくるのは面白いですね。