水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

メキシコ 湖の底から遺物出土

メキシコ国営の考古学団体がNevado de Toluca volcanoの山頂にあるクレーターからできた池の底から儀式でささげられたと思われる遺物を何点か発見し回収したようです。スペイン人がこの儀式の様子を記録に残しています。

遺物の種類から紀元前1世紀ごろからこの池が儀式で使われていたようです。


メキシコ 湖の底から遺物出土 の詳細は »

オレゴン州 マニラガレオン船

17世紀に太平洋横断航路を切り開いたガレオン船のひとつがオレゴン州に沈没したことがあったそうです。当時のアジアからの遺物をたくさん積ん出いたことでしょう。19世紀の記録ではこの沈没船に積まれていた蜜ろうと残っていた船財を使ったとあります。言い伝えでは嵐により船が二つにわれ軽かった船首が岸に流れ着き、大砲を積んでいた船尾は沈んだと言われています。

はっきりした記録や伝承などが伝えられており現在これらの史実を研究中です。また、同時に沈没地点と見られる海域で時期探査をおこない沈没船と思われる反応が5箇所ほどあったそうです。

これらが探している沈没船か、もしくは別の沈没船かまだ分かりませんが引き続き調査を行っていくそうです。


オレゴン州 マニラガレオン船 の詳細は »

深海考古学 Mardi Gras 沈没船

Texas A&M大学の海事考古学と海洋学の合同チームが19世紀初期の沈没船をメキシコ湾(ニューオリンズ沖)に発掘に向かいました。

アメリカの法律では海底に構造物を作る際に文化遺産の有無を確認するためきちんと事前調査することが義務として課されています。油田開発のためのパイプラインを敷く場所に沈没船が発見されたために発掘することになりました。アメリカだけでなく近年ではユネスコ水中文化財保護法案をもとに世界のさまざまな国で水中文化財を国で保護・管理する体制が整いつつあります。

さて、まだ調査は始まったばかりですので、何が発見されるか分かりません。また、水中ロボットを使った本格的な学術調査は例が少なく発掘方法などにも試行錯誤とその成果が期待されています。もちろん最近話題となってしまったトレジャーハンターのように貴重な文化遺産を売ることはせず、考古学・歴史的価値に発掘の意義を見出します。

この沈没船から引き揚げられた遺物は私の所属する保存処理研究所で保存処理が行われます。研究所では写真記録担当(およびシリコンオイルによる有機物の保存)なので夏以降に貴重な遺物などを紹介できると思います。

子供にも海洋考古学を教えてます

さて、あまり海洋考古学の発見とは関係ありませんが、こんなニュースを発見しました。

フロリダ州のとある団体が主催する子供のための夏休みキャンプ合宿のお話です。このキャンプでは地域の歴史を知ってもらうためさまざまなイベントが開催されます。昔の遊びなどから、考古学遺物の整理、など、さらには水中ビデオカメラなどを使った水中の探索も行うそうです。

対象は7-12歳。子供の頃にやはり水中・海洋考古学に直接触れることができるのはすばらしいことだと思います。日本の学校などでも「水中考古学」という学問があることを教えていただければよいですね。子供の頃に見たもの聞いたものは直接覚えていなくてもなんらかの形で将来の進路に大きく影響する可能性があるものだと思います。


子供にも海洋考古学を教えてます の詳細は »

最古の木造アンカー

トルコのアンカラ大学とイスラエルのハイファ大学の合同チームがとるこのKlazomenaiのみなと跡の発掘で最古の木造アンカー(いかり)を発見したそうです。過去何年か発掘を行っているそうですが、紀元前7世紀ごろの木造いかりだそうです。あまり詳しいことはまだ発表されていません。


最古の木造アンカー の詳細は »

南海1号船

水中・沈没船考古学に興味のある人はすでにご存知でしょう。中国、宋の時代の沈没船がついに引き揚げられるそうです。

このように沈没船を丸ごと引き揚げる計画は珍しいですね。最近では。しかもタンクに移し変えてから発掘するそうです。メリーローズ号、ヴァーサ号、潜水艦ハンリーなどは丸ごと引き揚げましたが、周りの砂までまとめてあげるのはすごいことです。引き揚げの際、また水を移し変えた際などに遺物に悪影響が及ばなければ良いのですが...良い結果が出ることと期待しています。

ベトナム海洋考古学始動!

嬉しい速報です!ベトナムが本格的に動き出す気配を見せています!

ベトナム近海には40隻以上もの考古学的価値のある沈没船がすでに発見されているそうですが、公に知られているだけで現在までに約5隻発掘されています。海のシルクロードの歴史を見る限りベトナムの海洋考古学の価値は高いことでしょう。

近年中にベトナムで海洋考古学センターが発足する予定があるそうです。現在のようにサルベージ会社に頼り、遺物を売却する方針に打ち切りの姿勢を見せています。きちんと考古学に基づきタイ、フィリピン、中国やイギリスなどの海洋考古学先進国の例を見習う方針です。

まず最初に行うべきことは水中文化遺産保護の法律の制定が挙げられます。また、タイのように沈没船データベース作成も行う必要があるでしょう。さらに水中考古学者を育てるためにイギリス、オーストラリア、アメリカに有望な人材を研修に向かわせ5年後ごろまでにはベトナム国内で海洋考古学センターを確立させる予定だそうです。


ベトナム海洋考古学始動! の詳細は »

ホクレア号を見に行こう!

古代ポリネシアの復元船、ホクレア号が天体など当時の航海技術だけを頼りに1月にハワイを出発し、先日沖縄に到着したようです。今後、熊本、長崎、福岡、山口、広島、愛媛、横浜などに向かうそうです。

海底ミュージアム構想

アジア水中考古学研究所が中心となり海底ミュージアム構想を進めています。まだ構想ですが、しだいに形のあるものになることでしょう。海外の例も取り込みながら、また日本の考古学の現状、風土にあったものとして発達していくようです。海外でも海底ミュージアムはそれほど多くはないのでこのプロジェクトをもとに日本から海外に何か発信できれば良いなと考えています。

北海沖の8000年以上前の遺跡

まあ、良く似たような発見はあるのですが、今回は範囲が相当広いようです。きちんと調査を行っているようです。日本近海も似たような遺跡が相当あるはずなのでしょう。きちんとした調査体制、護岸工事の前のサーヴェイを徹底させることが必要でしょう。


北海沖の8000年以上前の遺跡 の詳細は »