2019年を振り返る…

2019年…今年も様々な発見がありました。

水中考古学関連のニュースとして一番おどろいたのは…3月のエチオピアの飛行機事故。シチリアの水中考古学のトップ、セバスティア―ノ・トゥサさんが乗っていました。日本にも水中遺跡の調査に来ていました。一緒に東京のどこかで飲んだ記憶が懐かしい...やさしいおじさんで、日本にもたくさんの友人がいました。ポエニ戦争時の海戦の跡地の調査、また、オリハルコンと思われる金属片を沈没船から発見したことで有名です。
個人的なニュースとしては、当サイトのリニューアル、ツイッターアカウントがバズッたこと、後輩の山舩さんが「世界ふしぎ発見!」に出演したことなどなど。2020年は、水中考古学の飛躍の年になりそうな予感がします。

 

忘れる前に、今年、ユネスコ水中文化遺産保護条約を批准した国は、3か国。カーボ・ベルデ、スイス、ニウエ。アルプスの国・スイスと太平洋の島国・ニウエ、対照的ですね。

さて、水中考古学ニュース、独断と偏見でランキングするよりも、ウィキペディアを使いました…じつは、その年の考古学ニュースをまとめて記事にしているの、ご存じでしょうか?その中から、水中・海事考古学関連(また個人的に興味を持った)記事を拾ってみました!つまり、水中考古学に特化したサイトではなく、世界の歴史・考古学全体に貢献した発見といえます。

 

また、ウィキペディアのニュース一覧の下には当サイトで紹介した記事の中から反響の大きったモノを紹介しています。英語しかなかったので、原文そのままコピペ。ぷらす、翻訳タイトル。

 

ローマ時代の造船所跡、シナイ半島で発見
An ancient shipyard is found at the Tel Abu Saifi archaeological site in the northern Sinai Peninsula, which might have been the Roman fortress of Silla.[11]  

 

ナイル川で石切り場そばの船着き場発見(第18王朝)
A port used to transport stones from their quarries to the pyramid sites is located near Gebel el-Silsila on the east bank of the Nile, dating back to the 18th dynasty.[16]

 

バミューダで墜落したB-24爆撃機発見
Announcement of discovery of remains of a B-24 bomber that crashed into the sea near Bermuda in 1945.[17]

 

ウィリアム・アダムスの骨か?平戸の発掘
Bones at Hirado, Nagasaki in Japan believed to belong to William Adams (died 1620).[20]

 

1540年代の沈没船、オランダで発見
The wreck of a ship of about 1540 in the Dutch North Sea loaded with copper plates with marks of the Fugger family, found by chance in a salvage operation.[21]

 

フィリピンで最古の人類の化石67,000年前
A new species of hominin, Homo luzonensis, is announced as being found in Callao Cave, LuzonPhilippines. At 67,000 years old, these are the oldest hominin remains found in the archipelago.[23]

 

アラバマ州で奴隷船(1860年)の発見
The Alabama Historical Commission announces that the wreck of slave ship Clotilda (scuttled 1860) has been found in the Mobile River.[29][30][31]

 

沖縄近海でUSS Grayback(アメリカ軍潜水艦)発見
American submarine USS Grayback (SS-208) (sunk 1944) is located by a private research group, Lost 52 Project, off the coast of Okinawa (Japan).[35]

 

ギリシャ風の神殿、沈没船の発見。へラクレイオン(エジプト)にて
A Greek temple and treasure-laden ships are found at the sunken city of Heracleion, Egypt.[44]

 

5,000年前のドルメン(巨石)、ため池の水位が下がったため数十年ぶりの再発見 The 5,000-year-old Dolmen de Guadalperal is uncovered due to seasonal drought of the Valdecañas reservoir.[47]

 

第1次大戦時のアメリカ軍潜水艦USS H-1号、発見
The USS H-1, a World War I submarine, is found south of Baja California.[48]

 

マルタ沖でイギリス海軍の潜水艦発見
Announcement of discovery during summer of wreck of British submarine HMS Urge, sunk 1942 off Malta.[55]

 

ヴォルガ川で600年ほど前の沈没船発見
An ancient shipwreck is found in the Volga river near Vinnovka, Samara, which is over 600 years old.[60]

 

バルト海で17世紀のヴァーサ号と関連する船2隻を調査
Two shipwrecks are discovered in the Baltic sea, linked to Sweden’s Vasa, dating back to the 17th century.[61]

 

フォークランド紛争時の沈没船発見
Location of wreck of SMS Scharnhorst (sunk in Battle of the Falkland Islands, December 1914) by a team led by Mensun Bound is reported.[67][68

 

コンキスタドール、コルテスの船に使われたアンカーが発見
Report of discovery of an anchor in the Gulf of Mexico consistent with the fleet of Hernán Cortés.[71]

 

イスラエル。7,000年前の防波堤。水位の変動に対して人類がとった行動
7,000-year-old wall against sea level rise uncovered at submerged Tel Hreiz on Carmel Coast, near Haifa, Israel.[72]

 

ノルマンディー上陸作戦(の演習)の際に水没した遺物などが文化遺産保護の対象に
Announcement that designated sunken materiel on the south coast of England lost in training for the 1944 Normandy landings has been scheduled for legal protection.[75]

 

2009年にバルト海で発見された船。調査の結果、1500年頃の船であり、保存状況は良好とのこと Announcement that a Baltic Sea wreck, first located in 2009, has been identified earlier in the year as belonging to a date around 1500 and in an excellent state of preservation.[77]

 

アイスランドで沈没船のマッピングプロジェクト進行中。
400隻以上の記録が残る Archaeologists in Iceland map shipwrecks near Eyrarbakki, which consist of 400 English, Dutch, Danish, Basque, and Icelandic vessels lost between A.D. 1200 and 1920.[80]

 

1942年に墜落したP-38型機、文化遺産として登録される予定。イギリスで飛行機が登録されるのは初 Cadw announces that the wreck of an American Lockheed P-38 Lightning fighter which crashed in September 1942 off the coast of Wales near Harlech is the first legally designated military aircraft crash site in the United Kingdom to be scheduled for legal protection for its historic and archaeological interest.[81]

 

はい、ウィキにも掲載されています。トゥサさん。 March 10 – Sebastiano Tusa, Italian archaeologist (born 1952)

 

以下は、当サイトの記事です。

 

 

アンフォラ6000個 ローマ時代最大の船か?

海の中のストーンヘンジ

日中韓の貿易船

南米コロンビアとスペインが合意

空母加賀!ミッドウェーで発見

チチカカ湖で大発見

チチカカ湖の発見、ミッドウェーの発見、アンフォラ6,000個のローマ時代最大の沈没船などなど。個人的には、コロンビア政府が「世界で最も高価な積み荷のスペイン船」を財宝を引き揚げて売却せずに国の文化遺産としてスペインや他国と協力しながら保護していくことを公表、したことが最も価値のある水中考古学の成果だと思います。

 

沈没船と聞くと、財宝とかトレジャーハンターを思い起こすかもしれませんが、もう、それはほぼ完全に過去の話。今は、多くの国で犯罪者としての扱いです。ただし、実際には、トレジャーハンターが破壊した沈没船は、多くはありません。それよりも、自然の作用による劣化、そして、さらに開発でどんどん破壊されており、トレジャーハンターによる破壊よりはるか多くの遺跡が破壊されています。彼らが破壊したのは数百遺跡でしょうが、開発により数十万件の水中遺跡が破壊されています。また、未発見・保護されていない残りの遺跡(数百万?)は、どんどん劣化していきます。

 

そこで、トレジャーハンター達は、自分たちの作業を正当化する技を身に着けました。劣化する前に発見してきちんと記録を残し情報を発信する。発掘にかかる費用の対価として遺物を売却する。政府や自治体では遺跡を発掘する費用がないでしょ?放っておくと劣化してなくなるよ!と考古学にお金をかけられなかった経済的に豊かでなかあった国々を回っていました。

しかし、コロンビアをはじめ、多くの国で、このやり方では貴重な文化遺産が完全になくなってしまう、国民のために遺跡を守らなくては!と思うように変わってきました。それが、コロンビア政府の発表です。

 

現在、多くの国で適切な水中遺跡の保護が進んでいます。開発に際してアセスメントが徹底し、多くの遺跡は現地に残して保護をする形式を取っています。貴重な遺跡は定期的なモニタリングを行っています。ヨーロッパなど水中考古学がポピュラーな場所では、各国に数万件の水柱遺跡が把握・周知されています。これら膨大な遺跡をどのように水中で保護していくかが、これからの課題です。ようは、陸の考古学と何一つ変わりません。

というわけで、今年のお話は、このへんで。

2020年も、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます!

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です