水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

セミナー

今月はじめ、桜美林大学四谷キャンパスで水中考古学セミナーが行われました。多くの方に来ていただき、大盛況でした。先生方の講演の他、ディスカッションもあり、ご来場いただいた皆様は有意義な時間を過ごされた野ではないでしょうか?水中考古学について全く知らない方や、中には高校生からご高齢の方など幅の広い参加者にお越しいただきました。

セミナーの後、多くの方々に貴重なご意見を多くいただきました。どれもポジティブなもので大変感謝しております。特に専門でない人々にも親近感の沸く内容、そして、これからの水中考古学に期待が持てる講義であったとの意見が多かったです。今後も、このような企画があればご紹介していきますので、よろしくお願い申し上げます。写真は、セミナーでのディスカッションの様子です。

さて、早速ですが、次のセミナーのご紹介です。東南アジア考古学会大会において、「東南アジア水中考古学最前線」をテーマでシンポジウムが開催されます。多少専門的な内容だと思いますが、世界で活躍されている先生による発表となります。興味のある方は是非ご参加ください!

日 時:
2012年11月17日(土)18日(日)

会 場:
17日(土) 昭和女子大学・本部館3階 大会議室
18日(日) 昭和女子大学・研究館7階 7L02

内容:
17日(土) 13:00~17:20
Dr. Eusebio Z. Dizon(フィリピン国立博物館)「1600年の沈没船、サンディエ号の調査」

林田憲三(NPOアジア水中考古学研究所)蒙古襲来絵詞に描かれた元寇船-絵画研究と出土遺物による解釈」

Randall J.佐々木(NPOアジア水中考古学研究所) 「ベトナム・バクダン川の元寇遺跡の調査」

18日(日) 10:00~16:30
林原利明(NPOアジア水中考古学研究所)「日本における近年の水中考古学調査」

向井 亙(金沢大学客員研究員)「タイ国における水中考古学調査」

菊池誠一(昭和女子大学)「ベトナムにおける水中考古学調査」

坂井 隆(台湾大学)「インドネシアにおける水中考古学調査」

石村 智(奈良文化財研究所)「パラオにおける水中考古学調査」

総合討論

http://www.jssaa.jp/
http://blog.canpan.info/ariua/archive/613

水中考古学セミナー 再度お知らせ

一度お伝えしましたが、いよいよ「第4回水中考古学セミナー」が来週末開催されます!

詳しくは主催の桜美林大学大学院のページをご覧ください。

日時 2012年10月6日(土) 13:15-17:15(12:45開場)
会場 桜美林大学四谷キャンパス 地下ホール(JR・東京メトロ 四ッ谷駅より徒歩3分)
参加費 無料

 一般の方にも水中考古学の魅力を知って頂くため、専門的な集まりではなく、広く様々な分野でご活躍の皆さまにも学問を広める目的で企画いたしました。水中考古学について何も知らない人のためのセミナーです。

・第1部 講演 「日本の水中考古学:ケーススタディ」
日本の考古学の現状として、さまざまなエリアから調査・研究発表を行います。時代は古代から縄文・弥生はもちろん、中世~近・現代の水中考古学の調査の事例をご紹介します。また、地域も、北海道から関東、近畿、九州・沖縄と幅広く取り上げています。

・第2部 討論 「水中考古学の魅力」
座談会・ディスカッション形式によって、水中考古学の魅力について語ります。発表される方々も大学の教員から博士課程の学生などバラエティーに富んでおり、いろいろなアプローチから水中考古学について語ります。

多くの方に水中考古学を知っていただきたいと思っております。皆さまのご参加をお待ちしております。

水中考古学を学びたいのですが...

「水中考古学を学びたいのですが...」から始まる質問は良く聞きます。必ず、「が」や「だけれども」などの言葉がついてくる質問です。どこから始めれば良いのか分からない、難しそう、将来仕事がなさそう、日本で出来ないけど英語ができないから海外行けない、などなど。たぶん、2つのタイプ(道筋)に分けることが出来ると思います。ひとつは、考古学など歴史はあまり勉強したことがないけど、関わりたい人が最初のタイプ。二つ目のタイプは、歴史・考古学を勉強してきて、そのまま水中にも興味があるが、自分に出来るか心配というタイプです。

この質問について、個人的な見解を示したいと思います。最初に、水中考古学とは本来とても学際的な学問であるということを理解することと、そして、水中考古学という定義は曖昧で、本当は「考古学」にしかすぎないことです。

最初に、タイプ1について。このタイプの人の道は基本的に簡単にお答えできます...水中考古学の調査は一見すると、実に大変そうです。事前調査のサーヴェイなどはソナーや時期探査機などを使ったり、水中ロボットも使い、海洋学やマリンエンジニアさながらです。そして、発掘になると潜って発掘して、力仕事ですね。さらには、保存処理。化学薬品などをつかって処理するさまはサイエンティスト。もちろん、遺物の分析などは考古学・歴史が大切。こう見ると、誰が見てもものすごく大変な学問としか見えません。しかし、これらは、どれもその分野の専門家と協力して行っています。つまり、水中考古学の成果のために、別の分野の人が時には雇われたり、協力して作業を行っています。つまり、様々な分野の人があるひとつの目標(水中文化遺産を保護・活用)することに協力をしています。

つまり、逆を言えば様々な分野に進んでも、「水中考古学」に関わることが出来るわけです。水中の文化遺産にロマンを感じれば、自分の好きな分野を伸ばしながら、それをどのように活かせるかを考え、協力することが出来るわけです。「水中考古学者の必要条件」というものはありません。あえて言えば、水中にも遺跡があることを理解して保護・活用していきたいと思う心、ではないでしょうか?

つまり、歴史が得意でなくても、泳げなくても、化学などが苦手、でも関係ないということです。水中の文化遺産を守るという意思があれば、あとは自分のできることで協力することが出来ます。新しいことはそれほど学ななくても、自分の経験を活かすことを考えるのが先決でしょう。また、水中考古学だけで生活をすることなど考えなくてもよいでしょう。他の自分の専門で生活をしながら、協力できるときに協力することが出来ます。たとえば、化学などが好きなら、普通に遺物の保存処理を学べば良いわけです。そのなかで、水中の遺物の対処法を考えて、協力することが出来ます。水中に特化することはないはずです。また、海洋学でも同じです。自分の分野でしっかりと学び、学んだ知識をどのように活かせるか考えてみてください。

実は、このような関わりを持ってくれる人が重要なのです。一見すると、部外者のように受け止められがちですが、それぞれ別の専門の道を極めた人に協力を得、調査をすることには大きな意義があります。

次に、「考古学・歴史好き」のタイプ2ですが...これも基本的にはタイプ1と同じです。最初に考古学の基礎をしっかりと学ぶ必要があります。その上で、水中調査に必要なことはタイプ1の専門家としっかりと対話できるだけの知識を付け足せば良いだけです。例えば、サーヴェイについては、ソナーや磁気探査などの基本が分かっていれば充分で、どのように考古学に応用できるかを勉強すれば良いわけです。そして、タイプ1の専門家と協議をし、有効な調査方法を見出していく方法をとります。保存処理なども、同じく、難しい知識や実践・実績ではなく、応用力が必要となります。しかし、重要なのは、考古学的な見方です。これらの専門家と協力して得られたデータを元に、研究の成果をだすのは、タイプ2を選んだ人の責任です。これは、まさに考古学的モノの見方です。水中考古学の父と呼ばれるジョージ・バス先生も口癖のように言っていた事に、「考古学者をダイバーに訓練することは比較的簡単だが、ダイバーを考古学者として育てるのは時間を要する」と。

つまり、水中考古学で「陸の考古学者」が見て難しいと思うことは、実は簡単に修得できることであって、それほど重要ではない。実は、もっと重要なのは、「考古学者としての素質」であると。いくらダイビングや他の技術を学んでも、考古学的素質や観察力などがなければ、技術も意味を持ちません。しっかりと学者として学ぶことが先決となります。実際に、資料などの分析などの時間を考えると、1日の発掘で得られた情報(1-2時間の作業)は数か月分のデスクワークに匹敵します。「水中考古学者」の仕事の時間的割合を考えると、実際に水中での作業は全体の1%にも満たないのかもしれません。爪先の技術ではなく、学問の体の幹の部分である考古学が最重要となります。水中であろうと、どこであろうと、考古学は考古学ですので、それをしっかりと学ぶこと。遺物や遺跡の見方・分析方法を学ぶことになります。

こう考えると、どこの大学に行けば良いとか、理系が苦手、留学はしたくない、将来仕事がない、などの問題は解決すると思います。考古学を学べば、考古学者として生活をしていくことができます。地中海などの歴史に興味があれば、留学も考える必要もあるかもしれませんが、例えば、日本の考古学を学びたいのであれば、留学する必要などあるのでしょうか?どこの大学でも、しっかりと歴史・考古学を学んでおけば必要な知識は得られます。モノの見方やセオリーなどドンドン学んでいきましょう。別に、水中の考古学がないから...と考える必要はありません。基本は全く変わりません。

さて、最後に...

今、水中考古学を勉強したい!と考えている人はじっくりと自分はどっちのタイプか考えてみてください。タイプ2の人は、この幹の部分が出来上がれば、それに付け足してフィールドワークに応用できます。そして、自分では分からない部分はタイプ2の人と協力します。タイプ1の人は自分の専門性を高めながら、どのようにタイプ2に人(考古学者)と協力できるか考えます。どちらのタイプも水中考古学の発展には必要です。自分の得意・不得意は誰にでもあります。抽象度を高く持ち、小さな概念にとらわれることなく、全体を見渡して、自分がどのように学んでこの分野に貢献できるか、考えてみてください。上にも書きましたが、それぞれが共通する点は、学んできたことではなく、「水中の文化遺産を保護・活用すること」です。この考えに賛同できる人は、水中考古学に関わりを持つことが出来る人であると思います。


自分で答えが分からない人はご相談にお答えしますので、お気軽に質問してください!

ここ最近のうれしい水中考古学ニュース

ここ数日、日本の水中考古学にとって嬉しいニュースが続いております!

最初は、文化庁が水中考古学調査に予算を割り当てることを決定したニュース。

なかなかここまでくるのは大変でしたが、やっと来た!と感動です。鷹島海底遺跡の発見もやhり大きいのでしょう。予算をどのように使うかまだはっきりとしたことはわからないですが、じっくりと見守っていきたいと考えております。

予算も鷹島のためというよりは、日本全国の水中遺跡との記述から、アジア水中考古学研究所の水中遺跡データベース作成などの成果が大きかったのでしょう。それに、鷹島のような発見があり、日本全国でも同じような発見の可能性があることを理解しての動きなのでは?活動を続けていくことが大切です。大きな目立つ遺跡よりも、小さな身近な遺跡を活用する道が本来あるべき姿であると思います。

さて、そのほかに、朝日新聞で「海底遺跡新時代」の特集が4回にわたり掲載されておりました。日本や世界の海底(水中)遺跡を紹介するもので、良く書かれています。


その1

その2

その3

その4

お金について...

ここ数日、アジア水中考古学研究所の海底ミュージアム構想のブログのエントリーがなかなか的を得た内容です。

水中文化遺産調査は,お金がかかる?
「水中考古学」を学ぶには?
「水中考古学」と「水中遺跡」,そして「水中考古学者」

どれもなかなか鋭い指摘です。中には、「え?そうなの?」と思うようなこともあるかもしれません。

さて、私個人の意見ですが、少しまとめてみました。

水中考古学にお金がかかる!と思うのは「もったいない」ことだと思います。また、水中遺跡は別に珍しくもなんともない、「普通の遺跡」なんです。その普通の遺跡にお金が掛かるから...というのは少しおかしなことだと思います。

お金がかかるというイメージ(幻想)は、たぶん、世界の有名な沈没船の事例によるものだと思います。世界の大規模な事例を見ると(ヴァーサ号・メリーローズ・新安沈没船・南海1号船など)どれも、成功を収めていますが、莫大な費用を必要としました。また、他の水中遺跡に目を向けられなくなる期間が続くことが懸念されますし、実際に各国でそのようなことが起きました。韓国も、本当に水中考古学に力を入れることが出来るようになったのも、ここ15年ほど前からです。

今、世界では大きな沈没船が発見されても大規模な発掘をしないことがほぼ前提となってきています。これには、小さな遺跡にこそ大きな価値がある場合が多いことが長年の調査を積み重ねることにより、分かってきたからです。そして、水中遺跡がどこにでもある普通の遺跡であることが認知されています。大きな遺跡を発掘しなくても、素晴らしい成果が得られています。International Journal of Nautical Archaeologyをはじめとした、専門のジャーナルなどでその成果は見ることができます。
 
たしかに、これらの大きな沈没船プロジェクトから得られた成果は素晴らしいですが、学問全体としてみると、どうなのでしょうか?大きなプロジェクトでなくても、各地に多くの水中遺跡があります。これらの遺跡を周知させ、保護することが実は重要です。大きなプロジェクトの影で小さな遺跡が破壊されては、お金を費やした意味がありません。大規模なプロジェクトが水中文化遺産の重要性を知るきっかけとなったのは確かです。1960年代から始まり、世界各地で大きなプロジェクトが行われて、水中考古学という学問が発達する契機となりました。しかし、日本でも同じように「きっかけ」が必要なのでしょうか?他国の例で充分なのではないでしょうか?

小さなプロジェクトはそれほどお金を必要としません。また、「陸の遺跡」に費やす費用も日本全体のトータルで見ると莫大なお金です。それに比べると、水中の遺跡に掛かる費用はそこまで大きくはないでしょう。また、日本のように火山の多い場所の地質は有機物の保存に適していません。しかし、水中は有機物の保存に最適な環境となる場合が多くあります。そのため、陸上では珍しい有機物(木材など)を多く含んだ遺跡が発見されることが多いようです。昔から豊かな自然に恵まれ、木材を大切に使ってきた日本人の文化の一部を陸上の遺跡もよりも鮮明にみることが出来ます。また、日本文化は海外との交流の中で育ってきた文化です。外国の影響が入る唯一の手段が船です。そのメカニズムを物質文化から解明できるのは沈没船だけなのではないでしょうか?

このような水中遺跡なのですが、「普段は目に見えない」のでその周知が遅れているのは事実です。しかし、日本全国で小さな水中遺跡がたくさんあります。アジア水中考古学研究所の調査事例を調べていただくとわかりますが、実は、水中遺跡は日本各地に存在しています。どこにでもあるものなのです。調べてみると、自分が良く行く海の前に遺跡があることでしょう。

学者・専門家が行うことは発掘調査などの成果を発表すること。研究会なども行われていますし、ジャーナルなどもあります。興味のある人は調べてみると新しい発見があるはずです。

アジア水中考古学研究所(ARIUA)

第4回 水中考古学セミナーのご案内

このたびは第4回水中考古学セミナーのご連絡を申し上げます!

日本の一般の皆様に水中考古学の魅力を知っていただきたく開催いたします。専門的な集まりではなく、広く様々な分野でご活躍の皆様にも学問を広める目的でオーガナイズされました。水中考古学について何も知らない人のためのセミナーでございます。どなたでも無料で参加いただけます!

第一部は日本の考古学の現状として、さまざまなエリアから調査・研究発表を行います。時代は古代から縄文・弥生はもちろん、中世~近・現代の水中考古学の調査の事例をご紹介します。また、地域も、北海道から関東、近畿、九州・沖縄と幅の広い講演をご用意しております。第2部は座談会・ディスカッション形式によって幾つかの質問をご用意し、会場の皆様に水中考古学の魅力について語ります。セミナーの内容だけではなく、発表され方々も大学の先生から博士課程の生徒などバラエティーに富んでおり、いろいろなアプローチから水中考古学について語ります。

なお、会場のお席は数に限りがございますので、ご参加の方は事前にご連絡いただければお席を確約いたします。もちろん当日参加もOKですが、ご盛況の場合、お席がご用意でない可能性もありますので、ご了承の上おいでください。

その他、ご質問・受付などは 090-5288-2255 もしくは、 shipwreckarchaeology@gmail.com までお問い合わせください。

 

日時: 2012年 10月6日 (土)  13:15 - 17:15  〔12:45開場〕

場所: 桜美林大学四谷キャンパス 地下ホール  地図はこちら

主催 桜美林大学大学院国際学研究科

 

第1部 講演 日本の水中考古学: ケーススタディ

 

日本における水中文化遺産と水中考古学の現状   (アジア水中考古学研究所:林原利明)

 

水中ロボットを利用した葛籠尾崎湖底遺跡の調査の現状と課題  (立命館大学:矢野健一)

 

元寇遺跡の研究および船体構造哲学 (テキサスA&M大学・博士後期課程 :Randall Sasaki)

 

瀬戸内海の海洋文化景観  (南カリフォルニア大学・博士後期課程 :Michelle Damian)

 

四爪鉄錨の基礎的研究 (金沢大学・博士前期課程:松井広信)

 

勝浦ハーマン号海底遺跡の調査について (日本水中考古学調査会:井上たかひこ)

 

第2部 討論 “水中考古学の魅力”

 

ディスカッション Bruce Batten (桜美林大学)

 

PDFでご案内第4回水中考古学セミナー(10月6日)

水中考古学勉強会のお知らせ

最近、特に去年の鷹島海底での元寇船の発見を境に、日本でも『水中考古学』という言葉がメディアなどにも良く取り上げられるようになってきました。しかし、まだまだ一般には理解されていない部分が多いようです。

そこで、今回は、このサイトを運営を代表するランドールササキと特定非営利活動法人アジア水中考古学研究所(ARIUA)が共同で水中考古学の勉強会を開催いたします!第一部は一般からの質問に対して答えるプレゼンテーション、そして第2部はARIUAの代表によるプレゼンの2本立てとなっております。

開催日:9月1日(土)
  時 間:13:30~17:00  1部:13:30~15:00  2部:15:00~17:00
  場 所:東京海洋大学・越中島キャンパス3号館4階405室
        東京都江東区越中島2-1-6 
  内 容:1部 水中考古学入門講座「水中考古学で知りたいこと」
      2部 ARIUA関東・勉強会「水中文化遺産をめぐる国内法整備の必要性」
      (報告1)国内の関連国内法と埋蔵文化財行政  林原利明(ARIUA理事)     
       (報告2)水中文化遺産保護条約から学ぶもの―国内法整備の必要性 中田達也(ARIUA会員・東京海洋大学准教授)

  その他:参加費は無料で,どなたでも参加できますが,会場準備もありますので,できるだけ事前に参加連絡をいただきたいと思います.もちろん,当日参加も大歓迎で,1・2部どちらか一方への参加も可能です.
 
チラシ(PDF)はこちら

特に第一部では皆様からの質問を元にプレゼンテーションを作りますので、質問をどんどんお寄せください。当日参加されない方でも結構です。その場合、質問はその場で出来る限りお答えしますし、また、連絡先をお答えいただければ後日詳しい情報などもお伝えすることが可能です。

この勉強会の目的は一般の特に水中考古学に関わる可能性が少ないとお考えの皆様を対象としております。これは、世界の水中遺跡の圧倒的大多数が、そのような考古学に全く興味を持たなかった人により偶然発見されているからです。考古学者が水中遺跡を発見するケースはあくまで(最近までは)例外といっても過言ではないかもしれません。つまり、一般の方々にどれだけ水中文化遺産の保護の大切さが浸透しているかが、今後の水中考古学の可能性を見極めるひとつの指標となると考えています。

内容は難しいものではないので、多くの人に参加していただければ幸いです。

イランで水中発掘(アメリカも協力)

ペルシャ湾の有名な港町の遺跡、Sirafで、この度イランの考古学者がアメリカの考古学チームとの協力のもと、水中での発掘調査を行うそうです。

イランとアメリカは政治的に色々問題があるようですが、水中文化遺産を守り、歴史を解明していく考えは一致しているようです。有名な遺跡なので、今後の調査で良い結果を期待しています。

短い記事ですが、今後もっと情報が出てくることを期待しております。

黒海のサーヴェイ:ライブ配信中!

現在、黒海の海底にある沈没船を探すサーヴェイが行われているようですが、ライブ配信をおこなっています。サイドスキャンでのサーヴェイのほかに、ROV(水中ロボット)などを使っています。すでに何隻か沈没船を発見して、それらのハイライトが編集されたビデオで見ることが出来ます。

24時間ライブ放送をしているので、いつ、何が起こるかわかりません。見る時間によって色々な作業をしている場合もありますし、ただ単にサイドスキャンの映像を見ているだけの場合もあります。ですが、もしかしたら、世紀の発見の現場を見ることになる可能性もあります!

黒海は有機物の保存状態が良い状態で残っている可能性が高い場所として知られています。マストなどが立ったまま残っている船なども確認されています。時々のぞいてみてください!

ギリシャの国立博物館 アンティキティラ島沈没船

ギリシャ国立博物館で「アンティキティラ島沈没船」の特別展示が行われているそうです。この沈没船は、今から100年ほど前に発見され、発掘されたものであり、いわば、水中考古学のルーツのような存在の遺跡です。

古代ローマ時代の様々な遺跡が保存の良い状態で発見されています。この当時は、考古学者ではなく、ハードヘルメットを被ったスポンジダイバー達を遺物を引き揚げて、それを陸にいる考古学者に渡していました。今の水中考古学の位置記技術とはかけ離れていますが、まあ、100年前のことですから...

さて、この遺跡の最も有名な遺物といえば、「コンピューター・天体観測装置」です。小さな箱に大小様々な歯車が入った装置ですが、ここまで精密な機械が当時実際に作られていたことが実証されています。同等の技術を持った遺物は類がありません。この機械については、ウィキペディアなどで、読んでみてください。

その沈没船の展示が行われているそうです。時間とお金があれば是非いきたいですね。100年前に発掘された遺跡でも魅力は満載です。リンク先のビデオなども良くできてますので、興味のある人はご確認ください。