水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

南海1号到着!

予定よりも遅れたようですが、南海1号がついにミュージアムに到着したそうです。船を丸ごと引き揚げるのはヴァーサ号、メリーローズ号、ハンリーなどなど幾つかありますが、最新の技術でアジアで沈没船を引き上げて発掘を博物館で行うことには大きな意義があると思います。

今後の調査でも期待が持てそうです。保存処理などもどのように行うか注目です。ちなみに60年代に引き揚げられたヴァーサ号はPEGで処理され、20年以上かかってますし、80年代に引き揚げられたメリーローズ号もまだ保存処理中です。

これから10年以上少しづついろいろなことが解明されていくことでしょう。


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ロシアの湖底から...

ロシア、キリギス山脈にあるIssyk Kul(湖)の底から約2500年前の遺跡が発見されたそうです。

500m以上もある壁や都市のような跡も発見されています。また、青銅の器や金で出来た遺物なども発見されテいるようです。この時代にこの地域にこれだけ優れた「文明」があったことは知られておらず、今後の調査しだいで大きな発見になりそうです。また、この地域はヨーロッパ、アジア、インドなどを結ぶ主要な位置にあり、大陸の歴史に大きく影響を及ばしていた可能性もあるかもしれません。今後の調査に期待が持てそうです。


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キャプテン・キッドの沈没船発見

ドミニカ共和国で沈没船を調査していたインディアナ大学のチームが17世紀の海賊キャプテン・キッドの沈没船を発見したと発表しました。

地元の住民が水深の比較的浅い場所で船の残骸を発見・報告していたものを詳しく調査した結果、歴史文献などと照らし合わせた結果、キャプテン・キッドのものであることが濃厚となったそうです。水深も浅く、岸からも近いにも関わらず遺跡の保存状況が良く、発掘調査を進めていくことにより当時の歴史・考古学に貢献できることでしょう。また、インディアナ大学の水中考古学プログラムは歴史も浅くまだそれほど有名ではなかったので今回の発見を契機に発展させていけることも期待しています。


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南海1号...もうすぐ引き上げ?

中国で引き上げ計画が実行されている南海1号ですが、今年中には引き上げを行う予定だそうです。宋の時代の沈没船で、このサイトで何回か取り上げています。沈没船を丸ごと囲んで持ち上げ、博物館の水槽に移してそこで発掘を行うそうです。

夏から作業が開始されましたが、台風などにより延期が続いていました。また、予想以上に硬い地層が沈没船の下にあったため、作業が難航しています。

ちなみに、中国に水下考古学チームは10件以上の沈没船を発見しています。


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ドイツでローマ時代の船発見!

ドイツのライン川の町、Cologneでローマ時代の船が発見されたそうです。(水中ではなく陸上で)貨物などを運ぶ平底の川舟で、22-23mほどの長さで、幅は3.5mほどだったと考えられています。炭素年代は142BCだそうです。2011年までには保存処理を終え、展示することが決定しています。


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イギリス 水中(海事)文化・考古学プロモーション

Wessex Archaeologyのチームが地域の学校などの教育機関を通して海事文化の普及をプロモートするために新たに£50,000 ほどの予算をかけて行われます。これらの研究を一般、特に学生に親しんでもらおうとレクチャーシリーズなどを行うそうです。

イギリスのWiltshire、 Dorset、 Somerset、Gloucestershireを中心に行われます。近年のサーヴェイ機器の発達によりこの地方の海事文化がかなり解明されてきています。海、川、運河などは道路や鉄道などと結びついて国の歴史に大きく貢献してきました。また、船だけでなく石器時代などの水没遺跡の調査も進んでいます。

現在考古学調査で使われている精密機器のなかで特にハイテクなものが水底面を映し出すことが出来るサーヴェイ機器などです。これらの機器を駆使し得ることができた新しい情報を地域に紹介するそうです。


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J. Richard Steffy

残念なお知らせですが、11月29日早朝(2時)J.Richard Steffy氏がお亡くなりになられました(享年83歳) 水中考古学の父といえばGeorge Bass博士が有名ですが、「船の考古学」といえばSteffy氏が先駆者で、船体構造哲学の基礎を作り上げた先生です。彼はBass博士とともにTexas A&Mで水中・船舶考古学を教えていました。Steffy氏は特にキレニア号の研究で有名であり、また、他の沈没船の研究でこの分野の基礎を築きました。

1990年代に引退した後も、精力的に研究活動を続けていました。

東南アジアと台湾 ヒスイと航海

The Australian National University in Canberra の研究者が東南アジアの遺跡から発掘された幾つかのヒスイの分析を行ったところ、そのほとんどが台湾産であることが判明したそうです(144件中116件)。

特にフィリピンで発見されたものは3000BCの遺物もあり、今までは中国かベトナム産だと考えられていたそうです。これらのヒスイの産地が判明しましたが、誰がどのような船でこれらを運んでいたのかは今後の研究の課題ではないでしょうか?


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セミナーのご案内

12月15-16日に福岡で水中考古学のセミナーが行われます。
15日はオーストラリアから著名な考古学者が参加され、オーストラリアの海事考古学の現状、そしてユネスコ水中文化遺産保護法案についてなどを中心に見ていきます。16日はアジア水中考古学研究所主催で海底ミュージアム構想の成果などについての発表です。

世界の考古学に触れられるまたとない機会です!ぜひお気軽に参加ください!

案内1

案内2

バルト海でほぼ完全な沈没船発見

ほとんど完全な姿をとどめた沈没船がバルト海で発見されたそうです。17世紀の商船であると考えられ、同時期のヴァーサ号を彷彿させる(もしくはそれ以上?)保存状態にあります。300年以上古い船がこれほど保存状態が良好な状態で発見されるのは珍しいことです。リンク先で映像を確認してみてください。まだ詳しくは調査されていませんが、オランダ船籍であると考えられています。

水温が冷たく酸素濃度に低いバルト海はバクテリアの活動が抑えられていることやフナクイムシなどがいないため木材が比較的残りやすい状態にあります。水深125mの地点で発見されたそうです。


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