水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

東南アジアと台湾 ヒスイと航海

The Australian National University in Canberra の研究者が東南アジアの遺跡から発掘された幾つかのヒスイの分析を行ったところ、そのほとんどが台湾産であることが判明したそうです(144件中116件)。

特にフィリピンで発見されたものは3000BCの遺物もあり、今までは中国かベトナム産だと考えられていたそうです。これらのヒスイの産地が判明しましたが、誰がどのような船でこれらを運んでいたのかは今後の研究の課題ではないでしょうか?


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セミナーのご案内

12月15-16日に福岡で水中考古学のセミナーが行われます。
15日はオーストラリアから著名な考古学者が参加され、オーストラリアの海事考古学の現状、そしてユネスコ水中文化遺産保護法案についてなどを中心に見ていきます。16日はアジア水中考古学研究所主催で海底ミュージアム構想の成果などについての発表です。

世界の考古学に触れられるまたとない機会です!ぜひお気軽に参加ください!

案内1

案内2

バルト海でほぼ完全な沈没船発見

ほとんど完全な姿をとどめた沈没船がバルト海で発見されたそうです。17世紀の商船であると考えられ、同時期のヴァーサ号を彷彿させる(もしくはそれ以上?)保存状態にあります。300年以上古い船がこれほど保存状態が良好な状態で発見されるのは珍しいことです。リンク先で映像を確認してみてください。まだ詳しくは調査されていませんが、オランダ船籍であると考えられています。

水温が冷たく酸素濃度に低いバルト海はバクテリアの活動が抑えられていることやフナクイムシなどがいないため木材が比較的残りやすい状態にあります。水深125mの地点で発見されたそうです。


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DNA 古代の貿易を再現

MITとウッズホール研究所が2005年にギリシャのChios沖で2400年前の沈没船を水深80mの地点で発見したニュースは以前にもお伝えしました。

http://www.nauticalarchaeologyjp.com/ja/article/news/20060202324.html

今回、このときサンプルとしてアンフォラを引き揚げたそうです。アンフォラはからでしたが、実験的に内側からDNAのサンプルを取ってみたところ、オリーブなどのDNAが付着していたことがわかりました。

水中でも長い間DNAが土器などの内側表面に付着していることが今回証明され、今後今までに発掘された遺跡からでもより詳細な積荷の情報が得られることでしょう。


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水中考古学研究所

去年、田辺昭三先生が亡くなって依頼、活動を休止していた「水中考古学研究所」が、NPO法人(特定非営利活動法人)化して1年半ぶりに活動を再開するそうです。

坂本龍馬の「いろは丸」の調査などの経験があり、瀬戸内海での調査を中心に活動を行っていくそうです。

水中文化遺産ネットワーク

NPO文化財保存支援機構-水中文化遺産ワーキンググループのブログのページです。日本国内で水中文化遺産の保護、保存処理への理解を深めるために作られた団体で今後各方面で活躍・活動を進めていくようです。また、水中文化遺産保護と同時に海洋文化・海事思想の普及も活動方針として掲げられているようです。

ピラミッドの石材の運び方?

古代エジプトにおいて1000トン以上ものオベリスクやピラミッドの石などをどのようにナイル川まで運んでいたのか?今までの定説では人間の力で引きずってナイル川まで運んでそこから下流は船で運搬し、川からまた建築現場まで運んだと考えられてました。しかし、ピラミッドの周囲や石切り場にまでも運河・水路跡が発見されており、石切り場から建築現場までほとんど船で運んだと考えられます。ナイルの氾濫する前に運搬用の船の上に載せることが出来ればあとは比較的楽に石材を遠くに運ぶことができました。エジプト文明は船(そしてナイル川)があってからこそ発達した文明だといえます。


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水中考古学に関するシンポジウムの開催

2007年12月16日に福岡市博物館で水中文化遺産と考古学に関するシンポジウムが開かれます。

1.開催目的
アジア水中考古学研究所は1986年設立以来北部九州や五島列島で水中調査を行ってきた。また国内外のシンポジュウムなどに参画して、日本の水中考古学の普及に努めてきた。今回のシンポジュウムは海底遺跡を野外ミュージアム化し、広く公開する「海底遺跡ミュージアム構想」の実現に向けて、水中文化遺産と水中考古学の存在と意義をより深く理解してもらうことを目的としている。

2.シンポジュウムのテーマ
水中文化遺産と水中考古学-海底遺跡ミュージアム構想の実現に向けて-

3.日程
2007年12月16日(日) 午前10時~午後5時

4.会場
福岡市博物館講堂

5.入場料
無料(資料代別)

6.シンポジュウムの構成
1)第1部 基調報告

石原渉「中世考古学における水中考古学の意義」
David Nutley「オーストラリアの海事考古学」

2)第2部 テーマ「海底遺跡ミュージアム構想」

野上建紀「海底遺跡ミュージアム構想」
塚原 博「小値賀島と海底遺跡」
宮武正登「小値賀島前方湾海底遺跡の調査」 
林原利明「前方湾海底遺跡見学会」
小川光彦「鷹島海底遺跡」
吉崎 伸「推定いろは丸の調査」
Ross Anderson「水中遺跡の現位置保存とパブリックアクセス」

3) 討論会(コーディネート:林田憲三)

7.主催・後援

1)主催 アジア水中考古学研究所
2)共催 AIMA
3)助成 日本財団、豪日交流基金

8.事務局
〒810-0001 
福岡市中央区天神4丁目5-10 チサンマンション第2天神1110号
アジア水中考古学研究所事務局 Tel.& Fax.092-725-01

ナイル川の遺跡調査

ナイル川の本格的な水中考古学サーヴェイが行われるそうです。アレキサンドリア水中遺跡の調査団長とエジプト考古学の権威ザヒ・ハワス先生が指揮を取るようです。アスワンとアバイドス間を主に調査するようです。GPS連動のサイドスキャンソナーを使って調査をします。

海水と違い淡水は保存状況が良いのと、ナイルの泥が遺物を保護している可能性があり、大型の船やオベリスクを運んだ船などが発見されることが期待されます。


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水中考古学 掲示板

水中(海洋)考古学のディスカッショングループ「Sub-Arch」についてはリンクでも紹介してありますが、ここ最近になりいろいろと書き込む人が多くなっているようです。

海洋考古学のあり方についてなど盛り上がっているようです。ほとんどすべて英語なのが残念です…興味のある人はのぞいてみて下さい。