水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

ユネスコが水中文化遺産保護と海事考古学に関するトレーニングをスリランカで開催

2007年4月1日から7日にかけて、スリランカで”Cultural Impact Assessment & Maritime Archaeology” が開催されます。The UNESCO-ICCROM Asian Academy for Heritage Managementという組織が主体となって、水中調査と水中文化財の保護について考えるトレーニングプログラムを実施します。Asian Academy for Heritage Management(AAHM)はユネスコ太平洋アジア地域を管轄するバンコクに置かれている国際組織です。トレーニングプログラムにはAAHMに所属する組織にいるメンバーかAAHMにメンバー登録をすれば参加可能なようです。

トルコ軍艦 海底探査

現在、和歌山県串本沖でトルコ船籍の軍艦を探査中です。1日かけて約1km x 1km の海域をマルチビームで探査を行いました。データ処理を行えば3Dで復元が可能。このデータをもとにどこで目視確認を行うかを決める。潜水調査は12日から25日までの予定。

潜水チームはテキサスA&M大学のジャマル教授、トルコから2人、そして私の計4人。他に日本人の地元のダイバーも潜る予定。詳しい情報は時間があるときにアップデートします。(現在調査中でなかなか時間が取れません)


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INA IN JAPAN (トルコ軍艦 串本)

Texas A&M 大学のINA(Institute of Nautical Archaeology)こと海事考古学研究所と同研究所トルコ支部が現在日本で水中調査を実施しています。これは1890年に和歌山県の串本で沈没したトルコ軍艦エルテュールル号(Ertugrul)の調査です。以前Newsなどでお知らせしました。詳しい内容や写真などはお知らせか別のコーナーで書きたいと考えています。

この調査の内容をブログ形式でお伝えしてるサイトをご紹介します。このサイトはINAが中心となり作っています。未だ日本語がないのが残念ですが...

沈没船から発見されたコインの売買

デラウェア州の大学が所蔵・管理しているスペインのコインをオークションにかけて販売する予定だそうです。その利益を大学などの運営資金・奨学金などに当てる予定だそうです。これに対して海洋考古学者が反対を示しています。これらのコインはthe Nuestra Señora de Atocha 号(1622年沈没)から引き上げられたもので、大学側がゆずりうけたもので、法的には遺物としての保護などから対象外とされています。しかし、同時代の陸から発見された遺物などは保護の対象となり売買が禁止されています。そのため、海洋考古学者が水中に眠る遺物や遺跡にも同等の保護が与えられるよう活動を行っています。(幾つかの水中遺跡は国からの保護を受けていますが、保護を受ける以前に盗掘された遺物に関しては保護されません)このようにいろいろな問題がありますが、ひとつずつ解決していくほかありません。


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海事文化遺産の保護

先日、ブッシュ大統領がミシガン州の灯台の保護を目的とした条約を制定しました。このLighthouse Protection 条約ではミシガン州にある灯台の保護と整備、そして観光資源へ活用が行われます。この他に海事・海洋博物館を充実させることや沈没船の保護も含まれており総合的な海洋文化保護への取り組みとなります。州は国などからも補助金を受けることになり、新たに整備を行い観光収入も期待できるとのこと。この条約をもとに他州でも同じような取り組みが行われれば良いでしょう。


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2006年そして来年は?

この時期は毎年その一年を振り返るのが慣わしのようですね。そこで、2006年の水中(海洋)考古学を振り返ってみたいと思います。最初はトップ3ニュースから。

第1位はなんといってもイランで沈没船発見、そして国の事業として水中考古学研究所を立ち上げる計画がでたことでしょう!日本もイランには負けてはいられない状態になってきているのでは?

第2位は中国の動きが活発になったことではないでしょうか?南海1号の引き上げ計画、そして新しい博物館の工事が進んでいます。蓬莱船(山東省)で韓国の船も含め沈没船が複数発掘されています。また、雲南省の湖で発見された石造構造物なども。

第3位は候補はいろいろありましたが、個人的には日本の情勢をまとめてひとつのニュースとしてみました。ことし始めの世界考古学会議では水中考古学関連の論文発表やポスターがありました。夏には京都で第1回海洋考古学セミナー、その他東京海洋大学が積極的に水中考古学に取り組み、実際にクラスなどが組まれていることなど。今後調査報告がなされるであろう長崎県小値賀での調査、千葉県でのサンフランシスコ号、その他太平洋を渡った古伊万里焼きなどありました。また、田辺昭三先生が亡くなられたことは悲しいニュースのひとつですが、日本水中考古学の新たな転機を示しているのではないでしょうか?


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ヴァイキング船を動かす…

考古学者、歴史学者、さらには北欧を旅したことがあるならご存知でしょうが、オスロの博物館にはヴァイキング時代の発掘された船がいくつか展示されています。外板がよろい張り(クリンカー)で作られたヴァイキング船は映画や写真などでも良く見かけます。Osebergの船は特に有名でしょう。
約1000年以上も前に作られた船が現在の博物館から移動することが検討されています。首都にある博物館のほうが交通の便が良く、また入場者数も多いことが移動の利点です。19世紀から20世紀にかけて発掘された船は保存処理を施されましたが、当時の技術ですから発掘以降劣化が進んでいます。現在のテクノロジーで保存は可能ですが、専門家はこの移動の際に一部壊れたりしないかと移動に反対を示しています。北欧(特にヴァイキング)の文化は船なしには語れなく、発掘された船は貴重な遺産として親しまれています。移動中にもしものことがあれば大変です。慎重にいろいろな方法を考え、もしくは移動が本当に必要かも考えなければなりません。


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水中写真家

やっぱり写真はいいですね。最近ちょっと知った写真家の赤木正和さんのウェブサイトの紹介をします。世界的にも活躍しているようです。

海洋考古学に興味のない方もご覧ください。

金属の保存処理 電解液

[ 問題 ]

金属の保存を行う場合、電解液を使い還元する方法(ER)を使います。このとき使う電解液は?ヒントは最新のアップデート記事の中にあります。

  1. ゲルマニウム水溶液
  2. 炭酸ナトリウム
  3. セスキ水酸化ナトリウム
  4. 塩酸
  5. ポリ酢酸メチルアルコール


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イラン海洋考古学研究所設立

このサイトで度々紹介しているイランで発見された沈没船に関連して、今度イランでは水中(海洋)考古学研究所を設立するそうです。これにはSouth Pars Oil 社が主に資金を提供するそうです。

この地方でこのような研究所ができることは初めてで、アラビア半島でも本格的な調査がスタートしたことを意味しています。


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