水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

中国の船の絵

[ 問題 ]

中国、宋の時代に描かれたもので、船の絵(河船)が見事に細部まで丁寧に書き込まれています。この作品は張択端の作品と言われています。とあるお祭りの様子を生き生きと描いていることで有名です。

  1. 宋祭河船記
  2. 唐舶記聞
  3. 清明上河図
  4. 天工開物
  5. 東方見聞録


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水中ロボフェスティバル開催!

日本の様々な研究機関や専門家が集まって日本の水中ロボットのコンテストが行われるようです。詳しい情報はリンクをご覧ください。

インドでもまたまた水中考古学

インド国家の水中考古学グループがアンフォラなどローマ(地中海)特有の遺跡を水中サーヴェイ中に発見したことはこのサイトでも以前にお伝えしました。5-6世紀以降においても遺物が発見されており、ローマが衰退したあとも地中海の品々が運ばれていた可能性があることが指摘されています。
11月以降にインド海軍などと協力し本格的に調査を行うそうです。インドの西海岸に重点を置いており、グジャラト地方などを中心に調査されます。

ペルシア湾でイラン水中考古学チームがササン朝ペルシア時代の沈没船を発掘

Iran’s Cultural Heritage and Tourism Organization (ICHTO) and Archeology Research Centerが中心となって、ペルシア時代の沈没船を発掘調査する計画があるそうです。沈没船は70mの水深にあるようで、アラブ首長国連邦より技術面での協力を得てプロジェクトが進められるようです。

九州国立博物館 『海の神々』 – 捧げられた宝物 - 

もうすぐ会館1周年を迎える九州国立博物館で、特別展『海の神々』 – 捧げられた宝物 - が企画されています。 10月8日から11月26日まで展示されています。

海洋考古学は人類学的アプローチも広く取り入れているため、海の信仰は重要なテーマの一つです。神々・信仰が船のルート、船に持ち込むモノ、そして船の作りにも影響を及ぼしているかもしれません。また、海の神々にささげられた宝物などが展示されるそうです。

展示内容は下記のとおりです。

1章 海から生まれた神

海人(アマ)あるいは海部(アマベ)と呼ばれた古代の海の民は、海に住む神霊を祭っていました。『古事記』・『日本書紀』(記紀)では、黄泉の国からもどったイザナギがミソギをした時にワタツミ(綿津見)神とツツノヲノ命が海から出現したといいます。ワタツミノ神は海人族の阿曇氏の氏神であり、ツツノヲノ命は住吉神とも呼ばれ、航海の守護神でもありました。

2章 海上の守り神

海の民の中からは航海を生業とする人々も現れました。記紀では宗像三女神が航海の守護神として生まれました。海上交通の要衝にある沖ノ島や厳島は、島そのものを航海の神として祀られています。また灯台のように目印となる山も信仰の対象になりました。金比羅神はその代表でしょう。また、近世には宝船の絵とともに七福神が流行ります。恵比寿は鯛を抱えた姿で親しまれる漁業の神、弁財天も水辺に祀られ、ともに福運の神と崇められています。

3章 海神の伝説

伝説でよく知られているお話しが、浦島太郎と海幸彦・山幸彦の物語でしょう。記紀によれば、ヒコホホデミノ命(山幸彦)がシオヅツノ翁の助けによって海神の宮へ赴き、海神の娘トヨタマ姫と結婚します。そこで釣針と糸や塩満瓊と塩涸瓊を手に入れて、兄のホスソリノ命(海幸彦)を降伏させたのです。シオツツノ翁はツツノヲノ命と同じ神と考えられ、神功皇后の伝説でもツツノヲノ命が助力しています。

4章 外来の神

媽祖とは、中国の沿海民から絶大な信仰を集める航海の女神です。航海中はその神像を必ず同伴して供養し、航海安全を祈りました。九州でもかつて中国人貿易商たちの活動が活発だった地域に媽祖像が伝来し、今も篤く信仰されています。

5章 海の彼方のユートピア

沖縄をはじめ南島では、海の彼方にやすらぎに満ちた楽土(ニライカナイ)があり、そこは祖先の原郷という信仰があります。沖縄ではこのニライカナイの神が、海を渡ってやってきて豊穣をもたらすと考えられています。この信仰は太平洋の島々に広がってもいます。

まだ九州国立博物館へ行ったことが無い人はこの機会にどうぞ。一度行ったことがある人もまたどうぞ。常設展も多少の入れ替えを行っているそうです。


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Journal

[ 問題 ]

The International Jounal of Nautical Archaeologyは海洋・船の考古学を代表するジャーナルです。さて、このジャーナルはどこの国が発行しているのでしょうか?

  1. 日本
  2. アメリカ
  3. ドイツ
  4. イギリス
  5. フランス


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ノースカロライナ州ミュージアムで沈没船トーク

海賊黒ひげの船、the Queen Anne’s Revengeの発掘調査を行ったChris Southerly先生がノースキャロライナのRaleighで公演を行います。10月11日、12:30から行われます。

公演の内容は海賊黒ひげの沈没船のほか、ノースカロライナ州の海洋考古学の成果と現状についてです。1967年から州立の水中考古学機関が設立され、以後5000件ほどの水中文化遺産が発見・登録されています。そのうち、約800件の遺跡が詳細な調査・発掘が行われています。


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メキシコ湾の深海油田と考古学

つい最近、メキシコ湾の海底6000mからの油田の発掘にアメリカ・シェブロンが成功したと伝えられました。以前から幾つものオイル・リグがメキシコ湾にあり、幾つかはタンカーで運ばれるか、だいたいは海底のパイプラインを使って陸まで運ばれます。
実は、この海底パイプラインの設置の事前調査が義務付けられています。そのため、メキシコ湾ではオイル会社と水中考古学者は密接な関係を保っています。現在までに約2000件の水中文化遺産がパイプラインのためのサーヴェイで発見されており、これらは法律により保護され、盗掘から守られています。
ただし、これらの遺跡は発掘されることはほとんどありません。パイプラインの通路を変えればよいわけですから。それぞれの文化遺産の位置、年代、特徴などが記録されデータベースに保存されます。水中、特に深海では遺跡が破壊されることが少なく、有機物の保存も良好であり、お金をかけて発掘することなく現地保存が可能です。的を絞った小規模な発掘が行われることが多く、メキシコ湾の交通の歴史の解明にオイル会社が大きく貢献しています。

「人と水」

興味を引かれる公演です。「人と水」「人と海」などは水中考古学のテーマでもあります。

「人と水」探る、15日から講座
北区、地球研
 総合地球環境学研究所(地球研、京都市北区上賀茂本山)は15日から、京都を中心に人と水をめぐる話題を紹介する連続講座、「人と水」連携塾を開催する。大学共同利用機関法人・人間文化研究機構に所属する地球研など5機関で昨年から進めている連携研究「人と水」の研究メンバーが講師となり、歴史や民俗、文化、食などの話題で、人と水について語る。

 15日午後2時からは、地球研で秋道智彌教授が「『人と水』研究のおもしろさ」と題して講演。以降は10月から来年2月までの毎月1回土曜日に、同志社新島会館(上京区)で開催。「京都の酒と湧水」「水と信仰」などのテーマで地球研と国際日本文化研究センターの研究者が講演する。

 受講料6300円。申し込み先着80人。申し込みは「人と水」連携塾事務局TEL075(707)2417へ。講師や日程などの詳細は地球研ホームページ。

ウルブルン復元船がまた沈む?

世界最古の発掘された沈没船、ウルブルン(紀元前1300年頃)の復元船がトルコで作られ航海実験が行われました。この復元には地元や地方の自治体などの協力により成功に終わりました。
この復元船を今度は海底に沈める予定があるそうです。そこでは考古学者の海底作業トレーニングを行うとのこと。また、発見された遺物などのレプリカも作るそうです。この現場にはダイビングができれば観光として作業を見学したり、沈没船を見ることができるように計画中。あまり、レプリカを海底に沈めるのは聞いたことがないので非常に面白い取り組みですね。


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