水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

ヴァイキングの船 復元

1960年代にデンマークのロスキルダの近くで見つかったSkuldelev遺跡から発見された船のうちのひとつが2007年に復元されるそうです。この船は1042年ごろアイルランドのダブリンで作られたそうです。

この船は約70人で漕ぎ、他にも30人ほど乗せることが可能(計100人のり)だそうです。200人ほどのボランティアを使い7月にデンマークを出発、アイルランドへ行き、そして又デンマークに戻るそうです。


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スロベニアの川底に眠る遺物

スロベニアのLjubljanica川の底にローマ時代の遺物が多数発見されています。何かの理由で沈められたものであると考えられています。まだ正式に発掘は始まっていません。地元のダイバーなどが遺物を引き上げ博物館などへの提供を拒否しているようです。National Geographic Magazineに記事が出ているようです。


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「エルトゥールル号」の調査

1月より和歌山県串本で1890年に沈没したトルコ軍船の調査を行います。詳しい内容はここで行っていきたいと考えています。まだトルコから正式に発表の許可などが出ていませんが調査の様子なども出来るのであれば報告いたします。


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船型の墳墓について

先日お伝えした舟形の棺ですが、当初報じられた内容から訂正および追加がございます。

どうやらこの墳墓は2500年前ぐらいのもの、中国の戦国時代のものであるそうです。青銅の遺物が多数出土しています。また幾つかの青銅器は湖南省あたりに見られ物もあり、貿易のルートが長距離に渡っていたのか、人々の移動が多かった(長かった)ものと見られています。船の形に作られた木製の棺の中に遺体と埋葬品を入れ、大きな盛り土をしているそうです。舟の形をした棺は中国でも幾つか発見されていますが、珍しいそうです。ここで埋葬された人々は舟と特別な関係にあったのでしょう。

なぜか日本語のニュースが見つかりません… 


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マレーシアで沈没船から引き揚げらた遺物の大々的な売買

10世紀から19世紀の計9隻の沈没船から引き揚げられた陶磁器類などが、公の場で売りに出されるようです。売りに出される遺物類はトレジャーハンターによって回収されたもののようです。陶磁器類を出展しているのは、marine archaeologists海洋考古学者とありますが、最終的な売買を目的として水中からの引き揚げ作業を行った者は、考古学者とは定義されません。

船形の墓

中国北部の陝西で約1300年前(唐の時代)の墓が見つかりました。これは船の形をしており珍しい発見だそうです。この地方の有数な貴族のものだったと考えられています。貴族と船の関係など面白そうです。

日本語の記事、写真などがある方はお知らせください。


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水中で錆びていく前に

真珠湾の底に沈んでいるUSSアリゾナは戦争の記念碑として残されています。しかし、この軍艦にはまだ燃料であるオイルが詰まれており、そして遺骨も残されています。ばらばらになっているところもあります。

この船体にどんどん錆が付着しており、時間が経つにつれ崩れていきます。問題はこれをどのように維持していくかです。船体に微電流を流すことも可能ですが、ばらばらの部分までは届かず、そして船体内部はどのようになっているか調査されていません。

今後このような戦争遺跡の保護が重要な研究対象となっていくのではないでしょうか?戦艦大和なども現在は水中に残っていますがどんどん崩れていくことは確実です。大きな遺跡は引き上げることは出来ないので現状をどのように保護するのか?水中考古学の重要な課題です。


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旧日本軍小型潜水艇が文化財として指定を受ける

先に報道されていたシドニーで発見された旧日本海軍の小型潜水艇が、ニューサウスウエールズ州政府によって法的に保護措置が取られました。周囲500メートルは立ち入り禁止であり、違反した場合は罰金刑か禁固刑が科せられるようです。

ギリシャの海洋考古学者がイランで協力調査

最近話題となっているイランのササン王朝時代の沈没船(日本ではちょうど弥生時代ごろに相当します)は水深70mよりも深く、一般のダイバーでは発掘が困難です。イランではまだ水中考古学がそれほど発達していないのでギリシャと合同調査をすることが決まったそうです。

ギリシャの水中考古学チームから技術などを学んだ後、イラン国内でも水中考古学を積極的に取り組むことが進められるそうです。いつまでも外国に頼るようでは自国の考古学の成果にはつながらないので、この調査に前向きに取り組んでいるそうです。


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100年前に発掘された沈没船 まだ謎が...

約100年前にギリシャでスポンジダイバーなどの協力のもと65BCに沈没したと考えられる沈没船を発掘しました。(この当時ですからほとんど遺物の回収のようなものでしたが...)このときに青銅のとある遺物が引き上げられましたが、精巧なメカニズムで作られており、時計のような形をしており、天体観測に使われたと考えられています。この機械を使い日食や月食などの起こる日時を割り当てることができたのではないかとも言われています。

このような精巧な技術と天体の知識はこの当時としては早すぎるのではといわれています。水中から発掘されてから100年以上たった今、現在の技術を駆使してこの謎の道具の正体に迫ろうとしています。イギリスの科学誌ネイチャーの記事を見つけました。