水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

アジアで進む水中文化遺産の保護

ここ1-2年の間にアジアでもどんどん水中文化遺産保護の動きが高まり始めています。韓国や中国はもちろんですが、一見すると経済的に水中文化遺産をマネージメントするのは難しいのでは?と思える国も進んで水中の文化遺産の保護を国の政策として打ち立てています。

今日は、ここ1ヶ月以内ほどに入ってきたアジアでの水中文化遺産保護の動きについて書かれた一般ニュース記事を集めてみました。どの国も「現状維持」をベースにマネージメントを強調しているのが特徴といえます。水中考古学はお金がかかるというイメージがありがちですが、ユネスコなどが打ち出している水中文化遺産の保護はどれも遺跡のマネージメントで現状での保存を最優先しています。つまり、お金がそれほどかからないことになります。発掘をするという考古学のパラダイムから遺跡をどのように保護・管理しながら情報を得るかというパラダイムへの返還が顕著に見て取れるのではないでしょうか?

 

それでは、最初にスリランカから。

Daily Mirrorからの記事を少し解釈を加えて解説します。元の記事はこちら。No salvaging of wrecks

記事を読む限り、国として方針が定まったように感じられます。また、”strictly implement the law against any form of salvaging of ship wrecks”とありますので、すべての沈没船において(遺物などを持ち去る行為を)禁止することになったようです。沈没船などは良い漁場にもなりえるので、そのことも評価されているようです。ただし、沈没船はダイバーからの観光収入もあるので、沈没船ダイビングについてはOKが出ているようです。現在のところ、スリランカ周辺では約50隻の沈没船が確認されているとのこと。

ひとつ興味深いのは、「コマーシャルダイバーが沈没船を調査することを禁止したわけではない」こと。ただし、遺物を持ち去ることは出来ない。また、引き揚げは国からの許可・指導を受けないと行えないそうです。ユネスコのスタンダードに沿った政策のように感じられますね。ただ、沈没船のパトロールなどを行わないといけないかもしれませんね。まだ多少解決していクべき問題はあるでしょうが、大きな一歩を踏み出した様子です。

 

さて、次にインドネシアはこちらの記事から。Indonesia’s Shipwrecks Mean Riches And Headaches (PHOTOS)

Huffingtonpostからですが、写真などが幾つかあるので、ご覧ください。

インドネシアは現在までに、国が把握しているだけでも500隻ほどの沈没船が確認されています。9世紀のインド洋からの船で中国と貿易をしていた船や、ジャンク船、ヨーロッパの船など実に様々です。2010年に水中文化遺産を保護する法律が出来るまでは、サルベージ会社(トレジャーハンティング)が介入し、国の合意の上(賄賂が横行していたようです)で遺物などを売買していました。しかし、今日ではこれらの行為が違法とされているようです。これまでに国に届出をせずに盗掘された沈没船もあるでしょう。インドネシア周辺の海には1万隻ほどの沈没船がまだ残されている計算もあるようです。

しかし、国の管理などが行き届いていない面もあるようです。漁師などが遺物を引き揚げて売ることはごく一般的に行われているようです。なかなか漁師すべてに禁止令を出したりパトロールをするなど課題は残されているようです。

 

それでは、最後に台湾から。Taiwan Todayからの抜粋です(記事ID Publication Date:03/09/2012)

日本語のニュースなので、抜粋をご覧ください。台湾については個人的な意見は書きませんので、読者のみなさまの自由な意見でお考えください。

台仏水中考古学協力で、海洋文化遺産の保護へ

行政院文化建設委員会とフランスの水中・海底考古学調査部は6日、4年を1期とする、「台湾・フランス水中考古学協力行政協議」を締結すると共に、座談会を開催した。文化建設委員会資産総管理処準備室では、水中文化遺産の保存・メンテナンスおよび宣伝は世界各国が日増しに重視しつつある課題であることに鑑み、澎湖島から台湾海峡にいたる範囲における水中文化遺産の長期的な調査作業に積極的に取り組んでいる。

同準備室ではまた、法令の制定で水中文化遺産を破壊や盗難から守り、関連の歴史文献の収集などで研究を助けられるよう期待。専門的な実験室と修復室を設けて引き揚げられた遺物の保存と修復を行うと共に、海底調査や撮影、発掘、修復の専門人員の育成にも努める。同時に、海洋文化遺産に対する国民の認識を向上させ、特に「それぞれの場所での保護」と「盗難防止」などの国際的な観念の普及を進めて世界との連結を図る。

(中略)

...当時、南シナ海と台湾本島、澎湖島、東南アジア諸国、日本、朝鮮の間の「アジアの地中海」で頻繁な海上貿易があったことの証拠である。古代において台湾は「海のシルクロード」の重要な拠点の一つであり、豊富な水中文化遺産に対する研究と保護が待たれている。

 

 

 

 

 

本の紹介

今日は本の紹介です!東京海洋大学の岩淵先生が書かれた水中考古学のちょっとした専門書です!日本では本当に数少ない水中考古学の本です、是非ご購入検討お願い致します!

 

放射性廃棄物とローマ時代の沈没船

以前に放射性棄物の保管・安全性の確認に沈没船が使われる理由の記事で、アメリカなどの研究者が中心となり、ローマ時代の沈没船から発見されたガラスを研究していることをお知らせしました。これは、考古学の研究ではなく、ガラスの耐久性を調べて、廃棄された放射能物質の保管に本当に適しているかを調べる研究です。ガラスは少しずつ劣化していくので、現在のガラスが本当に何千年も危険な物質の保管に適しているのかを調べる方法はなく、あくまで、推測することしかできません。しかし、実際に古代のガラスでしたら自然環境の中でどのように変化したか判るわけですから、より現実的な「実験」といえるのではないでしょうか?

さて、atom probe tomography systemという機械を使うそうですが...分子トモグラフィーとでも言いましょうか、日本語訳はまだ調べていません。ちなみに、英語版ウィキぺディアには多少システムの説明があります。簡単に説明すると、物体の構造を分子レベル(に近い)状態でみることができるという機械だそうです。CTスキャンとXRF(蛍光X線分析)を足したようなものでしょうか?

まだ研究は初期段階だそうですので、これからもっと情報が出てくればここでも紹介していきたいと思っています。今のところ、マグネシウムの層が2ナノメーターほど分離しているのが確認されたそうです。それが何を意味しているのか、ちょっとわかりませんが、ガラスの耐久性に影響するのでしょう。

このテクノロジーは考古学の研究にもどんどん使えそうですね。まだ値段は高いようです。ですが、このような研究は人々の将来(これから何千年後)の生活を守るためには重要なことだと感じます。特に、放射能に関しては「漏れない」とか「危険ではない」といわれても、千年後は大丈夫?のような質問にはなかなか答えられないでしょう。そこで、沈没船から得られた考古学遺物が役に立つのは非常に有意義なことだと思います。

なによりも、ローマ時代の沈没船から発掘されたガラスを放射線物質の管理状況のテストに使うという発想には驚きです。それだけ沈没船の研究というテーマが海外では研究者や一般の人に知られているといことも意味しています。

 

今週もまとめてニュース

今週も親友のWendyさんからニュースがまとめて送られてきました。
先週も書きましたが、このニュースフィードを(ほぼ)毎週受け取りたい方は下に記してあるメールで直接申し込むか、ご連絡ください。
ニュースで読める世界の水中考古学の動向を知るには現在のところ一番の方法と言えるのではないでしょうか?
1. Neanderthals were ancient mariners:
http://www.newscientist.com/article/mg21328544.800
3. Aquatic robot audits Australian seabed health:
http://www.cosmosmagazine.com/news/5363/aquatic-robot-audits-health-seabed
4. HMB “Endeavour” makes port in Adelaide [blog by Cassandra Morris]:
http://flindersarchaeology.com/2012/02/21/hmb-endeavour-makes-port/
5. Pearling lugger photogrammetry [Michael Gregg at work]:
http://museumvictoria.com.au/about/mv-blog/feb-2012/pearling-lugger-photogrammetry/
8. “Cutty Sark” in Greenwich to be reopened to the public:
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-17233100
10. University of Southern Denmark’s Maritime Archaeology Program theses on-line [Jay!]:
http://www.maritimearchaeology.dk/?p=1130
12. The Netherlands and Germany will jointly nominate the Limes Germanicus as a UNESCO World Heritage Site [including Roman shipwrecks]:
http://www.rnw.nl/english/bulletin/german-dutch-roman-heritage-preserved
15. Flag Fen archaeology idea brings in public to dig deep [wetland archaeology]:
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-17211285
23. Platinum plunder or fool’s gold? [commercial salvage]:
http://www.capecodonline.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20120226/NEWS/202260342
26. A Spanish treasure goes home: After many court battles, sunken ship’s contents are returned:
http://www.washingtontimes.com/news/2012/mar/1/a-spanish-treasure-goes-home/
28. Score a half-billion-dollar Win for Spain, but treasure hunters vow to keep digging [commercial salvage]:
http://blogs.browardpalmbeach.com/pulp/2012/03/sean_fischer_treasure_hunters.php
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Wendy van Duivenvoorde, PhD
Lecturer in Maritime Archaeology
Department of Archaeology | Flinders University
GPO Box 2100 | Adelaide, SA 5001 | AUSTRALIA 

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このウェブサイトの秘密を教えます...

水中考古学はマイナーというイメージが日本ではありますが、世界ではそんなことはありません。私が情報発信を行っているのは、常に新しい情報が入ってくる水中考古学の氷山の一角にしかすぎません。その中から選りすぐりの情報・記事をお知らせしております。今日は皆さんに、私がどうやって水中考古学の最新情報を集めているかお知らせいたします。ようは、このサイトのネタをばらしてしまうことです。
最初に、私の旧友であるWendyさんが毎週世界の水中考古学ニュースを集めて配信するサービスをおこなっていますが、今日はその紹介です。下にコピペしたのが、そのリスト。水中考古学の世界のニュースの一部ですが、だいたい動きがコレで読み取れます。Wendyさんの情報を一緒にニュースリストの下で紹介してありますので、興味のある人は是非サインアップしてほぼ毎週送られてくる世界の水中考古学ニュースをお楽しみください。世界の水中考古記事、最近の記事をお探しの方(新聞・テレビ関係者など)も利用していただくと貴重な情報が集まるかと思います。また、水中考古学に興味のある学生さんなども使ってみてください。
この他にグーグルアラートでいくつか水中考古学と関連のあるキーワード設定を数件と、グーグルサーチで「水中考古学」を設定し、また、表示方法を日付順に設定したものをホームページにしております。これで水中考古学の最新情報がそろいます!また、私の場合、テキサスA&M大学で長年勉強・研究していたこともあり、いろいろな方からニュースの種や最新の動きを教えていただいていますので、普通のニュースに載らない情報もあります。これらの中から日本人にも「面白いな」と思ってもらえる情報を発信しております。もっと知りたい方はどんどん自分で調べてみてください!
こちらが、Wendyさんの今週のニュースリンクです。
3. Swedish preservationists document likely cause of sinking of ancient sailing ship [“Vasa”]:
http://www.pri.org/stories/science/swedish-preservationists-document-likely-cause-of-sinking-of-ancient-sailing-ship-8606.html
7. Punjulharjo ancient vessel from 7th century—found in Central Java, Indonesia:
http://www.youtube.com/watch?v=GNohWyUMcKw
8. New website of the Maritime Archaeology Unit (MAU) in Sri Lanka:
www.mausrilanka.lk
10. Maritime trade and Islam in the Indian Ocean: The first Swahili mosques (eleventh to thirteenth centuries) [in French]:
http://remmm.revues.org/7446
12. Profit or preservation? Debate rages over “Titanic” treasures:
http://www.kval.com/news/local/Titanic-treasures-on-the-auction-block-139554238.html?tab=video&c=y
15. Meet the only man alive who has been to the deepest ocean:
16. Job vacancy on UK’s ‘lost world’ of St Kilda:
http://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-highlands-islands-17127869
17. Four unknown shipwrecks found [Greece]:
http://www.athensnews.gr/portal/41/53466
18. Viking pirates: Creating a maritime identity:
19. Taking tips from Vikings can help us adapt to global change:
http://www.heritagedaily.com/2012/02/taking-tips-from-vikings-can-help-us-adapt-to-global-change/
24. Bulgarian archaeologists find 130 ancient sites along Nabucco Route [gas line]:
http://www.novinite.com/view_news.php?id=136619
26. Harbor-deepening project poses concerns about Fort Sumter:
http://www.thestate.com/2012/02/20/2160009/harbor-deepening-project-poses.html
27. Odyssey seeks to rebuild relationship with Spain:
30. What’s the total value of the world’s sunken treasure?
Wendy van Duivenvoorde, PhD
Lecturer in Maritime Archaeology
Department of Archaeology | Flinders University
GPO Box 2100 | Adelaide, SA 5001 | AUSTRALIA 

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フロリダ・オデッセイ社とスペインの沈没船

数年前からちょっとした話題になっているニュースです。アメリカやスペインなどではまたこの記事が出てますが、日本の新聞社などはまだどこも書いていないようなので詳しく解説をいたします。

日本語の最新のニュースとしてはこちらがあります(短い記事ですが) http://www.cnn.co.jp/world/30005491.html

フロリダに本社を持つサルベージ・トレジャーハンター会社が数億円の価値があると見られる金・銀貨が積まれた19世紀のスペイン船籍の船を引き揚げたことに起因しています。この会社はこれらの遺物の売却を検討したが、スペイン政府が「まった」をかけたわけです。そして、裁判が始まったのが、数年前。最初はフロリダ州の裁判所で始まった裁判ですが、会社側が敗訴し、遺物の返還を求められているわけです。しかし、まだ連邦最高裁に上告できますので、最終決定ではない(裁判は時間が掛かりますね)

さて、この件に関して以前に日本のニュースメディアや様々な方のブログなどを書き込みを拝見させていただきましたが、大多数はスペインの行動に違和感(もしくは批判的な意見)を持っていることが多いようです。それは、スペインが「宝は俺のモノだ」と主張する内容に勘違いされているようです。実際に海外のメディアを読むと、スペインの主張は文化的価値を主張していますし、ユネスコの水中文化遺産保護条約に賛成しているので、売却することもできません。スペインは遺物を文化遺産として見ており、遺物・遺跡の保護を考えています。ところが、フロリダの会社は遺物を営利目的で販売することにありますから、貴重な遺物が世界各地に売却されてしまうわけです。スペインはこのようなことを阻止するべく行動を起こした

どうして日本の反応でこのような違いがでてくるのでしょうか?これは、沈没船の引き上げが「宝探し」を前提としており水中文化遺産として沈没船を考える見解がニュースを伝える側や一般の人達に理解がまだ得られていないからだと考えております。同じニュースでも自分達の持ってる見方でこうも変わってしまうのは面白いことなんですが、同時に大きな問題でもあります。

しかし、先日発表された鷹島の元寇関連の遺跡が日本で始めて国指定の遺跡になったことを考えると、これからこのような勘違いが減ってくるのではないでしょうか?例えば、鷹島の沖で外国の会社が元寇関連の遺物を引き揚げて売り払おうとしたら、日本や中国はどのように対応するのでしょうか?もしくは、このフロリダの会社が遣唐使船を発見して遺物を売却したらどうなるでしょう?または、三角縁神獣鏡を30枚積んだ沈没船なども考えられます。それらを売却することも可能です。これは日本に水中文化遺産を保護する法律が存在していないからです。現在、日本にはこれらのことが実際に起こったとしたら、どう対応するのでしょうか?また、スペインの「返却しなさい」という対応を理解していただけたでしょうか?

遠い国の出来ことではなく、日本近海でも起こりえる事件だと思います。真剣に考えてみるには良い機会ではないでしょうか?

 

海外のニュースはたくさんあるので、お好きなものをお読みください。

http://www.bloomberg.com/news/2012-02-17/odyssey-marine-ordered-to-hand-shipwreck-treasure-to-spain.html
http://articles.boston.com/2012-02-17/news/31072276_1_florida-deep-sea-explorers-coins-and-other-artifacts-nuestra-senora
http://www.aljazeera.com/news/americas/2012/02/20122186547857739.html
http://www.philly.com/philly/news/nation_world/139558663.html
http://www.businessweek.com/news/2012-02-18/odyssey-marine-must-give-spain-shipwreck-treasure-judge-says.html
http://www.mercurynews.com/breaking-news/ci_19988906
http://tvnz.co.nz/world-news/sunken-600m-treasure-loot-going-home-4730071
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2012/02/17/MNKV1N9AVQ.DTL

 

水中考古学遺跡ー初の国指定!

長島県鷹島の海底遺跡が水中遺跡としては日本で始めて国指定の遺跡に指定されました!30年以上も前から調査が進められ「やっと」たどりついたということでしょうか?

元寇終焉の地として知られる鷹島でモンゴル海軍(主に中国船)の積荷や船体の一部などが発見されてきました。いろいろな調査チームや先生方が関わってきた遺跡です。特にアジア水中考古学研究所が長い間調査に関わってきました。もちろん、私も鷹島にしばらく住んで調査をしたこともありました。今を思うととても懐かしいです。

ちなみに、現在、この鷹島海底遺跡の遺物が東京海洋大学で展示中です。2月末にはシンポジウムも行う予定です。 http://www.ariua.org/news/news20120129/

いくつかニュース記事などをまとめたので下にリンクを紹介しておきます。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20120217-OYT8T01272.htm

http://blog.canpan.info/archaeology/archive/220

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/287727

http://blog.canpan.info/ariua/archive/568

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/287683

ちなみに、この鷹島海底遺跡は昔から世界では有名で頻繁に雑誌の記事やテレビなどの取材がありました。何年か前には世界の水中考古学発見ベスト10にも入っておりました。http://www.archaeology.org/0301/etc/kamikaze.html

やっと日本でも有名になった日本の水中遺跡ということになりますね。

水中遺跡は実はそれほど珍しいものではないのです。本当はどこにでもある存在なのです。これは、例えばアルバニア沿岸だけでも数週間の調査で百件近い水中遺跡が発見されていますし、アメリカのメキシコ湾の油田のパイプライン施設に伴う事前調査などですでに2千件以上もの遺跡が発見されていることをみれば明らかです。GPSなどが発達した今日でも船の座礁や沈没事故が頻繁におこっています。木造船の時代は今より海難事故多かったことでしょう。日本の歴史から海を切り離して語ることはできないことは明らかです。どこの海にでも沈没船はまだたくさん埋まっています。しかし、護岸工事などで壊されていることも多いのは事実です。海の上に作られた構造物は良く見かけますが、その下には今回の鷹島の遺跡よりももっと歴史的価値が高く保存状況の良い遺跡があった可能性も充分にあります。(逆に言いますと、鷹島遺跡の保存状況は世界の水中遺跡に比べ決して良いものではありません、ただし、歴史的背景が重要であることが評価されています)世界、そして、日本にはまだまだ保存状況が良い水中遺跡がたくさんあります。海に面した市町村どこでも水中遺跡が発見される可能性はまだまだ充分にあります。

日本では馴染みが薄いようですが、世界では水中考古学は意外とメジャーです。カナダなどは国立公園に水中遺跡がありますし、アメリカなども同じように国が中心となり水中遺跡のマネージメントを行っています。しかし日本はまだまだですが、この国指定が大きなステップになることは間違いないでしょう。日本以外で海に面した国で水中文化遺産保護がない国はほとんどありません。中国などは国家戦略の一環としてスリランカやケニアなどと合同で水中遺跡調査を行っていますし、韓国も国が水中遺跡の発掘に大きな力を入れています。東南アジアでも法の整備が進んでいます。日本の場合、この次の段階としては法の整備となるでしょう。今まで水中遺跡が発見されていなかったことの原因は、海上に建築物を作る際に事前調査が義務として課せられていなかったことにあります。世界ですでに数万件確認されている水中遺跡のほとんどが工事に先立つ事前調査や一般の人が偶然に発見したものです。法律の整備が進めば鷹島海底遺跡のようなすばらしい発見が日本各地でなされるでしょう。

日本の水中考古学の今後の更なる進歩に期待です。世界から見ればまだまだ遅れを取っていますが、充分世界に追いつける発見・研究をこれから重ねていけることでしょう。世界の動きをみて、今回の国指定を受け、日本らしい水中考古を築いていく礎としていただきたいですね。

熱海・初島沖で徳川家の家紋「三葉葵」を彫り込んだ屋根瓦が発見

静岡県熱海市の初島沖海底で、徳川家の家紋、三葉葵(みつばあおい)を彫り込んだ屋根瓦が見つかったそうです。

NPO法人アジア水中考古学研究所が調査したものですが、徳川の文様が入った瓦が良好な形で発見されたのは今回が初めてだそうです。西から東へ運ぶ途中に沈没したのではないかと考えられています。多少船体のようなものも残っているそうで、今後の調査に期待が寄せられます。

詳しくは朝日新聞で。また、この調査に関しては来週から始まるアジア水中考古学研究所のシンポジウムにおいて遺物の展示や講演が行われます。興味のある方は、是非ご参加ください!

シンポジウムのご案内はこちらから

展示につきましてはこちら

開催場所:東京海洋大学・越中島キャンパス 越中島会館・特別展示室

開催期間:2012年2月15日(水)~3月25日(日) 開催時間:10時~16時30分
(休館日:2月24・25日、3月9~12日)

展示内容:全国の海から引揚げられた文化遺産を多数展示します。
[おもな展示予定遺跡・遺物](沖縄県)オーハ沖海底遺跡,(長崎県)鷹島海底遺跡・前方湾海底遺(福岡県)相島沖瓦・玄界島沖唐津焼・岡垣浜陶磁器・福岡市内碇石,(静岡県)初島沖海底遺跡,(東京都)神津島沖海底遺跡,(千葉県)沖ノ島海底遺跡,(北陸)能登半島珠洲焼・海岸採集陶磁器 ほか

水中考古学って発掘とか保存処理とか大変なの?

今回は水中考古学の調査は本当に大変なのか?ということを題材に自分の意見を少し書いてみました。少し長いですが、お楽しみください。

水中遺跡は一括性の遺跡であり、保存状況が良好であることが多いため、陸上の遺跡以上に考古学・歴史の謎を解く情報が多く詰まっていることが多い。これらの遺跡の調査は費用がかかるからと思いこんでいたら、多くの貴重な情報が失われてしまう。ここでは、水中遺跡の重要性について触れるのではなく、では、実際にどのように対処すれば良いのかを考えてみたい。沈没船を研究する意義や実際に何がわかるのか、なぜ、この研究が必要か?などの論点はこのウェブサイトのほかのページや水中考古学関連の刊行物を参考にしていただきたい。このページを書いた目的はもっと多くの人に、実際に水中考古学はそれほど大変な作業ではないことを知っていただきたいことにある。「水中考古学が日本でなかなか発達しない原因は?」と一般の人々や考古学者が聞いて連想するには以下の事柄が挙げられる。

1.遺跡の発見が困難であり遺跡の数が少ない

2.発掘に特別なトレーニングなどが必要で難しいし、保存処理にもまた資金が必要となる

「水中考古学は大変だね」という人はだいたい水中考古学を理解していない人である。実は、これらの問題は大部分が解決されているからだ...しかし、これらの「問題点」はもちろん大変な課題その通りである。水中考古学を発達させるに当たりこれらの問題を解決する必要がある(あった)...しかし、「解決」には必ずしも「正面から攻略」する必要もなく、考古学の遺跡へのアプローチの仕方ひとつでこれらを「回避」することもひとつの解決策と捉えることができる。海外で水中考古学が成功した背景には水中遺跡に対する考古学の手法を変えることによりこれらの問題に対処してきた。日本の場合、長い間培われた考古学遺跡へのアプローチの方法があり、世界に認められる成果を残してきた。簡単ではあるが日本の考古学の特徴(また、遺跡に対する姿勢)を述べてみる。遺跡はほとんどが緊急調査であり、発掘をせざるを得ない状況にあるため、「すべての記録をそのまま残す作業」が重視されている。また、遺跡の件数が多いため、緊急発掘を通して得られた情報から編年研究が発達している。つまり、緊急発掘で得られたデータをもとに、学術的な小さな手がかりを掴んで、ある定理の証明に必要なデータ提示する方法を取る。しかし、水中遺跡を陸の遺跡と同じように考え、考古学のアプローチを水中にある遺跡に組み込もうとするために上述した「問題」が発生するのである。では、これらの問題を「解決」した海外の水中考古学とはどのようなアプローチを取っているのであろうか?

 

1.遺跡の発見が困難であり遺跡の数が少ない

答え:遺跡をわざわざ探さないことである。

現在までに考古学発掘が行われた水中遺跡で実際に考古学者がお目当て遺跡を「探し当てて」調査に臨んだ遺跡は実は非常に少ない。海底から沈没船などの海底遺跡を見つけるのは、サイドスキャンソナーやサブボトムプロファイラー、さらには磁器探査機などを使用し海底面をくまなく探索する。同じ海域を何週間も行ったり来たりするのである。もちろん、何週間も調査をしても発見できないことが多い。しかし、これは「遺跡の数」が少ないわけではない。ここでポイントとなるのが、「考古学者が発見した遺跡」の数が少ないことである。現在までに調査が行われた水中遺跡のほとんどが実は「考古学者でない人々」が発見しているのである。主に護岸工事関係者(パイプラインの施設など)、漁業関係者、スポーツダイバーや歴史に興味のある人々である。例えば、アメリカのメキシコ湾岸には多くの油田(と海底パイプライン)があるが、これらの施設工事の際には海底の事前調査が行われ、すでに2,000件以上の海底遺跡が発見されている。また、漁師や海岸に住む人々などが発見することもある。地中海なども数千件の海底遺跡が報告されているが、ここでもスポーツダイバーなどが発見するケースが多い。お隣の韓国でも漁師が陶磁器などを発見したことから沈没船の発見に繋がることが多いようである。

つまり、「遺跡を発見するのが困難である」ことに対する解決策は「遺跡を発見する努力はなるべく最小限に控える」ことである。では何をするべきか?答えは簡単である。一般の人々(今これを読んでいる人)が水中遺跡を発見する可能性が充分にあることを自覚することである。少なくとも、私のような専門家よりも、護岸工事や埋め立て・浚渫事業に携わる人のほうが水中遺跡を発見する可能性は高い。これには、もちろん色々な人に水中考古学を知ってもらうと同時に海の上にモノを建設する際にはきちんと事前調査を義務化する必要がある。日本は水中にある遺跡に対して特定の法律が存在しない珍しい国である。考えてみれば、日本の陸上の考古学遺跡は大きな道路沿いに点在している...これは道路など公共事業の建設に先立って行われた事前調査・緊急発掘の賜物である。もし、陸上の遺跡に対して保護する法律がなかったとしたら、どうだろうか?これだけ膨大な資料が集まるはずはないのは誰が考えても結論は同じである。水中も全く同じである。逆にどこで水中と陸地を分けるのか疑問である。海の水位が上昇すれば現在の陸地は海となるわけで、例えばこれから100年後、東京の一部が水没したら、その場所は調査対象外となるのか?水中も陸上もきちんと事前調査を義務化しなければならない。

実は海底遺跡は本当はものすごく身近にあることが多い。水没した遺跡というのは、もともと陸であった場所が、水没したわけであるから、現在の陸に近い場所にあるのが普通である。深海のど真ん中に水没遺跡がある可能性はほぼない。では、沈没船はどうか?これも、基本的には陸に近い場所で沈没するケースが多いのである。沈没の原因は接触事故や浅瀬に乗り上げげたり、岩礁にあたるなどが多い。2012年の1月に豪華客船の事故があったが、浅瀬に乗り上げて座礁したようである。また、港の近くは交通量が多く、接触事故も多い。イギリスの保険会社の報告によると、過去300年ほどの統計でみると、沈没したケースの90%が実に水深50mよりも浅い地点で沈没しているのである。イギリスやオランダの東インド会社の記録もやはり、港や陸に近い場所で事故にあっている。日本の海運についての詳しいデータについて自分は勉強不足だが似たようなケースが考えられると思う。つまり、日本において、比較的浅い場所・陸から近い場所に水中遺跡があると考えると、開発が及ぶ地域、もしくは、すでに埋立地となった場所に多くの遺跡がある(あった・すでに破壊された)ことになる。

以上のことを考えると、日本において水中考古学の遺跡の発見数を増やすには一般の人に興味を持ってもらうこと、そして、法の整備が先決となる。考古学者だけがいくらがんばっても現実問題として、無理な話なのである。考古学者の役割とは、誰かが発見したときにより詳しく調査できる体制をとることと、情報の公開、そしてデータベースなどの管理が必要となってくる。このデータベース管理ということが後々キーワードとなるが、ここでは簡単に触れておくのみで次の項目に進みたい。

 

2.発掘に特別なトレーニングなどが必要で難しいし、保存処理にもまた資金が必要となる

答え:遺跡の発掘を控え、遺物も必要以上に引き揚げない

水中ではさまざまな制約があるのはもちろんだ。時には透明度も悪く、暗闇での発掘も珍しくはない。また、海流の流れも強く泳ぎながらの作業もある。そして、何よりも作業時間が短い。水圧が体にかかった状態で圧縮された空気を吸うわけであり、急に浮上すると体に溶け込んだ空気が気泡となってしまう。これを防止するにはゆっくり浮上することはもちろんだが、深い場所で長時間潜ることが出来ない。水深50mの地点では作業時間は10分ほどで、一日2回しか潜ることができない。安全性の確保のためにきちんと水中での作業のためのトレーニングを積む必要はある。しかし、この点ばかりが強調されているが、実は「考古学者」を育てるほうが難しい。ダイバーには訓練次第で誰でもなれるが、考古学者になるには時間がかかるし、何よりも根気が必要だ。ダイビングの訓練よりも考古学者としてのトレーニングを重視するべきである。さて、次に保存処理であるが、これもなかなか難しい問題である。水中にある遺物は陸上のある遺物よりも保存状態が良いことが多い。しかし、問題はきちんと保存処理を施さないと空気に触れたとたんにボロボロに崩れだすこともある。これを防ぐには遺物を長時間(時には10年から20年)薬品に浸す必要がある場合もある。スウェーデンの有名な沈没船ヴァーサ号は20年以上も保存処理が行われていた。つまり、発掘を担当した人が遺跡の保存処理を終え、最終報告書を出すころにはすでに引退をしていた場合もある。

さて、これらの問題をどう「解決」するのか?これも、答えは意外と簡単である。発掘が難しいのあればわざわざ掘る必要はない。そして、保存処理も、しっかりとした予算がないかぎり引き揚げずに現地保存をおこなう。これで、問題は回避できる。いや、これでは考古学ではないと思うかもしれない。発掘を行わないとはどういうことだろうか?詳しく説明をしよう。

水中の遺跡は開発が直ぐに及ぶことが少ないという特徴がある。例えば、パイプラインの施設の事前調査で遺跡が発見された場合、別の場所にラインを通す。陸の道路の場合はコースの変更は他の住宅地などもあり難しいので、発見されれば緊急発掘となる場合が多いであろう。しかし、海はまだ開発の余地があるケースが多いので、そのまま現地保存が可能となる場合が多い。もちろん、陸に近い場所では海の上であってもなかなか工事のプランが変更できないこともあろう。しかし、前述したように、基本的には発掘が困難になるのは水深が深い場所であり、浅い場所ではそこまで発掘が困難ではない。また、工事以外に、例えばスポーツダイバーの方が遺跡を発見した場合などは開発が直ぐに及ぶこともないので現地での保存が優先される。現地保存をしても台風や津波などで海底面が荒らされてしまう場合もあると思う人もいるだろう。そこで、オーストラリアやインドなど世界各地で水中遺跡を台風などから守るために水中に防護壁や網をはったり埋め立てるなど現状保存方法の研究が進んでいる。それ以上に人間が破壊するケースが多いので、そちらを先に解決したい。ユネスコの水中文化遺産保護法案も現地保存を第一目的とし、それが可能でない場合にのみ対処方法を考えることを原則としいる。現地保存をすれば、もちろん、費用のかかるトレーニングや保存処理など必要ない。また、最近の水中考古学の現状は、このような遺跡のマネージメントや現状保存の研究などが重要な課題となって研究が進んでいる。

では、考古学者って何をするの?と思うかもしれない。ここで、データベースがキーワードとなってくる。考古学者は遺跡が発見されたときに、その遺跡に潜り、発掘を行わず出来るだけあらゆることを記録する。発掘はせずに、その船の遺物の特徴から沈没年代の特定やどのような船であったかを考察する。これらの記録は一般に公開し、様々な専門化の意見を問う。沈没船は遺跡の種類が豊富なので、一人で研究をすることはほぼ不可能であり、歴史家や様々な考古学のスペシャリストの助けが必要である。逆に言えば、発掘する意義のある研究が出来る人が育つまで発掘を延期していると考えることも出来る。前述したが、水中遺跡は偶然に一般の人によって発見されることがほとんどである。つまり、発見されたものが最良の遺跡であるかは分からないのである。何億円もの費用を費やして10年研究を続けた後、ほんのその30m先に同時代のもっと保存状態が良好で、発掘環境も良い遺跡が発見される可能性も否定できない。そうなると、今までの努力が無駄であったと思ってしまう人もいるのではなかろうか?では、データベースの蓄積によって好条件の遺跡を待っていたら、いつまでたっても発掘できないし、どうやって成果をだすのかと悩むところである。しかし、ここでアプローチの違いが出てくる。水中考古学は事前調査によって遺跡を発見し、学術調査によって成果を出す学問である。水中考古学者は水中遺跡のデータベースをもとに、今、何が知りたいのか?今ある遺跡から何を学べるのか?どの遺跡がそれを答えてくれるのかを慎重に吟味する必要がある。つまり、はっきりとしたリサーチ・クエスチョンを提案し、どの遺跡のどの部分を調査するのか明確に打ち出してから、部分的発掘を行うのである。例えば、17世紀から18世紀にかけての舵と舵幹の接合部について研究したいとすれば、その部分が残っている沈没船を探し出し、その部分だけを水中で記録する方法をとる。海外では遺跡のマネージメントの他に研究の的を絞りピンポイントで発掘を行うスタイルが確立されつつある。または、ひとつの遺物の種類に絞って研究することも考えられる。

もちろん、すべての遺跡が現地保存できるわけではない。時にはどうしても工事のプランを変えることが出来ずに発掘に踏み切ることもある。しかし、この方法での利点は遺跡を破壊しないことと、費用がかからないこと以外にもメリットがある。それは、考古学者ダイバーの実践トレーニングが出来ることにある。このような小さなプロジェクトを積むことにより、実際に工事などで緊急発掘が必要となっても実践で訓練されたダイバーが充分育ってくれているのである。また、少数の遺物を引き揚げ、保存処理の研究を行い、今後起こりうる大型船の緊急発掘に備えノウハウを積むことが出来る。

 

結論

水中考古学の調査や発掘には様々な壁があるように捉えられている。特に、遺跡の発見が困難であり、また、発掘や保存処理には費用と時間が掛かることが考えられる。しかし、陸上の緊急発掘をベースとした日本の考古学の考え方では大きな障害に見えても、実際にはこれらの問題点は少し違った視点(特異な遺跡への対処方法)から眺めることで解決できる場合が多い。つまり、考古学者は水中文化遺産保護へ向けての啓蒙活動と情報収集に従事し、明確な研究対処にそった小規模の(非破壊)調査を繰り返すことを第一目的とすることにある。

全体的に少し理想論的な部分もあったが、実際に水中考古学先進国ではこのような動きが最近顕著に現れている。また、もちろん水中考古学の発達にはさまざまなパターンがあっても良いわけで、日本の土地にあった手法を考えなくてはならない。しかし、すでに多くの水中遺跡が開発により失われており、また、世界に比べこの分野では国家の取り組みが殆ど無いことは非常に大きな問題であり、ひとつの解決策として提案してみた。しかし、アジア水中考古学研究所などが中心となり、日本の水中遺跡のデータベースの作成を行っている。これらの成果は世界からも評価されるべき動きである。このデータベースをもとに、地方自治体や政府が真剣に国としての対策を検討する必要がある。また、これを読んだ人で、海で作業をする人であれば、何か思い当たることがあるかもしれない。水中文化遺産保護のために自分で何をするべきか、何が出来るか考えてみていただきたい。小さなステップであれ何か大きな発展に繋がるかもしれない。

最後に、水中考古学って発掘とか保存処理とか大変なの?と聞かれたら、こう答えましょう。

「陸上の発掘の常識やアプローチをそのまま水中に当てはめると大変そうに思えるが、水中遺跡を巧くマネージメントすることにより現地保存を前提とし、非破壊調査で少しづつ成果を蓄積していく方法をとるので、思っている以上に難しいものではない。しかし、これを実現するためには、一般の人々の理解を広めることや、政府関係者が法の整備に着手することが先決である。」

 

中国水中文化遺産保護へ向けてのニュース

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