水中考古学の薦め

人間の新しい環境に乗り出していく好奇心と挑戦心が物質的にあらわれたもの、それが“ふね”です。考古学は水中であれ地上であれ基本とすることは全く同じです。過去を愛する人、遺物を将来のために守っていく心を持った人の集まりが水中考古学を発展させていくことでしょう。トレジャー・ハンティングや水中考古学まがいのものが日本では認知されてきていますが、考古学の目的は遺跡・遺物の保護です。過去を大切にすること、それが第一原則です。今こそ日本人の海への関心を高めるべきです。地上の重力に魂を束縛された人間の心を解放し、水中遺跡の関心を高めていく。それが私の使命だと考えています。

2005年4月2日 Randall Sasaki

日本水中科学協会シンポジウム

特定非営利活動法人日本水中科学協会は,
「スクーバダイビングによる活動の安全を確立し、スクーバダイビングによる海の活動を活性化する」
ことを目的に今年の5月に設立された団体です.

団体の代表は,須賀次郎さんです.
須賀さんは,日本のダイビングの黎明期の昭和30年代から、
その普及と安全性の向上に貢献してきたこの分野での日本の重鎮です.

シンポジウムは,以下のように開催されます.

[第1回]スクーバ活動 基準とマニュアル 研究策定シンポジウム
日 時: 2010年12月12日 10時~17時
会 場: 船の科学館・羊蹄丸アドミラルホール
東京都品川区東八潮3-1
参加費: 会員無料/一般1,000円(マニュアル資料代ふくむ)
主 催: 特定非営利活動法人 日本水中科学協会(JAUS)

詳細につきましては,資料を添付しましたので,それでご確認ください.
また,JAUSのホームページからも確認できます.
http://www.jaus.jp/

国際シンポジウム 船の文化からみた東アジア諸国の位相

「船の文化からみた東アジア諸国の位相」というタイトルで関西大学文化交渉学教育研究拠点主催国際シンポジウムがおこなわれます。10月16-17日ですが、ライブ中継も行われるようですので、興味のある人は是非見てください。豪華な専門家の先生方が集まっています。韓国やベトナムの著名な先生方も参加しており、非常に価値のあるシンポジウムです。また、ライブ配信もなかなか新しい試みで楽しみです。

ライブ中継はこちらから

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水中考古学50年

今年、2010年は水中考古学が誕生して50年の節目の年となっています。いつからが水中考古学の始まりかと聞かれると、人によっては違う意見もありますが、一般的にジョージ・バス先生によるケープ・ゲラドニアでの発掘だといわれています。ケープ・ゲラドニアで始めて考古学者自らが潜って、陸上とまったく同じ(もしくはそれ以上の)正確なスタンダートで沈没船を発掘・記録したことに紀元があるとされています。今年は、その発掘から50年目にあたります。

これを記念して、夏にケープ・ゲラドニアで再び発掘が行われました。当時は沈没船すべてを発掘できなかったので多少残っていた部分などもあったようです。50年前に発掘に携わったジョージ・バス先生も実際に水中に潜り遺跡をその目で再確認しました。また、当時のメンバーのうちまだ潜れる数名が遺跡を訪れています。著名な画家のヘンリー・マチスの孫であるクロードさんも50年前とそして今回も海に潜っています。当時のメンバーは陸の上ではもうすっかりおじいちゃんですが、水に入ると若い人顔負けの凄腕ベテランダイバーに返信します…

ナショナル・ジオグラフィク社がケープ・ゲラドニアの記事を書いていますので、リンク先をご覧ください。当時の写真の今年の写真があります。

これから50年先はいったいどんな水中考古学が発達するのでしょうか?これからはアジアや日本にも期待がされています。ちなみに、ケープ・ゲラドニア遺跡を始め、世界のほとんどの水中遺跡を発見したのは考古学者ではなく漁業関係者やファンダイバー達です。水中遺跡かな?と思ったら触らずに専門家に連絡を取りましょう。水中では陸に比べて保存状態が驚くほど良いことがあるので、昨日沈没したように見える舟でも何百年も前に沈んだ船である可能性もあります。水中文化遺産は人類共通の遺産であることを認識し、ダイバーと考古学者など協力して文化遺産の保護に取り組んでいきましょう。

日韓共同水中考古学研究会  

この研究会は、アジア水中考古学研究所と韓国文物研究院及びウリ文化財研究院共催によるもので、2年ごとに日韓交互で開催するものです。
第1回は2年前の2008年5月に韓国・釜山で開催しました。
今年度の研究会は第2回目で,日本では初めての開催で、日本財団助成事業「海の文化遺産総合調査プロジェクト」の一環として第4回『水中文化遺産と考古学』シンポジウムを兼ねて開催します。

日本のみならず,韓国での水中考古学の実情を知ることのできる機会です。
興味がある方は,参加してみてください.

以下,研究会の詳細です.

日本財団助成事業
2010年度「海の文化遺産総合調査プロジェクト」調査報告会
第4回『水中文化遺産と考古学』シンポジウム
第2回日韓共同水中考古学研究会

開催日時: 9月12日(日) 9時~17時
場 所: 福岡市博物館・講堂

発表者およびタイトル
[日 本]

・田中克子(ARIUA会員・福岡市教育委員会)
「長崎県五島列島小値賀における日宋交易に関する一考察
―前方湾海底遺跡調査の成果より―」
・高野晋司(ARIUA会員・長崎県教育庁学芸文化課)
「蒙古襲来を掘る」
・宮城弘樹(ARIUA会員・沖縄県今帰仁村埋蔵文化財課)
「南西諸島の水中文化遺産の概要」

[韓 国]

・金炳菫(国立海洋文化財研究所)
「水中発掘の高麗船舶の構造と時代区分」
・魯京正(国立海洋文化財研究所)
「忠南泰安郡馬島の沖における水中発掘調査の概要」
・金尹姫(韓國文物研究院)
「海底遺跡出土の高麗靑磁の現況と特徴」
・兪炳琭(ウリ文化財研究院)
「水中考古学の現況」

連絡先: 特定非営利 アジア水中考古学研究所
TEL&FAX 092-611-4404
E-mail kosuwa@h6.dion.ne.jp

※資料代は別途(500円程度)となりますが、参加費は無料です。
事前の申し込みも不要ですので,参加される方は当日直接会場にお越しください。
なお,ご不明な点等は、アジア水中考古学研究所にお問い合わせください。

海が結んだ日本とトルコ―軍艦“エルトゥールル”の遭難事故から―

このサイトに良くご覧になれる方にはお馴染み、1890年に和歌山県串本で沈没したトルコ軍艦エルトゥールルの遺物などが東京・お台場船の科学館で展示されています。興味のある人は是非足を運んで見てください。今年は日本・トルコ友好120周年でもあります。

船の科学館
〒135-0092 東京都品川区東八潮3-1
電話:03-5500-1111

1890(明治23)年9月16日,日本への親善使節を乗せたトルコ軍艦“エルトゥールル”は帰途台風に遭遇,和歌山県串本沖で沈没しました。600人近くが死亡する惨事のなか,地元民の献身的救助と看護を受けた69人が日本の船で無事トルコに帰国しました。この遭難事故と救助活動を端緒として両国の親交が始まったのです。遭難事故から120年。本年は「日本・トルコ友好120周年」でもあります。本企画展では,両国友好の架け橋となった軍艦“エルトゥールル”にまつわる遺品をはじめ,現在に至る両国友好の流れを写真・模型などとともに紹介します。御来場の皆様にとって,海を越えて結ばれた日本・トルコの交流史を知るきっかけとなれば幸いです。

引き続きアフリカ東海岸と中国

中国からの水中考古学チームがマリンディ、ラム海岸で事前調査(サーヴェイ)を行っています。すでに陸での発掘も同時に行われているようです。水中からすでに10世紀の中国の陶磁器や14世紀のイスラムの土器などが発見されているようです。これから少しづつですが、いろいろと発見できることでしょう。東アフリカ、イスラム文化圏、東南アジア、中国は歴史の研究からだけではわからなかった何か大きなつながりがあったのかもしれませんね。今後の成果に期待して待ちましょう。

Archaeologists digging a historic site in Malindi have come across interesting findings that show there was settlement in the area by 10th century and trade links with the other parts of the world.

Chinese and Kenyan archaeologists have pitched tent in Mambrui area, to unravel historical connections between the two countries way before the arrival of Europeans in the East African Coast.

The head of Kenya’s Coastal Archaeology, Dr Herman Kiriama, said the excavators who have not gone beyond one metre since they started the works on Tuesday last week have found pottery and artefacts that point to existence of early settlement and trade.

“The progress is good because we have been able to find local pottery that can be traced to the Tenth Century and Islamic pottery of the 14th century.

“Other interesting findings include Chinese porcelain, one of the key items that the Chinese experts led by archaeologists from Peking University have been interested in,” Dr Kiriama said in an interview.

The new historical journey, according to archaeologists, starts in Malindi where a terrestrial excavation has already started before a complicated underwater survey in a few months’ time off the Lamu archipelago.

The experts are probing say a 9th Century kingdom in Malindi is the subject of a major archaeological research.

The archaeologists have teamed up with their counterparts at the National Museums of Kenya.

There are seven archaelogists from China and eight from the NMK assisted by a group of about 40 local people.

The underwater excavation near Shanga will try to unravel a Chinese ship that sank 600 years ago.

インド洋と中国

アラブ・インドと中国は陸のシルクロードだけでなく海でもつながっていました。東南アジアで発見された9世紀のBelitung沈没船は中国・唐からの陶磁器などが主なつみにでしたが、アラブもしくはインドから来た船だと考えられています。この船は鉄釘などを使わず板材を縄でつなぎ合わせている縫合船でした。この方式はインド洋で一般的に見られるもので、ダウ船のような船に発達していったと考えられています。

何年か前からこの船の復元模型がオマーンで作られ、オマーンから出港し、2010年7月3日にシンガポールに到着したそうです。また、この沈没船から引き上げられた遺物は2010年末からシンガポール、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど各地の博物館の特別展などで展示されるそうです。この沈没船はインド洋と中国をつなぐ海から発見された確かな物的証拠であり、貴重な遺跡と考えられます。日本でも展示されるかまだ調べていませんが、海外在住のかた、または、旅行先で見かけたら是非遺物を実際に目で見てみましょう。

ワールド・トレード・センター沈没船(NY)

ニューヨークのワールド・トレード・センター(例のテロで壊されたビルです)跡地から18世紀の船が発見されたようです。まだ発見されて間もないようであまり情報などありませんが…

どうやらニューヨークの港の埋め立て事業などと共に200年ほど前に破棄され埋め立てられた様子です。ニューヨークやサンフランシスコなど港町として栄えた都市では時々見かけます。湾岸施設を作る際に手っ取り早く埋め立て地を作る場合に古い船を集めて沈めて護岸を作ったりしているようです。まあ、発見現場は当時は海だったわけですね。現在は高層ビルが並んでいます。ニューヨークでは非常に珍しい発見です。サンフランシスコはゴールドラッシュで急激に発達した都市で、10年の間に突然土地が必要になったりもしたため、どんどん廃棄船が埋め立てられたようで、サンフランシスコの街中には実はたくさん沈没船があります。ニューヨークではあまり聞きません。ちょっと興味のある発見例ですね。日本でも埋立地の下から船が出てくることがあるのでしょうか?ほとんど壊れていそうですが、まれにこのような発見があるかもしれませんね。工事現場の関係者の方、何か出てきるかもしれません。その際は連絡をお願いします…

杭州で海洋博物館オープン

中国上海の南汇区に新たに海洋博物館がオープンしたそうです。館内からは杭州湾を見渡すことが出来、博物館は中国ジャンク船の帆の形をしているということです。さまざまな中国の船のモデルやレプリカなどが展示され、遺物は特に航海技術に関するものを多く展示してあるようです。鄭和大航海に使われた船のレプリカもあり、マストの高さだけで26.6mもあります。昔の海図やルートの説明なども多くあるようです。4Dモニター(??)などもあり中国の海洋史を子供でも学べるよう様々なイベントや体験、展示方法にも工夫がなされているそうです。

第2回 JCUEカフェ:海の遺跡を調べる

第2回 JCUEカフェ
『海の遺跡を調べる』 開催のご案内

JCUEカフェ第2回目は、“水中考古学”がテーマです。
知ってるようで、意外と知らない、海の遺跡のことを“ダイバーにも知ってほしい海
の遺跡の本当の姿”というサブタイトルで易しく解説します。
講師は、自身もダイバーである考古学者の林原利明さん。
「調査には誰が参加できるの?」「私の潜る伊豆の海にも遺跡はあるの?」
水中遺跡調査の映像や写真もふんだんに紹介しながら、ダイバーの疑問に答えてゆき
ます。
あなたも海の遺跡調査に参加してみませんか?

■日時  7月22日(木曜) 19:00~21:00

■場所  ルノアールマイスペース新宿3丁目ビックスビル店
東京都新宿区新宿2-19-1 ビックスビル地下2階
℡  03-5379-2766

《地図》
http://www.ginza-renoir.co.jp/myspace/mys103.htm
http://kokomail.mapfan.com/receivew.cgi?MAP=E139.42.38.9N35.41.16.6&ZM=11&CI=R

■メニュー
海の遺跡を調べる~ダイバーにも知ってほしい海の遺跡の本当の姿~

講師 林原利明
NPOアジア水中考古学研究所・理事
西湘文化財研究所・代表

■参加費用
JCUE会員 ¥500
非会員    ¥1,000

■申込み方法
お申込はコチラから→ http://jcue.net/jcuecafe/02.html
お問合せ npo@jcue.net
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