お知らせ

平成22年度金沢大学公開講座「日本海の水中考古学」

日本海域水中考古学会と金沢大学が公開講座を行うそうです。

平成22年度金沢大学公開講座「日本海の水中考古学」
金沢大学サテライト・プラザ
2011年1月22日(土)10:30-16:00
佐々木 達夫「日本海に沈む歴史と水中考古学」
小川 光彦「沈没船と積荷の海底調査風景」
酒井 中「能登半島の海岸から歴史を探る」
垣内 光次郎「日本海から引き揚げられた珠洲焼」
佐々木 花江「海揚がり陶磁器と金沢城下町の発掘品」

なかなか興味のある発表がそろっているようです。お時間のある方は是非参加してください。詳しくは日本海域水中考古学会まで。

アジア水中考古学研究所ー連絡会のお知らせ

アジア水中考古学研究所の関東・東北会員の連絡会のお知らせです。

・開催日:2月19日(土)
・時 間:13:30~17:00
・場 所:東京海洋大学越中島キャンパス3号館4階405室(東京都江東区越中島2-1-6)
場所の詳細は,以下を参照ください
http://www.kaiyodai.ac.jp/info/access/43.html
※当日は,直接,会場へお越しください.

内容は,あらためてお知らせしますが,
プロジェクト関連調査の報告とともに,外部講師をお招きしてお話をしていただきます.

今回,お招きする講師の方は,
現在のプロジェクトのパートナーとして,瀬戸内海沿岸域の調査を担当していただいている
NPO法人水中考古学研究所の水野恵利子さんです.

NPO法人水中考古学研究所がこれまでに携わってきた調査のお話などをしていただきます.
昨年話題になった坂本龍馬の「いろは丸」の調査もおこなっており,
水中考古学から明らかとなった龍馬関連の興味深いお話も聞けそうです.

尚、連絡会は研究所会員対象となっておりますが、一般の参加も可能です。お手数ではありますが、会員でない方で興味のある方は事前に連絡していただくようお願い申し上げます。

多くの方のご参加をお待ちしております.

アジア水中考古学研究所 理事
質問・お問い合わせは林原利明までお願いいたします。

ツイッター始めました

ついにツイッター始めました!

なにやらサイトのあちこちにブルーの鳥のマークなどがありますが、ツイッターへのリンクです。このサイトで紹介するほどでもないようなささいな水中考古学ニュースをいち早くお届けします。できれば1-2日に1回は何かつぶやいていく予定にしています。

すでにアカウントをお持ち方はフォローしてください。まだ、ツイッターを使ったことが無い人、いったい何のことか分からない人も是非始めて見ましょう。特に難しいものではないので…

トルコ軍艦「エルトゥールル号」保存処理進行中

和歌山県串本沖で発見された19世紀末のトルコ軍艦「エルトゥールル号」の調査で回収された遺物の保存処理が行われています。この沈没船はトルコと日本の友好を深めるきっかけになった船です。遭難した船の乗組員を日本の大島・串本の住民が介護をしたことで有名です。

保存処理は遺物によっては何十年と掛かることがあります。鉄は特に厄介で、錆が進行すると、周りの遺物や砂、貝がらなどを取り込んで膨れ上がります。てんぷらの衣のようになります。一見するとコンクリートのようにかちこちですが、中に遺物が詰まっているため、海中でばらばらにするよりもまとめて引き揚げて、保存処理をしながら解体していく作業になります。そのため、発掘してから何年もしてから貴重な遺物が見つかる場合もあるのです。

エルトゥールル号の今年の調査は発掘は行っていないようですが、このコンクリーションの中からさまざまな遺物がでてくることでしょう。今回発見されたのはコーヒーミルだそうです。

「エ号」関連のニュースはいろいろありそうです。映画が作成されているとか?いや、発掘の映画ではなくて、「エ号」についての。トルコの映画っていままで2-3作しか見たことがないのですが、日本でも公開されるようですね。

海賊黒ひげの剣

お馴染み海賊黒ひげの沈没船調査から剣が発見されたようです。ただの剣ではなく、金などで装飾が施されていた模様。詳しくはナショナルジオグラフィック社のニュースをご覧ください。また、「沈没船が教える世界史(メディア・ファクトリー)」にも海賊黒ひげの調査について書いています。

個人的な見解ではこれが海賊黒ひげの剣と言えるかと問われると、答えるのは難しいですね。彼は船を座礁させて、自分は逃げたわけですから、高価なものは持っていったはずですよね。それか、どこかに隠してあったものか。もしくは、彼はもっと高価な剣を幾つか持っており、今回発見されたのは、別に捨てても良かった剣だったか?あまり使いやすそうな剣ではないですね。

黒ひげ本人が描かれた試料など残っていますが、剣の細部まで詳細に残されているものは、どこまで信頼できるのか?この発見の考古学的価値は?これも難しいですね…装飾品などは個人の好みが反映されやすいのでスタイルなどが統一されていないのが普通です。なので、土器などと違いどこの時代に誰がどのように作ってどう流通したかを探るにはあまり向いていません。土器などは専門家が見れば特定は直ぐに出来ますが、このような発見は、それ単体がユニークであるが故、特定が出来ない場合が多いです。この破片から剣が作られた場所などが特定できれば良いでしょうが…どうでしょう。 

日比野克彦が迫る 海底遺跡の謎

もう今頃は巷に出回っている月刊ダイバー2月号で去年行われた日比野克彦さんと水中考古学者林原利明のトークショーの内容が取り上げられています。

興味のある方は書店でお求めください。

もしくはこちらから

歴史考古学総会

1月4日ー9日にかけてSociety for Historical Archaeology(歴史考古学学会)が主催する歴史・水中考古学総会がテキサス州のオースチンありました。この学会は早くから水中考古学、おもに沈没船の研究に力を入れており、毎年何百人もの水中考古学者が集まり最新の研究を発表しています。プログラムはジェネラルセッション、陸上考古学セッション、水中考古学のセッションに分けられています。

プログラムを見る限り今年は、不思議といろいろと節目の年であったようですね。水中考古学誕生50年のセッションはジョージ・バス先生のトークから始まり(私もこのセッションでベトナムの調査について発表しました)、地中海ももちろんですが、カナダのゴールドラッシュの船、カリブ海のヘンリー・モルガン(あのラム酒のラベルで使われている海賊の人)など世界のいろいろな地域の調査が紹介されました。ヴァーサ号も50周年だとか。もうそろそろすべての遺物の保存処理と分析などが完了するそうです。最新のデジタルレコーディングなどを使ってヴァーサ号の船体を記録しているようです。メキシコ水中考古学誕生30周年でもあったようですね。メキシコは資金がないなか地域の協力を得ながらいろいろとがんばっているようです。また、短期のプロジェクトなどは低所得者層や災害で職を失った人をトレーニングしているそうです。保存処理などは単調な仕事などがあるので、効率が良いということでしょう。

その他のセッションでは最新のROV(水中ロボット)やサーヴェイの方法などなどいろいろと面白い発表がありました。また、サイパン戦争遺跡の全体的なサーヴェイも行われており、GISを使い遺跡の位置のデータベース化など行われているようです。私も子供のころサイパンに行って海の中にある戦車で遊んだ記憶があります。2010年にプロジェクトが始まったばかりなので、これから日本からも協力を得たいとのことです。特に発掘などはおこなわず、遺跡郡全体の把握を目的としています。

この学会には世界から水中考古学者が何百人と集まるわけですが、アジアからの参加は私が知っている限り無し…今後アジアでもこの学問が発展してくれることを願っております。

 

ペリーのお兄さんの船発見!

ペリーと言えば皆さんご存知、日本に開国を迫ったあの、ぺりーさんです。実は彼の家は名門海軍一家。彼のお兄さんも有名な海軍の船長でした。つい先日、お兄さんの船がアメリカ・ロードアイランド州沖で発見されたようです。1811年沈没で、今年がちょうど200周年!

実は地元ダイバーにより数年前に発見されていたそうですが、極秘?で調査がされていたようで、200周年に合わせて発表されたそうです。発見者は独自の調査により99%ペリーの船だと確信しているそうです。

専門家により調査はほとんどおこなわれていないようですが、アマチュアダイバーによって発見・調査されることはそう珍しくありません。貴重な水中文化遺産はこのように地域の人たちによって守られていくのが、今後の良いシナリオではないでしょうか?

You Tubeのビデオ

Deetz Award 

アメリカの歴史考古学学会(Society for Historical Archaeology-SHA)は毎年1月に学会を開催しています。その中で毎年ブックアワードでDeetz Awardがあり、特に新しい分野などに貢献した1冊の本が選ばれます。

今年は、このサイトではお馴染みのJames Delgado先生の”Khubilai Khan’s Lost Fleet”が選ばれました!Delgado先生はナショナルジオグラフィックテレビの取材で長崎県鷹島の元寇遺跡を訪れ、蒙古襲来に興味を持ったようです。その後も日本の水中考古学の活動を影ながら支えております。この本はそれほど専門的なことは書かれていません。考古学の本ではありますが、あまり詳しくはなく、歴史の本として売られているのか、考古学として売られているのか、微妙なところです。実は先生は私に「専門なところはお前が書くんだ」と、この本はその前座として書いたものなのです。。で、私の本は現在出版社で校正中なので、今年中には出版されるでしょうが、なにぶん英語で専門的なので、日本の読者にはほとんど届かないでしょう。機会があれば、日本語訳を出したいですね。ただし、新安沈没船の隔壁が12cmだ、蓬莱1号は8cmだ、などなど…専門書は面白く書くのは難しい!まあ、面白く書くことが目的ではないので仕方が無いか…

さて、先生の本ですが、専門的ではなくアメリカの一般向けの本ですので、日本の歴史や元寇について分かりやすく書いてあります。とても読みやすい物語のような感じです。日本人としては、物足りない気がするでしょうし、また、太平洋戦争の「神風」などにもページ数を費やしているのは、「やっぱり」アメリカ向けと感じてしまいます。それはそれでいいのでしょうし、このように海外で評価されているのは良いことでしょう。海外からみた蒙古襲来を学ぶにはとても面白いかもしれません。英語もそれほど難しくないですし、本を毎年数冊出すかなりの書き手なので、やっぱり表現力が巧いです。英語でこんな風に書けたらなといつも思います。そう考えれば英語を学ぶためには良い本でしょう。

今年のブックアワードに選ばれたのは少しびっくりしましたが、それだけ日本やアジアの水中考古学が海外から期待されているということでしょう。長崎県松浦市から発掘の報告書などが出されていますが、まだまだ日本を代表する水中遺跡を知らない日本人は多いことでしょう。もう少しポピュラーな蒙古襲来と考古学とか、水中考古学が明かす元寇の謎みたいな本があればいいですね。

ちなみに、長崎県鷹島には歴史資料館があり、現在保存処理中の遺物なども頼めば見せてくれるとおもいます。つり好きの人は是非ついでにどうぞ。

ミシガン湖に流れ着いた沈没船

アメリカ・ミシガン湖の州立公園内で1800年代の沈没船の一部が公園を訪れていた一般客によって発見されたようです。
海岸を散歩していた人がもしかしたら古い時代の船の一部ではないかと思い連絡をしたそうです。専門家はまだ写真でしか確認しておらず、現地にはまだ船の一部が残されているようです。

特に大発見と言うわけでは、ありませんが、このようなニュースは時々見かけます。海岸を注意深く見てみるといろいろと発見があるかもしれませんね。もしかしたら、世紀の大発見があるかもしれません?沈没船はこのような一般の人からの情報により発見されたケースが殆どです。何か海岸で「もしかしたら」と思ったものがあったらぜひ連絡をおねがいします。

CNNのビデオはこちらから